ディスプレイの簡易設定

ディスプレイは、製品ごとに色の再現性が異なります。
機種が違うと、もちろん色も異なるのですが、同じ機種でも
個体差があったりします。
もっと端的には、みなさんがお使い のディスプレイも、
使用年数が経つに従って、性能が劣化するため 購入当時とは、
色の再現性が異なってきていることでしょう。

ディスプレイの表示品質に整えることを、ディスプレイの
キャリブレーション
と言います。
キャリブレーションは、コンピュータで画像を扱う上で、
まず最初にすべき大切なことです。 せっかく、綺麗に取り込んだ
写真を、他のディスプレイでみたら、がっかり! なんてことのないように
しっかりとキャリブレーションを行いましょう!

また、ディスプレイとプリンタのカラーマッチングを行うためには、
できるだけ正確に キャリブレーションを行って できるだけ
正確なICCプロファイルを作成することが重要になります。

PhotoShop5.xをお持ちの方は、Adobeガンマユーティリティ
設定できるのですが、 ここでは、お持ちでない方でも調整できるよう、
簡易的な設定方法を示しておきます。

ここでの設定値を最初にまとめておくと、
ガンマ:2.2
色温度:6500K
です。

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明るさと、コントラストの設定

モニタに通電して、30分以上たってから調整を始めましょう。

次に、ディスプレイで表現する階調を調整しましょう。
ディスプレイの階調は、写真の場合特に重要です。
適切に調整されていないと、写真のシャドウ部が
潰れてしまったり、ハイライト部が白く飛びすぎたりして
意図どおりの絵になりません。

下の画像は、黒から白までの階調を順にならべたものです。
みなさんのディスプレイでは、19の階調の違いが判別できますか?
出来ない場合は、下の方法で調整しましょう。

 

  1.   ディスプレイの「コントラスト」を最大に調整します。
  2. 一番左の黒と、二番目の階調の違いがわかりますか?
    この階調差がぎりぎりわかる程度に
    ディスプレイの「明るさ」を調整してください。
  3. 最後に、一番右の白と、2番目に明るい白が区別できなければ、
    コントラストを下げてください。

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ガンマは、おいくら?

ディスプレイの調整の基準の一つとして、よく「ガンマ」という言葉が
使われます。簡単に言うと、中間調(白と黒のちょうど中間のグレー)の
明るさです。

数字は小さいほど中間調が明るい設定となります。
Windowsでは通常2.2〜2.5というガンマ値が標準です。(Macは1.8)。
#通常Macで作成された画像をWindowsで見ると、かなり暗くなるのは
#このためです。逆にWindowsで調整した画像を、通常のMacで表示すると
# 明るくなりすぎます。

ちなみにこのサイトの写真はガンマ2.2で調整されています。

Macにはガンマ値の調整機能が標準で備わっているのですが、
残念ながら、Windowsにはガンマ調整機能がありません。

PhotoShop 5.xにはAdobeガンマユーディリティというソフトが
ついていて、ガンマを調整することができます。
(ただし、Windows 98と2000のみ。Win95/NT4.0は調整できません)
このソフトを使って、ガンマ2.2に調整して下さいね。

 

Adobeガンマを使えない人も、擬似的に2.2に近づけることはできます。

Adobeガンマを御使いの方も、下の調整チャートを一緒に表示して併用すれば
より正確に調整が可能 ですのでご利用ください。


上のグレーチャートをごらんになってください。
7段階の濃度が確認できると思います。

遠目に見て、周囲(シマシマに見える部分)の濃度ともっとも近いのは、
左から何番目ですか?

#わかりにくい場合は目を細めて見ると良い、という説も(^^)。

左から順に、ガンマ1.4、  1.6、  1.8、 2.0、 2.2、 2.4、 2.6と
なっています。もっとも周囲の濃度に近い部分が
あなたのディスプレイシステムのガンマ値です。
ディスプレイの明るさを調整することによって、中間調をある程度調整
することができますので、できるだけ2.2のボックスを、周囲の濃度に
近づけてください。
2.4や2.6になっている方は、やや明るめに調整すると良いでしょう。

ただし、この最初に設定した階調設定が無駄にならない範囲で
調整してくださいね^^。

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カラー調整

色温度によって、白点の色を調整します。単位はK(ケルビン)が使われていて
5000Kから9300Kくらいが使用されます。
5000Kは赤味が強く、色温度が高くなるほど、青味が強くなります。
ちなみに太陽の光(昼光色)は5000K〜5500Kくらいです。

Windowsで使われるモニタは、通常9300Kくらいの設定で
出荷されていることが多いようです。

この9300Kの白は、かなり青味が強く、印刷と相性が良くありません。
印刷にでの白は、使う用紙の白なわけですが、用紙の白は
こんなに色温度が高くないためです。
白が合わなければ、全体の色調も違ってきてしまいますので、
つまりは、ディスプレイの白と用紙の白を合わせる込むことが、
カラーマッチングの基本と言えるでしょう。

カラーマッチングの世界では、6500Kにするのが標準のようです。
9300Kで使われている方は、この際、 6500Kに合わせてみては
いかがでしょう 。 Windows標準のsRGBも、6500Kに設定しないと
意味ないですしね(^^)。

お持ちのディスプレイにあわせて、以下の方法で、白点の色温度を調整して下さい。
初期設定では、たいてい9300Kになっていると思いますので、
6500Kにすると、かなり赤っぽい色に感じるかもしれません。
でも、なれれば自然に感じると思います。そもそも9300Kの白点は「青すぎる」のです。
この機会に6500Kの色温度に慣れることをお勧めします。

色温度調整機能がついているディスプレイをお持ちの方

ディスプレイの色温度調整機能を使って、色温度を6500Kに設定して下さい。

色温度調整機能がないが、RGBのカラーバランスは調整できる方

この場合、正確に6500Kにすることは難しいので、使用するプリンタ用紙の白と
ディスプレイの白をあわせましょう。
プリンタ用紙を一枚用意してください。
用紙の後ろから光が透過しないように厚紙にクリップして下しさい。

プリンタ用紙をディスプレイの横に並べて置いてみてください。正面で見て
ディスプレイと用紙が比較できるようにしてくださいね。
ディスプレイのカラーバランス調整機能を使って、ディスプレイの白を調整します。
この部分の余白を使うと良いでしょう。






赤、緑、青を全ていじくりまわすと、調整が難しくなってしまいます。
コツは赤のレベルを固定しておいて、緑を少し低めに設定して、後は
青だけを調整すると良いでしょう。
結果として、赤に比べて青はかなり 低くなるはずです。

RGBのカラーバランスの調整ができないディスプレイの方

残念ですが、色温度の調整はあきらめてください(^^;)。
カラーマッチングのためには、色温度を調整できるディスプレイを
お選びになることを強くおすすめします。

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ディスプレイ プロファイルの設定

カラーマッチングのためには、ディスプレイ用のICCプロファイルと呼ばれるファイルが必要です。最近のディスプレイには、設定用のフロッピーディスク等に必ず

xxxxxxx.icm (xxxxxxの部分は製品によって異なります)

というファイルが入っているはずです。見つからない場合は、ディスプレイのメーカに問い合わせて見てください。

ディスプレイによっては、色温度別にプロファイルが用意されています。
色温度を6500Kにあわせた方は、できれば6500K用のプロファイルを使用してください。

#筆者のNANAO FlexScan54Tも9300K用と6500K用が用意されています。

このファイルを、[コントロールパネル]→[画面]→[詳細]→[色の管理]で追加してください。製品によっては、最初からこの設定がなされているものもあるので、その場合は読みとばしてください。

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