【2003-06-08追記2/2】 きらびやかな音色がお好みならば抵抗(10Ω~20Ω程度)を左右チャネル線に直列に割り 込み挿入させるアダプタを作るという手があります。 イヤフォン自体のインピーダンス特性をそのまま利用する為、ハードウエアイコライザのような素直な特性は期待できませんが、本機においては比較的素直な 中域落ち応答を示します。また追加した抵抗の分だけインピーダンスがあがる為ボリウムを上げる必要があり、結果として若干ながら定在雑音を除去する効果が あります。 [注]イヤフォン側のインピーダンスが低い為、左右のばらつきがハッキリ出ます(イヤフォン側の左右特性 差はそれなりに管理されています)。そのため、使用するべき抵抗は10~100本程度の同ロットを一括で購入し、1台の積分型デジタルテスタ(アナログテ スタは使用しない)と2本のワニグチクリップ付き電線を使用して抵抗値を測定し、この結果値が同じであったうちの1対を使用してください。高価な高精度抵 抗に頼るという手もありますが、店売り小口販売の場合は別ロットが混じっていて周波数応答が若干異なってしまう場合があり、あまりお勧めできません(テス タで計れるのは1周波数のみ--アナログテスタの場合は0Hz、デジタルテスタの場合は指定周波数--なので、テスタの値が同一でも聴いた感じが異なる可 能性は十分にあり得ます)。抵抗器の製造方法や構造によっても周波数応答が変化しますので、いくつかの種類を試すことは有用です。 ついでに、左右チャネルを適当に混ぜる場合は、抵抗(10Ω~20Ω程度)を中央線に直列 に割り込みさせるアダプタを作るという手もあります。 この場合は1本のみの挿入なので、左右あわせなどの必要性はありません。本機では上手い具合に点音源感をぼかす方向に働きます。 バイノーラル風フィルタ、というにはかなりおざなりですが、無効果では無いのでこれはこれでいいような気もします。 [注]そもそもヘッドフォン自体が左右のチャネルセパレーションをきちんと確保できない代物なので、あま り良い効果は無いかも。正確には中点線を浮かせたときの音…つまり左右の音の差が各チャネルに混ざる格好になります。 これらは、両方ともかなり古くから使われている有名でチープな香味手法であり、両方を同時に行っても抵抗3 本+付属部品で済み、効果は地味ながら安価で副作用が出ないので便利です(両方一緒に行えば、その分さらに中域落ちは激しくなりますが…)。 純粋に音量を下げるだけならL型アッテネータの方が電気的特性は幾分マシですが、本機の場合は音質的に好ましくない傾向となり、実施する価値は見いだせ ません。 |
間違ってもER-4Bを一般的ソースの聴取用途としては使用しないでください!! 本来、一般的なステレオソースはスピーカでの聴取を目的として帯域バランスが調整されてお り、空間減衰が激しい高音域ほど音量が高めに収録されている場合が多くなっています。 一方でER-4Bは、ダミーヘッドマイクにより録音された結果を「音響出力特性がフラットなイヤフォンで聴くことを前提に調整している」ソースを聴くた めに作られており、一般的なソースを聴くために必要な「適切な高音域減衰」がなされません。 結果として、ER-4Bをステレオ聴取に用いて、ボーカル帯域をほぼ同音量になるよう音量調整した場合、おおよそ6dB(ほぼ倍音量) 程度だけ高音域が持ち上がった格好での聴取状態となります。 人間の耳や脳には、普段の環境に応じて「特定の周波数帯域や特定の音に限定して感度を落とす」機能が備わっ ているため、ER-4SとER-4Bとの対比で得られた高音域音量差のうちある程度は耳側の補正によって埋もれてしまいます。ま たER-4Bをある程度の大音量で長期間連用した場合、ER-4Sとの(高音域における)音量差が原因でER-4Sよりも遙かに高い確率で高音域難聴に陥 ります。 確かにER-4Bは使い方さえ誤らなければ「ER-4Sよりもはっきり・くっきりな音を奏 でる」小音量聴取向けに適した良いイヤフォンですが、これを連用する場合には「アンプのtrebleを+6dBに設定しているのと同じ状態」だという点だ けは常に忘れないでください。 ちなみに、6dBの差がどの程度か、という点については、添付マニュアル2ページ目の「平均安全リスニング 時間」表を一目見れば解るはずです… |
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