ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃

監督 金子修介
出演 新山千春  宇崎竜童  小林正寛  仁科貴  佐野史郎  渡辺裕之  南果歩  天本英世  吉田瑞穂(ゴジラ)  大橋明(キングギドラ)  太田理愛(バラゴン)
脚本 長谷川圭一  横谷昌宏  金子修介  
2001年 東宝作品 105分
評価☆☆☆☆


オリジナルの「ゴジラ」から47年、シリーズとしては25作目になる。
しかし、映画の冒頭で、日本がゴジラの脅威にさらされたのは過去に1回だけと示され、この映画がオリジナルのほんとうの正統な子孫(続編)であるということが、まず主張される。
その自信は、やがてオリジナル・ゴジラの復活ともいうべき、怖くて強いゴジラの登場によって実証されることになる。
かくいう私も、シリーズ中、観ている作品は少なくて、あまりどうこう言えた立場ではない。しかし、たまたまテレビで観た作品には、つまらなくて、物語も怪獣も幼稚な子供だましにしか思えないものがあった。
そんななかで、冷酷無比な破壊神が帰ってきたと思わせたのだ。

ゴジラが出現するときの怖さ、街を通過するときの破壊ぶりの恐怖は、目を見張るところがある。

ゴジラが日本に接近するのを知って、日本の護国怪獣たちが目覚める。それはバラゴン、モスラ、ギドラだ。まずゴジラを迎え撃つのはバラゴン。バラゴンは地底からの奇襲や、頭の角を武器にゴジラに体当たり攻撃を仕掛けるが、力の差は歴然。この戦いは、ゴジラの圧倒的な強さを際だたせた。

そしてゴジラは東京をめざし(理由は推測がつくようになっている)、横浜に来たところで、今度はモスラの成虫とギドラが立ちふさがる。ギドラは、キングギドラになると最強とされるが、そうなるには、まだ育ちきっていない。
防衛軍の攻撃もゴジラには歯がたたず、人間は、護国怪獣との共闘に、すべてをかけることになる。

弱小テレビ局のレポーター役の新山千春さんは、はつらつとしていい。天本英世さんが出ていたのは、うれしかった。正体不明の博士という役が昔からぴったり。懐かしさすら感じてしまう。佐野史郎さんの長髪は、何かおかしい。笑いをねらったわけではあるまいが…。

「とっとこハム太郎」というまんが映画との2本立て。怖いのが嫌いな子供には、あまりありがたくない同時上映だっただろう。ある映画館では、「同時上映のゴジラは迫力満点の怪獣映画ですので、お子さんが鑑賞する際には注意を…」といった趣旨の張り紙があった。
この「ゴジラ」は、決して、すべての子供に向いた映画ではない。この「ゴジラ」は堂々と1本立てに耐える作品であり、まんがと2本立てにするには、不幸にして、お子さま向けとは言いきれないのだ。
〔2002年1月6日(日) ワーナー・マイカル・シネマズ 板橋〕



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