ガールズ・バンドの「ランナウェイズ」を、クリステン・スチュワートとダコタ・ファニングが演じると聞いたら、観なきゃならんでしょ。
といいながら、どこかで単館上映して、行けないままに終わっていたわけで。
なんと、ワーナー・マイカル・シネマズ 板橋で、1週間の上映があると知り、いそいそと出かけていった。板橋は今後も、単館系映画をフォローするのかもしれない。いいことですね!
ランナウェイズのファンとか、そういうわけではなかったが、リアルタイムでその存在を知っていた。
♪チェリーボム という歌詞がある曲は、ラジオを聴く機会があれば、誰でもが耳にしたのではないだろうか。
歌っているシェリー・カーリーの下着みたいな衣装も鮮烈に覚えている。
そのシェリーを、ダコタ・ファニングが演じるんですよ!
結果は…いいと思います。
かわいすぎるような気もするが、なかなか色っぽさも出ているし。
クリステン・スチュワートといったら、バンパイアを好きになった、顔色の悪い細い女の子、という他の映画のイメージしかなかったが(笑)、この映画ではジョーン・ジェットまんまにしか見えず、すばらしい。
クリステンにしても、ダコタにしても、女優さんがミュージシャンを演じきる、というだけでも、すごいこと。
それは何を演じても言えることなのだが、ミュージシャンを演じるには、楽器や歌を自分でやらなきゃいけないから。(少なくとも本作は吹き替えじゃないだろう。)
ただ、バンド自体に興味がなかったり、主演女優に興味がなかったりすると、本作は、おもしろみがないかもしれない。
ロックは男のものといったふうな、1975年という時代に、ティーンのガールズバンド。
新鮮さの衝撃は、とくに日本で大きかったようで、ジャパンツアーの様子が描かれる部分は面白い。
食事に招待されている場面があったり、宿舎にファンが押し寄せて、窓(?)を壊して突入してきたり…本当にそこまですごいことがあったのか…。
シェリー・カーリーの自叙伝が原作になっているので、彼女の家庭環境が、かなり盛り込まれている。
双子のきょうだいのマリーも、かわいかった。演じたライリー・キーオは、エルビス・プレスリーの娘の娘とか。
テイタム・オニールの名前が出ていたのだけど(古い映画ファンでないと知らないだろうか)、シェリーの母親の役だったらしい。そういわれても、いま考えて、あ、そうだね、とは分からない…。
シェリー・カーリーがバンドをやめたくなったのは、家族と過ごす時間が欲しいから、ということだった。
バンドでがんばってみたが、旅から旅の暮らしは無理だったのかな。
15歳、16歳の時期に、よく、これだけロックンロールしたものだよね。ジョーン・ジェットといっしょにクスリもやっていた場面もあったし…。
ジョーン・ジェットとシェリー・カーリーの出会い、バンドの日々、そして別れへ。
ジョーンは再びロックの道を歩みだして。
シェリーがラジオ局のジョーンに電話するシーン、いいねえ。
クリステン・スチュワート、ダコタ・ファニング。ふたりが素晴らしい。
ふたりで見事に、この映画を背負(しょ)って立ってます!
あっぱれ!