日々是好日No13

ある橋にたもとの団子屋のお婆さんには、長男の笠屋と次男の下駄屋がいた。
お婆さんはいつも泣いてばかりいた。
「天気がいい ああ、長男の傘が売れない。悲しいことじゃ。」
「雨が降る ああ、次男の傘が売れない。悲しいことじゃ。」
そこにお坊さんが通りかかりお婆さんに言った。
「お婆さん 天気の良いときには次男の下駄屋が儲かる。雨降りには長男の傘屋が儲かる」と。
それからこの団子屋のお婆さんはいつもにこにこの毎日であった。
我々は生きてきたし、今まさに生きているし、生き続けることを考える。
「今が人生で一番若いとき 日々新たなり」

グッドモーニングさんというと、人によっては「良いことなんかありませんよ」という。
私はいつも「あなたに会えたからグッドなんですよ」と答える。
今日がよい日かどうか考えることではなく、今日をより良いものにしようとする心の問題だ。
「心を耕すことは頭脳を耕すよりも尊い」

よく「もし何々だったら」と言う人がいる。
済んだことを振り返る行為に明け暮れる人だ。「もしあのとき売っていたら、、」「もしあのとき仕事をしていたら、、、」
でもそんな過ぎ去った不毛な態度より、希望と期待に満ちた「この次は」という考えで「この次はもっと上手くやろう」「この次はもっと賢く行動しよう」、、、と考えることが大切である。
だって、今が人生最良の時だ。今を大切に生きること。
日々新たなり、『一期一会』である。
折々に遊ぶ暇のある人の 暇なしとて 書読まぬ哉 ― 本居の宣長

人生とは[NOW&HERE]を大切に生きること。
昭和63年 春暖にあたって

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