Black Eagle MBT
| 完成年 | 1997年 |
| 武装 | 2A46M 125mm滑腔砲×1 補助武装は不明 |
| 搭載弾数 | 125mm戦車砲弾×40発 AT−11リフレックスATGW×? |
| 重量 | 50トン |
| 乗員 | 3名 |
| 全長 | 7m |
| 全幅 | 3.582m |
| 全高 | 1.8m |
| 最低地上高 | 45.1cm |
| 接地圧 | 0.9kg/平方センチ |
| エンジン | GTD−1250 ガスタービンエンジン 1250馬力 |
| 路上最高速度 | 70km/h |
| 路上最大航続距離 | 500km |
| 超壕力 | − |
| 超堤力 | − |
| 登板力 | − |
| 渡河可能水深 | − |
| 最大装甲厚 | 700mm(均質圧延鋼板換算) |
| 夜間暗視装置 | 有(熱線映像装置?) |
| NBC装置 | 有 |
劣化ウラン装甲と、新型EDZ爆発反応装甲を装備した新型砲塔が搭載されていて、
最大装甲厚は均質圧延鋼板換算で700mmにも達する。また、西側戦車のように
砲塔内のバスルに弾薬が装備されていることも特徴の一つである。
砲塔上面にドロズド−2APS(対戦車ミサイル迎撃システム)を装備する。ドロズド−2
はドロズドの改良型で、アクティブレーダーと連動して散弾を発射し、飛翔する敵の対
戦車ミサイルを打ち落とすシステムである。ちなみに、ロシアではドロズドシリーズの他
にアレナシステムという別のアクティブ対戦車ミサイル防御システムも存在するが、こち
らは主にT−80を改造したタイプに装備されている模様。
チョールヌイ・オリョールは2A46M125mm滑腔砲を装備しているが、将来的にはより
強力な戦車砲への交換が可能である。すでに次世代の140mm滑腔砲は実用段階に
達している模様で、2000mの距離で700mmの装甲貫徹力を持つとされる。しかし、
西側の新型長砲身120mm滑腔砲や、イスラエルのメルカバMk4に装備されている
140mm滑腔砲(装甲貫徹力1000mm)などと比べると力不足が指摘されており、
さらに強力な152mmクラスの戦車砲の開発も行われている模様であるが、詳細は
不明。
<開発>
チョールヌイ・オリョール(黒い鷲)は1997年の秋にオムスクで初めて公開された。西側
では以前からFST(フューチャー・ソビエト・タンク)の存在がささやかれていた。チョール
ヌイ・オリョールはロシア軍の要求で開発された戦車ではなく、オムスク戦車工場が独自
に開発した戦車である。今のところロシア軍には配備されていない模様で、配備された
としても少数にとどまる可能性が高い。一説には韓国への輸出用戦車として開発された
という情報もあるが定かではない。開発はレニングラード・キーロフ戦車工場のNikolai
Popov設計局で始められたが、後に閉鎖されて、現在はアレクサンダー・モロゾフ技師
に引き継がれている。チョールヌイ・オリョールはT−80Uのシャーシの上に新型の砲塔
を載せた戦車で、FCSを含む大部分の構成部品はT−80Uのものが使用されている。
T−80Uとの最大の違いは、車体が延長されて転輪が7個になっていることである。
車体には新型EDZ爆発反応装甲が装着されており、劣化ウラン装甲が採用されている
という。砲塔は今までのロシア戦車と違ってかなり大型で、西側の戦車のように自動装填
用の弾薬を後方のバスルに収容する仕組みになっている。このような配置には理由が
ある。第一にチェチェン内戦の際に、今までのロシア戦車(T−72/80/90)は車内に
弾薬を配置していたため弾薬誘爆を引き起こすケースが非常に多かったことである。
弾薬を砲塔後方に配置することで、誘爆の確率を低くするだけでなく、誘爆の際も砲塔
上面が吹き飛んで爆風を逃すことができるので、乗員にあたえるダメージも最小限に抑え
ることができる。第二にT−80など車内に弾庫を配置している今までの戦車より40cm
ほど車高を低くすることができることで、人間工学を無視してまで車体の小型化を図る
ロシアにとってはかなりのメリットであろう。砲塔前面の傾斜はかなりきつく、APFSDS弾
などからの最大限の防御を意図していると思われる。武装は2A46M125mm滑腔砲で、
主砲からは9K119(AT−11)リフレックス対戦車ミサイルの発射でき、140mm滑腔砲
や152mm戦車砲を搭載することも可能なように設計されている。また、各戦車と司令部
を結ぶデータリンクシステムが装備されており、より高度で綿密な攻撃行動を行うことが
できる。自動装填装置は新型の物で、1分間に最高10〜12発の発射速度を誇る。
エンジンはT−80Uと同じGTD−1250ガスタービンエンジンで、車体重量が増えたにも
かかわらず機動性は損なわれていない模様で、逆に燃料タンクが大型化されたのか航続
距離が増している。
チョールヌイ・オリョールの開発意図は最低限の限られた予算内で、最大限の攻撃力を
与えることであり、そのため砲塔のみを新設計として車体は従来の物を流用した戦車であ
ると言える。ただし、ロシア軍の財政状況を考えると前途は厳しいものと考えざるえない。
開発元のオムスク戦車工場では、140mm滑腔砲よりさらに強力な152mm砲の装備も
可能であるとして、これからも継続してロシア軍や他国に売り込みを図るものと思われる。

