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BM9A52スメルチ多装ロケット発射機

BM9A52 SMERCH Multiple Launch Rocket System

 

開発年 1988年
名称 BM9A52/9K58スメルチ(竜巻)
乗員 4名
武装 300mm12連装ロケットランチャー

予備弾装填時間 36分

ロケット弾重量 800kg(弾頭部235kg)
射程 最大: 70km

最小: 20km

車体重量 43トン
使用国 ・ロシア(300両)

・ウクライナ(94両)

・ベラルーシ(48両)

・クウェート(27両)

・アラブ首長国連邦

・インド

 

<特徴>

1、長大な射程を有する

スメルチの最大射程は実に70kmに達し、アメリカのMLRSより2倍以上長い。ソ連の

砲/ロケットシステムは西側のものより射程が長く、これは先手必勝、アウトレンジで

西側の砲兵を叩くというソ連の戦術によるものであると思われる。

 

2、多種の弾頭を使用可能

スメルチの使用するロケット弾は固体燃料推進で、最小射程20km〜最大射程70km

である。悲装甲車輌用、対人用の9M55Kロケットは全長7.5m、重量800kgである。

内部には重量2kgの子爆弾72発がおあさめられている。9M55Kロケット弾を用いた

一斉射撃で67万2000平方メートルの地域を制圧できるという。9M55Fは通常の高

性能炸薬で、内部には92.5kgの炸薬が充填されている。また、Bazalt MOTIV-3F対

戦車誘導子爆弾を搭載する9M55K1というロケット弾もある。Bazalt MOTIV-3Fは赤

外線シーカーを装備し、終末段階でパラシュートが開き、赤外線シーカーが作動し目標

に誘導される仕組みになっており、運動エネルギーにより30度で70mmの装甲を貫通

することが出来る。9M55K1ロケット弾にはこのトップアタック赤外線誘導子弾が5コ収

容されている。さらに、ロシアでは高エネルギー推進体により射程を90kmまで延長した

新型ロケット弾も開発されており、25コの対戦車地雷を広範囲に散布することが可能で

あるという。特徴的なのはR−90小型偵察無人機で、これは300mmロケットランチャー

から打ち出された後、70km先までプログラムに従ってパルスジェットで飛行し、目標地域

に最長30分まで滞空して、小型カメラで捉えた映像を後方の指揮車輌にリアルタイムで

送信するという優れ物だ。

 

3、高度な火砲制御システムを備える

スメルチのための火砲制御システムはVivari FCSと呼ばれるもので、1ユニットで6基

のスメルチをコントロールする。Vivari FCSは、各発射機のためにE−175弾道計算

コンピュータを持ち、衛星又はラジオ通信システムを用いてスメルチとリンクされており

集中的な大量運用が可能である。

 

<開発>

スメルチ(竜巻)は、スプラブ設計局によって1970年代末に開発が開始された多連装

ロケットシステムで、1987年に配備が開始されたソ連の最新装備である。NATOには

1983年に確認されたので、M1983と呼ばれていた。スメルチはウラガンを遙かに越え

る超長射程を誇っており、ロシア軍最新世代のロケット兵器である。

スメルチは各軍管区の砲兵旅団に配備されており、12両のスメルチで編成される大隊

4コからなる。超長射程を生かして、敵砲兵の射程外から、敵のミサイルや砲兵、迫撃

砲の制圧を任務にしている。スメルチはミンスク自動車工場(MAZ)で作られたMAZ53

4M 8×8トラックをベースに、チューブ状の12連装ロケット発射機が取り付けられてい

る。この発射機は俯角0度〜仰角55度、旋回角左右30度の範囲で作動する。発射態勢

に入るときは2本のスタビライザーアームで地面に固定し、発射準備には3分ほどかかる

とされる。また、水力駆動の積載クレーンを車体に装備している。なお、スメルチには、

ランチャーと同じMAZ−534Mトラックを使用した弾薬車9T234−2も用意されている。

弾薬車には予備弾12発が搭載されている。スメルチは、その極めて優秀な性能から、

ロシア本国以外にもクウェート、アラブ首長国連邦、インドなどに輸出されている。

 

smerch-1.jpg (16205 バイト)

smerch-2.jpg (11306 バイト)

 

 

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