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インヴィンシブル級軽空母

Invincible Class

 

Specifications

建造年 1980年〜1985年
建造隻数 3隻
全長 194m
全幅 33.6m
喫水 7.1m
フライトデッキ寸法 全長 170m

全幅 13.2m

満載排水量 20500トン
主機 COGAG

ガスタービン4基・2軸

出力 97000馬力
速力 28ノット
航続距離 18ノットで7000海里
武装 <対空砲(CIWS)>

・ファランクス20mmCIWS×3基

 (アークロイヤル)

・ゴールキーパー30mmCIWS×3基

 (インヴィンシブル・イラストリアス)

<対空ミサイル>

・シーダート連装発射機×1基

 搭載ミサイル22発

搭載機 シーハリアー戦闘攻撃機×10機

ヘリコプター×12機

乗員 1030名(航空要員350名)
     

 

Development & History

<開発>

イギリスは1978年末に退役したアーク・ロイヤルを最後に、正規空母の建造、運用を中

止する事態に追い込まれていた。膨大な経費を必要とする正規空母の建造、運用に国家

財政が耐え切れなくなったためである。このため、イギリス海軍では洋上航空兵力の欠落

を補うものとして、対潜ヘリコプターを搭載する指揮巡洋艦を計画した。この案は航空機

の搭載能力を強化する方向で発展し、艦首から艦尾まで通じる飛行甲板を持つスルーデ

ッキ(全通甲板)型となった。さらにイギリス空軍でハリアーV/STOL攻撃機が実用化さ

れると、その発達型シー・ハリアー艦上戦闘攻撃機を搭載することも含められた。また、艦

には中射程対空ミサイルや対艦ミサイルを装備し、相応の指揮通信機能を備えることとさ

れた。

 

<設計>

こうして建造されたのがインビンシブル級VSTOL空母3隻で、その設計は従来の空母と

は異なり、船体には商船の設計・建造方式が採用され、機関にはガスタービンを用いて省

力化を図り、建造費と運用費の軽減に大きな努力が払われた。1番艦インヴィンシブルは

1980年7月に就役し、搭載機は当初シー.ハリアー5機とシー・キング対潜ヘリコプター9

機と必要最小限の数とされ、計画されていたエグゾゼ対艦ミサイル4基の装備も結局見送

られた。

本級の最大の特徴は、艦首左舷に設置された角度7度のスキー・ジャンプ勾配である。

スキー・ジャンプ発艦方式の提唱者は、英国海軍のD・R・テイラー少佐であったが、実際

のテストはRAE(王立航空研究所)とBAe社が中心となり、RAEベッドフォードにスキー・ジ

ャンプ台を設置して行われた。テストは大成功で、折から建造中であったインヴィンシブル

にも、急遽スキー・ジャンプ勾配が設置されることになった。スキー・ジャンプ発艦方式の

原理は、水平方向に加速されたエネルギーを上向きに偏向して、ちょうど物体を放り上げ

るような効果を得て、対地高度を獲得するというものである。このスロープによって得られ

る上昇力がある間は、上昇のためにエンジン推力を使う必要が無いため、全推力を加速

に使用することが可能となる。したがって、スキー・ジャンプ発艦により得られる初期上昇

力に見合う分、シー・ハリアーはペイロードを増加できることになる。スロープによって得ら

れる上昇効果が失われるころには、シー・ハリアーは充分に加速されているため、主翼が

本来の揚力を発生し、安全に通常の飛行形態に移行できる。このスキー・ジャンプ勾配の

設置により、V/STOL空母としてのインヴィンシブル級は、作戦能力を大幅に向上させる

ことになった。スキー・ジャンプ勾配は、攻撃空母のカタパルトのように複雑かつ高価な装

備とは違って、ごく簡単な装備であり、運用経費も節約することが可能になった。なお、ス

キー・ジャンプ発艦方式のメリットは次のようなものが挙げられる。

1、ペイロードが25%増加する 

2、発艦滑走距離が約65%短縮される

3、母艦が低速でも発艦可能なため、母艦の航続距離延長、あるいは運用寿命の延

  長が期待できる

4、母艦のピッチング、ローリングが激しい時にも発艦が可能で、搭載機運用の自由度

  が増す

5、通常の滑走発艦と比較して、スキー・ジャンプ発艦では機体の操縦が容易となる

なお、VTO(垂直離陸)が可能なシー・ハリアーでも、実際の運用に当たっては、STO(短

距離滑走離陸)を行うケースがほとんどである。なぜならば、STO時のペイロードVTO時

の3倍に達するためで、それだけスキー・ジャンプ発艦方式の重要性も高くなる。

 

<実戦運用>

インヴィンシブルは就役間もない1982年にハーミズとともにフォークランド紛争に参加し

ている。約1ヶ月におよんだ紛争期間中、2隻の空母に搭載されたシー・ハリアーは1435

ソーティの出撃を記録、空中戦では34機のアルゼンチン空軍機を撃墜する戦果を上げて

いる。しかも、空中戦での損失はゼロであり、完璧な勝利であった。もし、シー・ハリアーに

よるエアカバーが無かったら、イギリス艦隊は甚大な損害を被り、フォークランド諸島の奪

還は恐らく不可能であったことだろう。なお、この紛争の後、その戦訓から各艦に様々な

改良が加えられることになった。主な改良点は、スキー・ジャンプの角度を7度から12度

に増加、乗員数の増員、整備と倉庫スペースの拡充、近接防御システムの強化などで、

搭載機もシー・ハリアー10機、シー・キング9機、早期警戒型シー・キング3機に増強され

た。

インヴィンシブル級は西側発のVSTOL空母で、インヴィンシブルに続いてイラストリアス、

アークロイヤルが建造され、イギリスは合わせて3隻を保有している。しかしながら、予算

的な制約から、イギリス海軍には3隻を艦隊に常時配備することはできず、運用されてい

るのは2隻のみで、1隻は予備艦になっている。

 

Status

建造終了

<全艦データ>

艦名 起工 進水 就役
インヴィンシブル 1973年7月20日 1977年5月3日 1980年7月11日
イラストリアス 1976年10月7日 1978年12月14日 1982年6月20日
アークロイヤル 1978年12月7日 1981年6月4日 1985年11月1日
     
 

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AD2003/04/26 Update

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