Ka−52アリゲーター攻撃ヘリコプターKa-52 Alligator Attack Helicopter |
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| <特徴> 1、世界でも珍しい並列複座型指揮管制機Ka−52アリゲーターはKa−50攻撃ヘリコプターの複座モデルで、胴体前部 は2名の乗員がサイソ・バイ・サイド(並列)で搭乗できるように再設計されて いる。通常この種の攻撃ヘリコプターはタンデム・コックピットが採用されている が、Ka−52が空気抵抗の増大や被発見性を高めることを覚悟して並列形式 を採用した背景には指揮管制機ということもあり、乗員同士の意志の疎通を 円滑に行う目的があったものと思われる。
2、さらに新化したアビオニクス類効果的な攻撃管制/偵察のためには夜間や悪天候下でも作戦を続行できる 全天候作戦能力が不可欠である。そのため、Ka−50に装備されていた熱線 映像装置(FLIR)などに加えて、Ka−52ではレーダーが新たに装備された。 このレーダーはFH−01アルバレットと呼ばれるもので、MiG−29戦闘機に 搭載されているズーク・シリーズ火器管制レーダーを開発したのと同じファザト ロン社の開発によるものである。装備位置はAH−64Dロングボウアパッチと 同様に、ローターマスト上部であるが、ロングボウレーダーのアンテナと比べると かなり小さい。 また、アビオニクスの開発においては西側の技術導入が図られており、フランス のセクスタント・アヴィオニーク社が協力している。さらに、熱線映像装置もロシア 製のコド型を使うか、フランスのトムソンCFS社製のものを使うかカスタマーの 要求により選択できるようになった。
<開発&設計> Ka−52は複座式の全天候戦闘/空中指揮管制・偵察ヘリコプターである。胴体 にはスチールとカーボンの複合材が使用されており、胴体部分はパイロットを保護 する約350kgの重量の装甲版で覆われている。Ka−50の機首部分はレーダー 反射面を低減するためにスリム化されていたが、Ka−52では2名の乗員が並列 に搭乗(パイロットが左側に、兵装オペレーターが右側に乗りこむ)できるよう幅広く 改良された。なお、右側の機首は30mm機関砲の射界を確保する為にカットされた 形状になっている。降着装置は油圧制御で格納でき、主脚と尾輪の3輪式である。 やや後退している垂直安定板と高い位置にある水平尾翼により、高速飛行時及び オートローテーション(自動降下)時の制御性も非常に高くなっている。主翼先端には ECM(電子妨害)ポッドが搭載されており、また、翼下には兵装パイロンが4箇所あり、 さらに、ECMポッドと外側パイロンの間にはラッチ・ポイントも2箇所用意されていて、 小型空対空ミサイルを格納することが出来る。 Ka−52の主武装は、胴体の右舷に装備した単銃身の2A42機関砲で、最高470 ラウンドのAP(徹甲弾)またはHE(榴弾)を発射出来る。制御は油圧式を採用して おり、限界高低角+3.5度〜−37度、限界方位角−2.5度〜+9度となっている。 また、機体を機関砲の軸に合わせて旋回させるトラッカーを装備している為、射界内 の目標を捕捉しつづけることができ、機関砲は(「シュクヴァル−V」システム使用に よる)移動モードと(HUD使用による)固定モードの両方で射撃可能である。胴体中央 部には弾薬格納庫が2箇所あり、前部格納庫にAP(徹甲弾)240ラウンド、後部格納 庫にHE(榴弾)230ラウンドを格納している。機関砲の連射制御モードは速射モード (550〜600ラウンド/分)と中速射撃モード(350ラウンド/分)に切り替える事が 出来るが、いずれのモードでも1回の発射速度は10〜20ラウンドに自動制御される。 胴体の大部分は大きな蝶番式ドア・パネルで占められており、胴体内部のシステム 整備を容易にしている。その他、燃料補給、アビオニクスや兵装システムの整備は 全て地上高で可能である。また、全てのシステムは12日間一切の整備を行わなくても 稼動するように設計されている。その為、基地から遠く離れた任地でも任務の遂行する ことが出来る。 エンジンは出力1838kWのクリモフ社製TV3−117VMA−SB3ターボシャフトエン ジンを2基搭載している。このエンジンは吸気用粉塵濾過器と排気抑温器を装備して おり、また、トランスミッションはオイル・システムが不良を起こしても30分間は稼動可 能となっている。コックピットは2層式のスチール装甲で出来ており、100mの至近距離 から発射された20mmまたは23mm機関砲の命中弾から乗員を防御できる。コック ピット内部は夜間暗視装置ゴーグル使用時の為に黒く塗装されている。Ka−52はパイ ロットと兵装オペレーターの2名乗りであるが、デュアルコントロールシステムの採用に より、パイロットと兵装オペレーターのどちらでも操縦することが可能となっている。また、 ズベズダK−37−800緊急射出システムがパイロットと兵装オペレーターの両名に用 意されており、緊急時には、乗員は緊急射出シーとと共にロケット噴射され、脱出を図る ことができる。その際、ローター・ブレードは乗員を傷つけないように自動的に分解する。 コックピット内には視界24度のILS−31ヘッドアップ・ディスプレイ(HUD)の他に、4色 表示の多機能ディスプレイ(MFD)が用意されている。さらに、乗員のヘルメットにはセク スタント・アビオニーク社製「Topowl」照準/画像増幅器を装備する。 操縦/航法/照準システムは「ルビコン」と呼ばれるもので、5個のコンピューターが 制御している。「ルビコン」システムの副システムである「ラディアン」操縦/航法システム には、最高2ヶ所の飛行場と6ヶ所の連続したウェイポイント、10個の目標、4個の地上 目印目標の座標を記憶保存する事が出来る。その他、「スラップショット」敵味方識別 (IFF)装置も搭載されている。 射撃管制システムは「シュクヴァル−V」日中/夜間自動照準射撃管制システムで、 このシステムは、レーザー測距/指示器とデータリンクされた光学式TV照準システム である。「シュクヴァル−V」は機首砲塔部分に搭載されており、目標の探索、識別、 追尾、指定を行う。公表データではシステムの誘導精度は0.6mとなっており、ロック オンすると、システムが自動的に追尾を開始するようになっている。データリンクシス テムにより、パイロットは他の僚機や地上の司令センターから送られてきた目標や 地上目印の所在を確認することが可能である。データリンクシステムは受け取った データを多機能ディスプレイ上にシンボルとして表示することが出来る。 更に、その他のセンサーとして、マスト搭載型のドーム・アンテナには「アルバレット」 ミリ波レーダーが内蔵されている。また、コックピット上部の球体には、赤外線画像 カメラとTVセンサー、レーザーを搭載した「サムシット−E(ボックスツリー)」電子 光学システムが内蔵されている。 自衛手段としては、L150「パステル」レーダー警戒装置の他、敵のレーザー指示 器と測距器を探知・識別する能力を持ったL−140レーザー・センサーを搭載して おり、機がレーザーやレーダー波の照射を受けると、レーダー警戒装置が警告 メッセージを表示し、パイロットに脅威の種別と方向を伝達するようになっている。 さらに、L−136赤外線ミサイル発射警報システム、チャフ/フレア・ディスペン サーを両翼に装備している。このディスペンサーはあらかじめ設定済みの間隔で 合計512バンドルの26mmチャフ/フレア・カートリッジを放出する。 Ka−52はKa−50よりも高価で、複座型になったことで重量が増加し、若干飛行 性能が低下している。そのため、Ka−52でKa−50に完全にとって代わるという ものではなく、むしろ純粋な攻撃任務であるならKa−50の方が優れているだろう。 ロシアではka−50と同様にKa−52の輸出にもかなり力を入れているが、輸出の 成否はこれから先このような空中指揮管制機を必要とする国がどれだけあるかに かかっていると言える。しかし、今のところKa−52はロシア陸軍からも外国からも 発注は無いようだ。
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