ルクレール主力戦車

Leclerk MBT

 
配備開始年 1991年
乗員 3名
武装 GIAT120−26 120mm滑腔砲×1門

12.7mm機銃(同軸)×1門

7.62mm機銃(対空)×1門

9連装煙幕発射機×3基

搭載弾数 120mm戦車砲弾×40発
全長 砲身を含む: 9.87m

車体のみ: 6.88m

全幅 3.71m
全高 2.53m
最低地上高 50cm
戦闘重量 54.5トン
馬力重量比 27.52hp/トン
接地圧 0.9kg/平方センチメートル
エンジン V8Xイペルバール 

8気筒ディーゼルエンジン

出力1500馬力

路上最高速度 71km/h(後進時は38km/h)
路上最高航続距離 550km
燃料搭載量 1300リットル
渡航水深 1m
超堤高 1.25m
超壕幅 3m
登板力 60%
横傾斜 30%
装甲厚 不明
装甲形式 鋼/複合装甲/ラミネイト
NBC装置
夜間暗視装置
使用国 ・フランス

 (650両 配備予定数)

・アラブ首長国連邦

 (388両 配備予定数)

 

<開発&設計>

ルクレール戦車はAMX−30に代わるフランスの主力戦車である。この戦車の最大の

特徴は、射撃統制や主砲制御をコンピュータによって行うことはもとより、自分の現在

位置、目標の位置、自車の燃料や残弾状況などあらゆる情報をデータ通信化して、連

隊情報システム<SIR-ABC>を利用することで情報交換が行えるようになっている。

現用の戦闘機では情報や射撃統制に関してコンピュータ化、データリンク化は当然の

こととなっているが、戦車では初めてのことだ。開発当初からこうした能力を付与する

ことを目的として作られた戦車としては世界初の戦車となる。

このため、搭載されるアビオニクス類も従来のものに比べ格段に多く、メイン・コンピ

ュータを1台装備し、その下に射撃統制、操縦、通信などそれぞれの処理を行うコン

ピュータを配し、これらをデータ・バス(MIL-STD-1553B)によって統合している。

このような点からルクレールはシステム戦車と言えよう。

 

<動力装置>

搭載しているエンジンはUNI Diesel社のV8Xイペルバールである。出力は1500hp

と各国の第3世代主力戦車と同じだが、レオパルド2やM−1エイブラムスが搭載する

エンジンの大きさと比べると実にコンパクトにできている。レオパルド2などもコンパクト

にまとめられた大出力機関を搭載しているが、ルクレールはそれ以上である。出力/

重量比が27.5hp/トンを上回るこのエンジンの特徴は、ハイパーバー過給システム

にある。これは、いわゆるターボチャージャーのことで、エンジンはディーゼル・エンジン

とガスタービン・エンジンの複合機関で、両者の優れた特性を合わせ持つ。機構は給

気側と排気側との間に燃焼装置とバイパスバルブを組みこみ、ディーゼル・エンジンの

ピストンシリンダー部を燃焼室として、圧縮空気と燃料を燃焼させた燃焼ガスによって

排気タービンを回転させる。排気タービンはコンプレッサーと連結して燃焼室へ送られ

る空気を圧縮する。燃焼ガスによって排気タービンにエネルギーを与えることができる

ために、エンジンの回転の立ち上がりが飛躍的に向上した。アイドリングから最高出力

までの立ち上がりに要する時間は約5秒といわれる。V8Xに取り付けられたターボチャ

ージャーはTM307と呼ばれ、TM307はディーゼル・エンジンと独立して稼動させるこ

とができ、そのためにエンジン始動用のAPUとしても使用可能だ。これは寒冷地におけ

るエンジン始動の際にも便利である。V8Xは出力1500hp、重量1700kgで燃料消費

率165kg/hp/トン。非常に優れたエンジンだが、同世代の戦車用エンジンとしては

燃費が良くないとの声もある。

変速走行装置はESM500でレオパルド2やM−1に搭載されているのとほぼ同様のシ

ステムで、エンジン、変速走行装置、冷却装置なども最近の戦車としては一般的となった

パワーパック化され、パワーパックの交換に要する時間は30分といわれる。

 

<走行装置>

トランスミッションは、ハイドロダイナミックス・トルクコンバーター自動変速機と、ハイドロ

スタティック式操向機を備える。これによって前進5速、後進2速の自動変速で、旋回半

径も無段階に変えることが可能。懸架装置は独立型の油気圧式だが、あくまでもサスペ

ンションとしての機能で、姿勢制御は行えない。

 

<主砲および射撃統制装置>

主砲はGIATが独自に開発した120mm滑腔砲で、同口径のラインメタル砲と同じ砲弾を

使用することができる。とはいってもこのGIAT120−26はラインメタル砲に比べ砲身が

長く、排煙器も付いていないなど一味変わったものだ。砲身を長くして初速度を上げ砲弾

にそれだけ大きな運動エネルギーを与えることが目的で、ラインメタル砲と同口径ながら

貫通力が大きく、有効射程も長いという。

この砲には自動装填装置が組み合わされている。自動装填装置はAMX−13でも採用

しており、フランス軍戦車としては初めてではなく、ルクレールでもAMX−13の装置を発

達させた構造の装置になっている。この自動装填装置はベルト・マガジン式と呼ばれるも

ので、日本の90式戦車と同じ構造であり、装置の収納されるバルス内には22発の弾薬

が搭載できる。

照準は光学装置と赤外線暗視システム、レーザー測距装置を組み合わせたSAGEM H

L.60砲手用サイトと車長用のSFIM HL.15パノラミック・ペリスコープ(これ自体は赤外

線暗視システムが付いていない。このため車長は砲手サイトの画像をモニターで見る)で

行う。照準安定は照準装置内のスタビライザーで照準線を安定させ、これに主砲を追従さ

せる照準スタビライザー方式。なお砲塔は電動で駆動する。

 

<装甲>

従来の戦車とは異なり、戦車を構成する基本構造の上に装甲板を取りつけたモジューラー

式装甲を採用している。装甲自体詳しいことは分かっていないが、最近の傾向と同じように

セラミックや、硬度や性質の異なる鋼板を組み合わせた複合装甲で、完全に装甲を基本構

造上に取りつけた構造となっているため、被弾した場合、その部分の装甲のみ交換すれば

よい仕組みになっている。

 

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