ルクレール主力戦車Leclerk MBT |
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| <開発&設計> ルクレール戦車はAMX−30に代わるフランスの主力戦車である。この戦車の最大の 特徴は、射撃統制や主砲制御をコンピュータによって行うことはもとより、自分の現在 位置、目標の位置、自車の燃料や残弾状況などあらゆる情報をデータ通信化して、連 隊情報システム<SIR-ABC>を利用することで情報交換が行えるようになっている。 現用の戦闘機では情報や射撃統制に関してコンピュータ化、データリンク化は当然の こととなっているが、戦車では初めてのことだ。開発当初からこうした能力を付与する ことを目的として作られた戦車としては世界初の戦車となる。 このため、搭載されるアビオニクス類も従来のものに比べ格段に多く、メイン・コンピ ュータを1台装備し、その下に射撃統制、操縦、通信などそれぞれの処理を行うコン ピュータを配し、これらをデータ・バス(MIL-STD-1553B)によって統合している。 このような点からルクレールはシステム戦車と言えよう。
<動力装置> 搭載しているエンジンはUNI Diesel社のV8Xイペルバールである。出力は1500hp と各国の第3世代主力戦車と同じだが、レオパルド2やM−1エイブラムスが搭載する エンジンの大きさと比べると実にコンパクトにできている。レオパルド2などもコンパクト にまとめられた大出力機関を搭載しているが、ルクレールはそれ以上である。出力/ 重量比が27.5hp/トンを上回るこのエンジンの特徴は、ハイパーバー過給システム にある。これは、いわゆるターボチャージャーのことで、エンジンはディーゼル・エンジン とガスタービン・エンジンの複合機関で、両者の優れた特性を合わせ持つ。機構は給 気側と排気側との間に燃焼装置とバイパスバルブを組みこみ、ディーゼル・エンジンの ピストンシリンダー部を燃焼室として、圧縮空気と燃料を燃焼させた燃焼ガスによって 排気タービンを回転させる。排気タービンはコンプレッサーと連結して燃焼室へ送られ る空気を圧縮する。燃焼ガスによって排気タービンにエネルギーを与えることができる ために、エンジンの回転の立ち上がりが飛躍的に向上した。アイドリングから最高出力 までの立ち上がりに要する時間は約5秒といわれる。V8Xに取り付けられたターボチャ ージャーはTM307と呼ばれ、TM307はディーゼル・エンジンと独立して稼動させるこ とができ、そのためにエンジン始動用のAPUとしても使用可能だ。これは寒冷地におけ るエンジン始動の際にも便利である。V8Xは出力1500hp、重量1700kgで燃料消費 率165kg/hp/トン。非常に優れたエンジンだが、同世代の戦車用エンジンとしては 燃費が良くないとの声もある。 変速走行装置はESM500でレオパルド2やM−1に搭載されているのとほぼ同様のシ ステムで、エンジン、変速走行装置、冷却装置なども最近の戦車としては一般的となった パワーパック化され、パワーパックの交換に要する時間は30分といわれる。
<走行装置> トランスミッションは、ハイドロダイナミックス・トルクコンバーター自動変速機と、ハイドロ スタティック式操向機を備える。これによって前進5速、後進2速の自動変速で、旋回半 径も無段階に変えることが可能。懸架装置は独立型の油気圧式だが、あくまでもサスペ ンションとしての機能で、姿勢制御は行えない。
<主砲および射撃統制装置> 主砲はGIATが独自に開発した120mm滑腔砲で、同口径のラインメタル砲と同じ砲弾を 使用することができる。とはいってもこのGIAT120−26はラインメタル砲に比べ砲身が 長く、排煙器も付いていないなど一味変わったものだ。砲身を長くして初速度を上げ砲弾 にそれだけ大きな運動エネルギーを与えることが目的で、ラインメタル砲と同口径ながら 貫通力が大きく、有効射程も長いという。 この砲には自動装填装置が組み合わされている。自動装填装置はAMX−13でも採用 しており、フランス軍戦車としては初めてではなく、ルクレールでもAMX−13の装置を発 達させた構造の装置になっている。この自動装填装置はベルト・マガジン式と呼ばれるも ので、日本の90式戦車と同じ構造であり、装置の収納されるバルス内には22発の弾薬 が搭載できる。 照準は光学装置と赤外線暗視システム、レーザー測距装置を組み合わせたSAGEM H L.60砲手用サイトと車長用のSFIM HL.15パノラミック・ペリスコープ(これ自体は赤外 線暗視システムが付いていない。このため車長は砲手サイトの画像をモニターで見る)で 行う。照準安定は照準装置内のスタビライザーで照準線を安定させ、これに主砲を追従さ せる照準スタビライザー方式。なお砲塔は電動で駆動する。
<装甲> 従来の戦車とは異なり、戦車を構成する基本構造の上に装甲板を取りつけたモジューラー 式装甲を採用している。装甲自体詳しいことは分かっていないが、最近の傾向と同じように セラミックや、硬度や性質の異なる鋼板を組み合わせた複合装甲で、完全に装甲を基本構 造上に取りつけた構造となっているため、被弾した場合、その部分の装甲のみ交換すれば よい仕組みになっている。
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