シエラT級原子力攻撃潜水艦

Sierra T Class

 
計画番号 プロジェクト945
名称 バラクーダ級(ロシア名)

シエラT(NATO名)

建造隻数 1984年〜1987年

2隻

建造造船所 クラスノエ・ソルモヴォ(ゴーリキィ、

第112造船所)

セヴェロドヴィンスク(第402造船所)

全長 107m
全幅 11.2m
喫水 8.5m
水上排水量 5200トン
水中排水量 6800トン
予備浮力 24%
主機 OKB−650B−5原子炉(190MW)1基

タービン1基

予備電動機2基

7翼1軸推進

出力 4500馬力

495馬力(予備電動機)

速力 水上 18ノット

水中 35ノット

安全潜航深度 700m
限界潜航深度 800m
兵装 <魚雷>

・533mm魚雷発射管×4門

・650mm魚雷発射管×4門

<対潜ミサイル>

・SS−N−15(RPK−6)又はSS−N

 −16(RPK−7)対潜ミサイル×2発

<対艦ミサイル>

・SS−N−22サンバーン(P−100

 Oniks)対艦ミサイル

 

魚雷・ミサイルなど合計40本搭載

電子兵装 <ソナー>

・MGK−503 Skat suit 

 パッシブ/アクティブソナー

・アクラ側面配列

・ペラミダ曳航

・MG−70機雷探知ソナー

<レーダー>

・チビス水上探知レーダー

乗員 59名(士官31名、下士官28名)
建造艦データ 1、K−239 Tula

  起工1982年8月5日

  進水1983年7月29日

  竣工1984年9月21日

  北洋艦隊配属

  米原潜と衝突1992年2月11日

  予備役1997年

2、K−276 Krab

  起工1984年4月

  進水1986年6月

  竣工1987年6月

  北洋艦隊配属

  予備役1997年

 

<開発&設計>

シエラT級(プロジェクト945)はTsKB−112ラズリート設計局のチーフデザイナーで

あるN・Eクヴァーシャに率いられて1972年3月に開発が始められた。本級はヴィクタ

ーV級攻撃原潜の後継艦として計画され、ソ連海軍の次期主力攻撃型原潜になること

が意図されていた。シエラT級は新型センサーや進歩した静粛化技術、通信技術を採

用し、ヴィクターV級と比べて最大通信距離は2倍、最大受信可能深度は3倍に増加

した。シエラ級の1番艦の船体はゴーリキィ造船所で建造された後、内陸河川経由で

北洋のセヴェロドヴィンスク造船所に回航され、そこで艤装と公試が行われた。

原子炉は当初アルファ級のように1次冷却液体を液体金属とした原子炉を搭載してい

るといわれていたが、後になってアクラ級やマイク級と同様のOKB−650加圧水型原

子炉を搭載していることが判明した。

本級はアメリカのロサンゼルス級初期型と比較することができるが、米国や西側の潜

水艦が音響探知、すなわちソナーに極度に依存しているのに対して、ソ連では非音響

探知技術の研究に力を入れていて、シエラT級もこの点においてはロサンゼルス級よ

りも進歩しているといえる。シエラT級では非音響探知システムとして、潜水艦の航跡

により変化した水温の変化を探知する赤外線検出装置が装備されている。

本級のもう1つの特徴として、航空機のように統合化された対潜対策装置を持っている

ことである。このシステムはセイルにある音響センサーが敵のソナーの信号を拾い上げ

て、コンピュータのデータと照合し、脅威の種類を識別することができて、それらの脅威

情報はオペレーターのディスプレイに優先的に表示されるようになっていた。また、敵の

魚雷が発射された際には、自動的にデコイを発射、欺瞞行動を開始し、敵のソナーに

対しては音響妨害を実施するようになっている。

船体はアルファ級と同じチタン合金製で、深深度潜航能力と重量軽減に成功している。

また、チタン合金製の船体は対磁気探知対策としても効果的である。ただし、1976年

の時点ではまだチタンのような先端金属を大量生産する能力がソ連には無く、しかも非

常に高価だったため、チタンではなく鋼を使用する安価なアクラ級が平行して大量建造

された。船体外部は吸音タイルで覆われており、アルファ級と比べて静粛性は大きく向

上している。また、船体はロシア潜水艦伝統の複殻構造を採用し、内部耐圧殻への外

部からのダメージを最小限におさえ、高い耐久性能を有している。

船体内部は1、水雷室・バッテリー室 2、居住区・食堂・調理室 3、司令室・コンピュー

タ室・ディーゼル発電機 4、原子炉 5、主配電盤・ポンプおよびギアドタービン室 6、

電動機・操舵装置の合計6つの区画から構成されている。また、非常時に乗員が避難

するレスキュー・カプセルが装備されており、最大で水深1500mまでの水圧に耐えら

れるという。

兵装は533mm魚雷発射管4門および650mm魚雷発射管4門を装備している。内

部魚雷室はアルファ級とは対照的に、大型で40発もの魚雷を収容可能である。さらに

、大きな搭載能力を生かして他のソ連海軍が使用する航跡追跡魚雷、有線ホーミング

魚雷、BA−111シュクヴァル水中ロケット、P−100対艦ミサイル、RPK−6ロケット

推進核爆雷、RPK−7ロケット推進ホーミング魚雷などの各種兵装を運用することが

できる。

シエラT級は前述のように非常に高価であることから2隻の建造に留まり、うち1番艦

K−239ツーラは1992年2月11日、キルディン島沖でアメリカの原潜バトンルージュ

と衝突、そのまま基地に帰還したが、損傷が激しく、財政難から修理されること無く19

97年に予備艦に編入されてしまった。また、一説によれば2番艦K−276クラブは19

97年に財政難が理由で予備艦に編入されたと言われているが、こちらの方の真偽は

定かではない。

 

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