Yakovlev Yak-141 Freestyle VTOL
| 開発年 | 1989年 |
| 全長 | 18.30m |
| 全幅 | 10.10m |
| 全高 | 5.00m |
| 自重 | 1万5795kg |
| 最大重量 | 1万8950kg |
| 最大速度 | 1800km/h |
| エンジン | ソユーズR−79V−300(152kN) ×1(メインエンジン) RKBM RD−41(41.78kN)×2 (リフト用エンジン) |
| 航続距離 | 2150km |
| 上昇限度 | 1万6000m |
| 武装 | 30mm機関砲×1 最大搭載武装2600kg |
Yak−141フリースタイルはハリアーなどと違いアフターバーナーを装備したエン
ジンを持つ。エンジンはソユースRD−79V−300ターボファンで、ドライ推88.
25 KN、アフターバーナー推力152.0KNを発揮し、最大水平速度はマッハ1.
7である。後部排気口のノズルは、短距離離陸時には65度、垂直離着陸時に
95度まで下方に作動する。また、メインエンジン以外にも2基のRKBMリビンス
クPRD−41リフトエンジンを装備している。これは垂直離着陸時のみ使用され、
コックピット後方に垂直線から10度傾けて取り付けられており、短距離離陸時に
は垂直から24度後方に、制動時には垂直線から2度前方に推力偏向できる。
「吹き出しジェット」安定制御機構が、主翼端と機首にある。エンジン制御システム
はコンピュータ化されている。
レーダーを装備しておらず、有力な航空戦力とならなかったYak−38の反省から
本機にはMiG−29と同様の多モード火器管制レーダーが装備されている。ただし、
アンテナは少々小さくなっている。また、このレーダーを装備したおかげでレーダ
ー誘導中距離空対空ミサイルの装備が可能になり、制空能力がYak−38と比べ
て大幅に向上した。情報はHUDと多機能表示装置に映し出され、多機能表示装
置には敵味方識別装置や兵装管理システムからの情報をコンピュータ経由で表
示される。さらに、オプションでレーザー/TV目標指示器、ヘルメット装着型表示
装置などを装備することも可能。
<開発&設計>
Yak−141は陳腐化の著しいソ連初の実用VTOLであるYak−38の後継として
1975年から開発が始まった。初飛行は1989年3月で、初の垂直離着陸は
1989年12月29日に行われた。ちなみに、西側に初めて姿を現したのは1991
年のパリ航空ショーの時である。
エンジンは胴体前部に2基のリフトエンジンを配置し、その後方にメインエンジンを
配置する方式を採っている。この方式は垂直離着陸時にしか使用しないリフトエン
ジンが飛行中にデッドウェイトになってしまい、性能が低下する欠点がある。操縦
システムも完全制御デジタル式フライ・バイ・ワイヤーが採用され、機体制御も大
幅に改善されている。機体にはアルミニウム/リチウム合金が多用されており、
フラップや前縁、尾翼などには炭素繊維複合材料が使用されてて機体の軽量化
が図られている。垂直安定板は2本のテイルブーム上に配置されて、推進エンジ
ンの排気口からも遠くなっている。両テイルブームの内側はチタニウム製の曲面
を持った断熱材で保護されており、胴体両側面には空気取り入れ口がある。ジェ
ット排気の再循環は、主推力変向式排気口上部の下ヒンジ式の大型扉で制限さ
れていて、これと揚力用エンジンの間に小さな扉がある。また、主翼端にはジェット
吹き出し口の安定制御システムの膨らみがある。
本機の任務は航空脅威からの艦隊の防空、対地攻撃や上陸支援などで、実用化
となればキエフ級空母やアドミラル・ゴルシコフ級空母に搭載されて、ソ連艦隊の防
空能力は飛躍的に向上するはずであった。しかし、ソビエト崩壊後の深刻な予算
不足のあおりを受けて、Yak−141プロジェクトも予算打ち切りとなり一旦中止され
たが、最近になって再びヤコブレフ社の自社予算で計画が再開されたとの情報が
あり、再び国防省の関心を呼び戻す望みを失っていないようだ。さらに、Yal−141
M型という改良型が開発されていると言われ、広範囲にわたって機体各部が改良さ
れていて、ステルス構造を大幅に導入しているらしく米空軍のF−22と明らかな共通
点があるという。本型は海軍よりもむしろ空軍のために開発されているらしく、ヤコ
ブレフ社としてはなんとしてでも正式採用にもちこみたいようだ。

