BMP-1 Infantry Combat Vehicle
| 生産開始年 | 1966年 |
| 乗員 | 3名+8名 |
| 武装 | 73mm低圧砲×1 7.62mm機銃(同軸)×1 AT−3サガーATGW発射機×1 |
| 搭載弾数 | 73mm砲弾×40発 7.62mm機銃弾×2000発 AT−3サガーATGW×4発 |
| 全長 | 6.74m |
| 全幅 | 2.94m |
| 全高 | 2.15m |
| 最低地上高 | 0.39m |
| 戦闘重量 | 13.5トン |
| 空虚重量 | 12.5トン |
| 馬力重量比 | 22.22hp/トン |
| 接地圧 | 0.6kg/平方センチメートル |
| エンジン | UTD−20 6シリンダー水冷ディーゼルエンジン 300馬力、2000回転/分 |
| 最高速度 | 路上: 65km/h 水上: 7km/h |
| 最高路上航続距離 | 600km |
| 燃料タンク容量 | 460リットル |
| 超堤高 | 0.8m |
| 超壕幅 | 2.2m |
| 登板力 | 60% |
| 最大装甲厚 | 33mm |
| NBC装置 | 有 |
| 夜間暗視装置 | 有 赤外線サーチライト(砲手用、指揮官用 、運転手用) |
| 使用国 | アフガニスタン(数両不明) アルジェリア(700両) アンゴラ(50両) ブルガリア(100両) チェコ(615両) スロバキア(383両) ロシア(ヨーロッパ戦域に1513両、ウラル キューバ(400両) エジプト(220両) エチオピア(数両不明) フィンランド(163両) ギリシャ(500両) ハンガリー(502両) インド(350両) イラン(300両) イラク(BMP−2と合わせて900両) 北朝鮮(数両不明) リビア(1000両) モンゴル(400両) ポーランド(1367両) ルーマニア(177両) スリランカ(12両) スウェーデン(数両不明) シリア(2250両) イエメン(BMP−2と合わせて300両) ユーゴスラビア(数両不明) |
<特徴>
BMP−1は世界で初めて実用化された歩兵戦闘車である。歩兵戦闘車は比較
的最近登場した新しいカテゴリーで、主力戦車と共同作戦が行えるように開発
された歩兵用車輌である。冷戦時代、ソ連陸軍は大量の戦車を主力とする地上
軍と、核攻撃の援護の下で電撃的に西ヨーロッパを蹂躙することを主戦略とし
ていたので、BMPシリーズのような戦車に追随できる歩兵戦闘車両がソ連で
初めて実用化されたわけも理解できる。ちなみにBMPとはバェヴォイ・マシーナ
・ピホートゥ=歩兵戦闘車両の略。
BMPは歩兵部隊に戦車部隊に追随できるような機動力を発揮させるとともに、
敵の戦車を撃破できる能力を歩兵部隊に与えるというコンセプトで開発された。
そのためBMP−1の主武装は主砲に73mm低圧砲にAT−3サガー(ロシア名
マリュートカ)対戦車ミサイルと強力である。主砲の73mm砲は自動装填装置付
きで有効射程1300m、400mm厚の圧延鋼板を貫徹することができる。低圧
砲とは戦車のような大重量の車体でなくても口径の大きな砲を搭載できるように
反動を弱めた砲で、ロケット弾発射機のような構造をしている。砲弾は最初に後
部に付いた発射薬により砲口初速400m/秒で打ち出され、その後4枚の安定
板翼が開きロケットモーターに点火して700m/秒まで加速し飛翔する。ただし、
飛翔速度が低く風の影響を受けやすい為、遠距離では命中率が低い。
対戦車ミサイルは目視有線誘導式のミサイルで、全長86cm、発射重量11.3
kg、射程3000mで最大450mm厚の圧延鋼板を貫徹可能。BMP−1では
砲塔左上にスタジアメトリック式テレスコピック・サイト1PN22M1をもち、対戦車
ミサイルの誘導や砲の照準用に用いられる。なお、1PN22M1は光増幅式の暗
視能力を持ち、夜間でも使用できる。
<開発&設計>
BMP−1は東側諸国で広く用いられていたBTR−50の後継として開発された。
BTR−50はオープントップ式で、武装は機銃のみで、歩兵が中から展開するに
は上面ハッチから身を乗り出さなければならないなど使い勝手は悪かった。
開発はチェリャビンスク戦車開発企業体を中心に、各車両工場を動員して行われ
た。なお、BMPには装軌式の他に装輪式や装軌式を組み合わせた型などが試
作されたが、結局戦車に追随できる機動力や信頼性を重視して装軌式の案が
採用されている。車体は船型で、フロントは鋭く傾斜しており、水陸両用である。
ちなみに、後部の兵員室の容積を少しでも確保するため水上での航行はウォー
ター・ジェットではなく履帯駆動方式が採用されている。車体中央部には小型で
平べったい1人用砲塔を持ち、73mm低圧砲と7.62mm同時期機銃を装備
する。73mm砲の上部にはAT−3サガー対戦車ミサイル用レールが装着され
ている。砲の俯仰及び旋回は電導・手動兼用である。対戦車ミサイルを装備した
ことによってBTRなど以前の装甲兵員輸送車と比べて画期的に攻撃力が向上し
ており、73mm低圧砲と組み合わせることによって効果的な対戦車攻撃が可能
で、第四次中東戦争ではイスラエルの戦車相手にその効果を実証している。BM
P−1の乗員は車長、砲手、運転手の3名で後部兵員室には8名の兵員を乗車さ
せることが出来る。各席の前には外部視察用のペリスコープとポール・マウント式
のガンポートが装備されており、各兵員はここから自らの携行火器を用いて乗車
戦闘を行うことが出来る。また、車内は核戦争下でも運用できるように完全に密閉
されており、空気浄化システムを備えている。ただし、ソ連の伝統で車体高が低く居
住性が悪いのが難点である。
エンジンはUTD−20水冷式6シリンダーディーゼルエンジン(300馬力)で、車体
右前方に配置されている。操縦装置はオートバイ型のハンドルを中心とする操向
機構を持ち、水圧でサーボされていることから操縦は容易である。また、ディーゼ
ル燃料を噴出して煙幕スクリーンを展開することが出来る。
BMP−1は1966年〜1983年まで生産が続けられ、1967年の革命記念パレー
ドに登場した際には西側を驚かした。その後、BMP−1の評価は過大だったとして
西側での評判は落ちるが、今でもロシア本国や旧東側諸国、発展途上国などで
主力として活躍している。
<各種タイプ>
○BMP−1F: ハンガリー仕様の偵察モデル
○BMP−1K: 指揮通信車輌
○BMP−1K3: 指揮通信車輌
○BMP−1P: AT−4スピゴットATGW搭載モデル
○BMP−1PK: BMP−1Pの指揮通信車輌
○BRM−1K: BRM(偵察車)をベースにした指揮通信車輌
○BREM−1/BREM−4: 回収車
○BMP−1KShM: BMP−1の非武装指揮通信車輌
○BWP: BMP−1のポーランドバージョン
○BMP−1エジプト仕様: フランス製の新型エンジンを装備
○BRM/BRM−1: 2人用大型砲塔を装備
○PRP−3: 2S1/2S3自走砲と行動を共にする観測車輌
○IRM: 水陸両用工兵偵察車
○BMP−PRO: 機動訓練用車輌
○BMP−1G: 輸出用、AT−5スパンドレルATGW、30mmグレネード
ランチャー装備

