BMP-3 Infantry combat Vehicle
| 生産開始年 | 1987年 |
| 乗員 | 3名+7名 |
| 武装 | 2A70 100mm低圧砲×1基 2A42 30mm機関砲×1基(同軸) 7.62mm機銃×3基(うち1基は同軸) 3連装煙幕発射機×2基 |
| 搭載弾数 | 100mm砲弾×40発 30mm機関砲弾×500発 7.62mm機銃弾×6000発 AT−10対戦車ミサイル×6発 |
| 全長 | 7.14m |
| 全幅 | 3.14m |
| 全高 | 2.30m |
| 最低地上高 | 51cm |
| 戦闘重量 | 18.7トン |
| 馬力重量比 | 26.73hp/トン |
| 接地圧 | 0.61kg/平方センチ |
| エンジン | UTD−29ディーゼルエンジン 500馬力 |
| 最高速度 | 路上: 70km/h 水上: 10km/h |
| 最高路上航続距離 | 600km |
| 渡河可能水深 | 水陸両用 |
| 超堤力 | 0.8m |
| 超壕力 | 2.5m |
| 登板力 | 60% |
| 装甲厚 | 7〜40mm |
| NBC装置 | 有 |
| 夜間暗視装置 | 有(光量増幅式) |
| 使用国 | 生産継続中 アラブ首長国連邦(415両) ロシア(97両 ウラル以西地域) キプロス(43両) クウェート(55両) 韓国(40両) |
まずBMP−3で目に付くのは歩兵戦闘車とは思えない主砲である。この砲は
2A70 100mm低圧砲で、第U世代の主力戦車並の口径を有する。この砲が
発射する3UOF HE−FRAG(高性能榴弾)は重量15.5kg、搭載弾数40発
(自動装填装置上の22発を含む)で、発射速度は毎分10発、最大射程は40
00mである。歩兵や拠点破壊に効果的だが反面、砲口初速が250m/sと低い
ため対戦車戦闘には向いていない。また、3UBK10(NATO名 AT−10スタッ
パー)レーザービームライダー誘導対戦車ミサイルを主砲から発射することもで
きる。このミサイルは重量18.4kg、最大射程4000m(最小射程100m)で
600mm以上の装甲貫徹力を有する。さらに、敵戦車ばかりでなく低空を飛行
するヘリコプターや敵陣地に対しても用いることができる。また、以前のBMP−
1/2でも発射するたびにわざわざ外に出て再装填しなくてはならなかったのに
対して、BMP−3では普通の砲弾のように主砲から発射できるため車外で危険
をさらすことが無くなり、戦闘能力は大幅に改善されている。100mm低圧砲の
右側にはそれだけでも他国の歩兵戦闘車の立派な主砲になりそうな2A42 30
mm機関砲が同軸で装備されている。これはBMP−2の主砲と同じタイプの機
関砲で、搭載弾数は徹甲弾と高性能榴弾500発、射程1500m〜2000mで
毎分発射速度300発を誇り、歩兵の援護や軽装甲目標、ゲリラ相手に力を
発揮するだろう。
旧ソ連戦車や装甲車は低姿勢にするあまり居住性が劣悪なのは有名な話だが
歩兵戦闘車のBMP−1/2も例外ではなく、戦闘室内部では立つことも出来ず
外に飛び出す際は座った体勢で後部のドアまで移動しなくてはならず、重装備
の兵士ともなると非常に厄介であるし、長時間の移動などでも兵士の疲労が著し
く増してしまう。BMP−3ではBMPの名前が付いているものの以前のBMP−1
/2とは全くの別物といってよく、大型の水陸両用戦車を原型にしたこともあって
中の兵員室もかなり広くなり、ゆったり座ることができるようになった。また、BM
P−1/2では背中合わせに2列のシートを横向きに配置していたのに対してBM
P−3では前向きに2列のシートを配置しているので居住性が向上している。
<開発&設計>
BMP−3は居住性の悪いBMP−1/2に変わる新しい歩兵戦闘車として1981
年にクルガンスキー自動車工場(KMZ)で開発作業がはじめられた。ベースに
なったのは同じKMZが開発していたOb−685水陸両用戦車であるが、Ob−
685の開発は後に中止となっている。BMP−3の武装は2A70 100mm砲
と同軸30mm機関砲で、火器制御システムは1V539弾道計算コンピュータ
や2E52電子制御式スタビライザー、1D16レーザーレンジファインダーなど
から成り、高度に自動化されている。砲塔の作動範囲は−6度から+60度で
、装備する機関砲はどちらかというと対空用というより地上戦闘に主眼がおか
れていることがわかる。砲手用の照準機には1K13が装備されており、日中
夜間兼用である。また、指揮官用には1PZ−10昼間用視察装とTKN−3
光量増幅式夜間暗視装置が備えられている。しかしながら、湾岸戦争の際に
証明されたように旧ソ連製の夜間暗視装置は西側の最新熱線映像装置と
比べると少々劣っており、これは現代の夜間戦闘において致命的なことであ
った。そこで、フランスのSAGEM社とKMZ、ベラルーシのPELENG社が
共同でBMP−3用の新型熱線映像装置を開発し、アラブ首長国連邦向け
のBMP−3に標準装備されている。その他にBMP−3にはオプションで
アレナ・アクティブ対戦車ミサイル迎撃システムを装備することも出来る。こ
の装置は目標の発見/追跡レーダーと処理コンピュータから成り、向かって
くる敵の対戦車ミサイルに散弾を浴びせ撃墜する仕組みである。
エンジンはUTD−29ディーゼル(500馬力)で、車体後部のエンジンルーム
に搭載されていて、歩兵が後部から搭乗する時はこのエンジンの上を通る
形になる。ちなみに、後部兵員搭乗スペースには5名の兵士を搭載するこ
とが可能で、前部操縦席左右にもさらに2名の兵士を搭載できる。後部の
搭乗口以外に、兵員搭乗スペース上面にハッチがあり、緊急時にはここ
から出入りするここが出来る。また、対空戦闘時にはこのハッチから携帯
用地対空ミサイルを発射する。
BMP−3の車体にはアルミ合金が用いられているため重量18.7トンで他
の歩兵戦闘車と比べると軽量で、空輸が容易などのメリットがあるが、反面
装甲防御力不足が指摘されている。しかも、BMP−3では核戦争時の戦闘
力が重視されていることから、車内戦闘が出来るように兵員搭乗スペースの
左右に2基ずつガンポートが設けられていることから増加装甲の取り付けは
事実上不可能である。最近の西側の傾向としてガンポートを廃止して装甲
防御力を重視するようになっているが、車内戦闘力を重視するロシアとは
対照的な結果となっている。それでも、BMP−3は安価で攻撃力も優秀な
ことから600両以上が多数の国に輸出され、最近では今まで西側兵器でか
ためられていた韓国でも導入されており、債務返済の一環として輸出された
とは言えBMP−3の優秀性を示す良い一例であろう。

