BTR−80装輪装甲兵員輸送車BTR-80 APC
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| <特徴> 1、エンジンを1基に統合BTR-60/70では適当な馬力を持つエンジンが無かったため、トラック用の ガソリンエンジン2基を装備していたが、2つのエンジンを同調させる難しさ からか信頼性の面で劣っていた。さらに、ガソリンエンジンということもあり、 アフガニスタン紛争の際にはゲリラ側のロケット弾攻撃でガソリンタンクや エンジンが炎上するケースが多発し、多くの車輌や兵士が失われている。 そのためBTR-80では、KAMAZ−7405ディーゼルエンジン(260馬力) 1基に統合されることになり、これにより生産性や信頼性が大きく向上する ことになった。さらに、ディーゼルエンジンに置き換えたことで被弾に対する 防護力も向上している。
2、側面乗降ハッチを大型化BTR-60は後部にエンジンが配置されていたため、後部に乗降ハッチを 設けることができず、車体上面という極めて被弾しやすい場所にハッチを 設けていたため最前線での兵士の乗降には常に危険を伴った。BTR-70 では応急的に第2/第3車輪間下部に小型の乗降ハッチを設けたが、 完全武装の兵士が乗り降りするには狭すぎて、迅速に兵士を展開する ことが出来なかった。これらの反省からBTR-80では側面ハッチを大型化 するとともに上下2枚開閉式に変更したため、BTR-70と比べて大分余裕 が出てきたと言える。
<開発&設計> BTR-70が過渡的な兵器であったのに対して、BTR-80ではBTR-70で 不充分だった改良ポイントをさらに徹底し、アフガニスタン紛争の戦訓など も取り入れたBTRシリーズの決定版とも言える。 BTR-80の開発は、アルザマススキー・マシン・サヴォード(アルザマス市 自動車工場)ではじまり、主任設計技師はA.マシャーギンが担当した。 正式採用されたのは1986年のことで、これはアフガニスタンに侵攻した ソ連軍の撤退が決定された年でもある。そのため早くも前線から撤退する 隊列の中にBTR-80が目撃されるようになった。 BTR-80の主な改良点は、@エンジンを2基から1基に統合、これに伴い 機関室を大型化、A車体側面の乗降ハッチを大型化、B銃塔後部に6基 の発煙・てき弾用発射器902Bトゥーチャ(黒雲)を砲塔後部に備えたこと、 などがあげられる。また、携帯対空ミサイル2基を標準装備するようになり、 1990年代からは生産型の砲塔を改良して、より機関砲の最大俯角を最大 80度に増大し対空戦闘時の射撃可能範囲を大幅に広げた。さらに搭乗兵 員室上部をかさ上げし、居住性を向上させている。 このように初期のBTRシリーズと比べて大幅に進歩したBTR-80であるが、 エンジンルームが後部にあるという根本的な問題が残っており、側面ハッチ を大型化してもその展開能力に限界があるのも事実だ。しかし、安価な 生産コストや整備コスト、優秀な路外踏破性能を備え、旧ソ連地上軍の 機械化に大きく貢献したBTRシリーズの実績はやはり賞賛に値するもの だろう。
<各種タイプ> ○BTR−80 M1989/1: 指揮通信車 ○2S23 120mm自走迫撃砲: BTR−80の車体をベースに2S9の迫撃 砲塔を搭載 ○RKhM−4: 化学偵察車 ○BREM-K: BTR−80を改造した装甲回収車 ○BMM−80: 装甲野戦救急車 ○GAZ−59037: 荒地突破用浮航輸送車輌 ○BTR−80A: 砲塔をオーバーマウント式に変更したタイプで、2A72 30 mm機関砲を装備する ○BTR−80S: 基本的にはBTR−80Aと同じだが、30mm機関砲の代わり に14.5mmKPVT重機関銃を装備している ○BTR−90: BTR−80のシャーシをベースに車体を大型化し、BMP−2 歩兵戦闘車と同じ砲塔を取りつけたタイプ
|