| Development & History
開発
チャレンジャー2は、1980年代初頭にイギリス陸軍が採用したチャレンジャー1の発達型である。最近の著しい軍事技術の発達に、採用されてから10年余りもたったチャレンジャー1はさすがに旧式化しつつあり、イギリス陸軍も新たなる主力戦車を導入しなければならなかった。新型戦車導入のそのもののきっかけは、ライン駐留イギリス陸軍(BAOR)が主力として使用していたチーフテンに代わる新型戦車の配備をイギリス国防省が検討しており、それに対してヴィッカース・ディフェンス・システム社がチャレンジャー2生産の計画書を提案したことだ。チーフテンの更新に関しては、ヴィッカース社のほかにジェネラル・ダイナミックス社がM−1エイブラムスの能力向上型M−1A2を対抗馬として提案していたが、チャレンジャー1が湾岸戦争でその威力を存分に発揮し活躍したことや、国産であることなどからイギリス国防省は最終的にチャレンジャー2を選択した。
設計
砲塔は新設計のもので、戦車正面の複合装甲には第2世代のチョバム装甲が使用されている。第1世代のチョバム装甲は主に対戦車ミサイルやHEAT弾への耐弾能力向上に主眼が置かれてが、第2世代のチョバム装甲では徹甲弾(衝撃エネルギー)と対戦車ミサイル(化学エネルギー)の両方に対して高度な耐弾能力を持っていると言われている。射撃指揮装置は、M−1にも搭載されているCDCのデジタル式射撃統制コンピュータが使われている。車長用の視察/照準装置としてはキューポラ前方に設置されているルーフマウント式SFIM安定化パノラミック・サイト、砲手用には砲手席上部に安定化サイトがあり、光学式望遠照準装置と赤外線暗視装置、レーザー測遠器を組み合わせた統合型サイトになっている。また、戦場の状況を表示し情報を提供するデータ・バス・システム(MIL−1553)も初めて装備される。主砲の55口径120mmライフル砲は、砲身寿命を大きく高めたL30A1に更新している。
サスオペンションはチャレンジャー1でも採用されていたボルト・オン方式の独立型油気圧懸架装置を装備している。ただしチャレンジャー1のものと異なり、チャレンジャー2では能力が向上し、素材自体も新しいものが使用されているため、より車体の動揺を吸収して安定した状態を保つことができるようになった。これによって走行中の射撃能力も向上し、搭乗員に与える疲労も減少した。ボルト・オン方式とは、ショックアブソーバーの役も兼ねる油気圧懸架装置をボトルで車体に固定しており、そのため地雷を踏んで1つが破損しても、破損した部分のみを交換すれば用意に修復可能で、戦線へ早く復帰できる。また、走行装置にはフランスのルクレール戦車も採用しているドイツ・ディール社のダブル・ピン、ダブル・ブロック型履帯を使用している。
エンジンはパーキンス・コンダー12気筒ディーゼルエンジン(出力1200馬力)が搭載されている。このエンジンはチャレンジャー1と同じものだが、エンジンの制御機構にダウティ・ディフェンス・アンド・エア・システム社のデジタル制御ユニット(DASCU)やデビット・ブラウンTN54トランスミッションを採用することでエンジン効率を上げ、より機動性を向上させている。なかでもトランスミッション変速段数が前進6段/後進2段で、変速段数をチャレンジャー1より細かく設定してあり、旋回が緩旋回と急旋回の2つに設定されている操向装置を補完している。
輸出
このように第3世代主力戦車として完成度を高めたチャレンジャー2戦車であったが、輸出に関しては決して成功しているとは言えず、採用した国はオマーン1国のみである。そのため、湾岸産油国を対象に、より商品価値を高めたチャレンジャー2E「デザート・チャレンジャー」が開発された。これはチャレンジャー2の機動性能を各国の第3世代主力戦車並に向上させるために、エンジンを含むパワーパックをドイツ製のものに交換したタイプで、最大速度は72km/h(チャレンジャー2では56km/h)にまでスピードアップしている。ただし、現在のところまだ採用した国は無いようである。
保有国
□イギリス(386両)
□オマーン(38両)

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