| Development & History 開発
ミルMi−12(V−12)ホーマーは、未開発地域への物資輸送用に開発された機体で、実用化こそしなかったものの、2機の試作機が作られ、実際に飛行を果たした史上最大のヘリコプターである。
初飛行は1968年7月で、1969年2月にかけて数々の記録を打ちたて、西側にもその存在が知られるようになり、NATOでは本機に「ホーマー(Homer)」のコードネームを付けている。そして、1969年8月6日には、40204kgのペイロードで高度2255mまで上昇するというヘリコプターの世界記録をうち立て、この記録は現在も破られていない。また、旅客型の計画もあり、こちらは最大で120名の乗客を乗せることができた。
2号機は1971年のパリ航空ショーにも出展され、その巨大さは西側を驚愕させるものであった。しかし、このような巨大さを誇るMi−12であったが、その構造には問題も多かったようで、その任務を果たす事が出来ないとみなされ、またこれ以上の開発継続は不経済とされ、量産段階に移る事は無かった。
設計
ミル設計局ではMi−12の開発期間を短縮し、コストを下げるためにミルMi−6フック(当時世界最大のヘリコプター)のメインローターとトランスミッション、エンジンを流用することにした。Mi−6から流用したこれらのユニットは、それぞれ1セットずつ巨大な逆テーパー固定翼の先端部分に装備されている。
胴体は、セミモノコック構造、貨物室は全長28.15m、幅4.4m、高さ4.4、mで、長さこそ短いが、世界最大のターボプロップ輸送機アントノフAn−22コックの直径とほぼ同じという巨大さである。これはAn−22が運んできた荷物を空港で積み替え、未開発地域や前線に輸送するためと言われる。胴体後部にはクラムシェル型の貨物ドアがあり、また胴体内には最大10トンまで扱えるクレーンが装備されている。
コックピットは2階建てで、ヘリコプターにも関わらず6名もの乗員が乗り込む。乗員の内訳は、1階部分にパイロットとコパイ、航空機関士、電気技師、2階部分にナビゲーターと通信士である。
ローターの配置は、逆方向に回転するローターを左右に取り付ける並列ローター式である。そのため、テールローターは不必要で、装備されていない。機体後部は。テールローターの代わりに、垂直尾翼と水平尾翼を含む固定翼機のような構成になっていて、水平尾翼先端にはエンドプレートフィンが装備されている。
エンジンはソロビエフV−25VFターボシャフトエンジンを左右に2基ずつ合計4基装備しており、合わせて26000軸馬力の出力を発揮する。
生産
Mi−12(V−12)は、2機のプロトタイプが作られた。最初のプロトタイプは1969年中の着陸事故で破壊されてしまったが、2号機による試験が続けられ、数々の展示飛行が行われた。しかし、量産段階に進む事は無かった。

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