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ミコヤンMiG−23フロッガー戦闘機Mikoyan-Gurevich MiG-23 Flogger |
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Specifications |
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↑データはMiG23MLフロッガーG
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Development & History |
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| <開発> ミコヤン・グレビッチ(ミグ)MiG−23(NATOコードネーム:フロッガー)は公開以来何度となく改良されてきた旧ソ連の可変翼(VG)戦闘/爆撃機で、旧ソ連の主力機の1つであった。 MiG−23はMiG−21等の旧式機に代わる前線用戦術戦闘機として開発された。前線戦闘機の任務は、戦闘地域の制空権を確保し、地上部隊を支援することである。そのため、新型機には同世代の西側戦闘機を上回る性能を持ち、副次的な対地攻撃能力を備え、しかも整備の行き届いてない前線の基地からも運用できる性能が求められた。 ミグ設計局はこの要求を達成するために2種類の試作機を製造した。1つはYe−23(またはYe−230)と呼ばれる機体である。Ye−23は尾翼付きデルタ翼を持ち、巡航用のターボファンエンジンとリフトジェットを組み合わせてSTOL性能を高めていた。ちなみに、NATOではこのYe−23に「フェイスレス」というコードネームを付け、こちらを次期戦闘機の有力候補と見ていた。ミグ設計局が試作したもう一方はYe−231と呼ばれる機体で、こちらはリフトジェットを廃止し、代わりに様々な位置に後退角を変えることができる可変翼(VG翼)を装備していた。Ye−231は1967年6月10日に初飛行し、1968年の比較審査で結局こちらが採用されることになった。リフトジェットを装備したYe−23では機内容積を有効に活用できないことがその理由だった。その後、この決定を受けて、先行量産型のMiG−23S(NATO名:フロッガーA)が製作された。 MiG−23SフロッガーAはツマンスキーR−27ターボジェットエンジン(アフターバーナー時推力10200kg)を1基装備し、1970年〜1971年にかけて評価試験が実施された。この過程で空対空戦闘を主任務とするMiG−23とともに、空対地攻撃専用の攻撃機型(後のMiG−27)の開発が決定されたものと思われ、1973年に作戦配備に就いた量産型のMiG−23Mには空力性能の改善や、アビオニクスの改良が盛り込まれていた。
<設計> MiG−23フロッガーはソ連空軍最初の本格的可変後退翼戦闘機で、全体的な設計概念はアメリカのF−111と似ているが、機体サイズは3分の2、重量は半分以下で、F−111の複座に対して単座と、やはりミグ設計局の軽量・小型・簡易という信念が貫かれている。 MiG−23フロッガーの主翼は高翼配置で、後退角を様々に変えることができる可変翼持っている。後退角は飛行中および地上で16度、45度または72度に手動で変えることが可能である。ただし、これらの値はマニュアルおよび計器板に書かれたものであり、実際の値はそれぞれ18度、40度および74度40分であると言われている。翼の動作は2つの油圧式可変翼モーターによって行われる。外翼部後縁には単隙間フラップがあり、前縁のフラップと連動して空戦フラップとしても機能するようになっている。エルロンは無く、ローリングはスポイラーと全遊動式の水平尾翼の組み合わせで行われる。水平尾翼は前縁後退角57度、同じく垂直尾翼は65度である。胴体後部下面に大きな安定ヒレを有し、これは離着陸時に水平状態に折りたたまれる。また、水平尾翼下の後部胴体左右には、エアブレーキがある。 エンジンは胴体内にツマンスキーR−29ターボジェットエンジン1基を内臓(ミグ23M)し、アフターバーナー使用時の推力は12500kgである。また、容量28リットルの水噴射システムを持つ。燃料タンクはコックピット後方の胴体内に3つ、翼内に6つ装備されており、機内燃料容量は4250リットル(ミグ23M)となっている。空気取り入れ口は可変式である。 戦闘型のMiG−23は基本的に単座で、パイロットのみが搭乗する。KM−1またはKM−1M射出座席(高度ゼロ/速度70〜675ktで使用可能)を備える与圧コックピットは空調されており、それを覆うヒンジ止めされた小さなキャノピーは油圧で作動する。風防は防弾である。 着陸装置は3点式油圧引込み脚。各主脚にはそれぞれ1つの車輪がある。前輪は操舵可能で、2つの車輪を持つ。
<電子機器> 初期の先行量産型(MiG−23SフロッガーA)はサフィール21(NATO名:ジェイバード)レーダーを絶縁体のノーズコーン内に装備していた。このレーダーの性能は捜索距離29km、追跡距離19.3kmとなっている。一方、量産型のMiG−23MフロッガーB以降では優れたルックダウン捜索能力を持つJバンドのサフィール23D−Sh(NATO名:ハイラーク)パルスドップラーレーダーになり、このレーダーの装備でMiG−23M型以降では見通し外射程(BVR)空対空ミサイル(AAM)の携行能力を獲得し、AA−7エイペックス(ロシア名:R−23)中距離空対空ミサイルを運用できるようになった。ちなみに、MiG−23Mは旧ソ連で初めてパルスドップラーレーダーを装備した戦闘機でもあった。さらに、MiG−23MLフロッガーG以降ではサフィール23ML(NATO名:ハイラーク2)マルチモードレーダーを装備するようになった。このレーダーの性能は索敵範囲70.3km、追跡範囲54kmで、大幅に能力が高まっている。なお、MiG−23はレーダースコープを持たず、画像はヘッドアップディスプレイ(HUD)に投影される。また、MiG−23MLでは近代化されたSAU−23AM自動操縦装置が、ポリヨート短距離航法誘導装置および操縦系統と結合されている。
<武装> MiG−23は固定武装としてGSh−23L 23mm2連装機関砲1門を、胴体下側のポッドに装備している。機関砲の銃身のまわりには大型のマズルフラッシュ エリミターネーターを持っている。携行弾数は200発、発射速度毎秒57発、初速2160フィート/秒。パイロンは合計5ヶ所で、空対空ミサイルは先行量産型のMiG−23SフロッガーAではAA−2アトール赤外線誘導短距離空対空ミサイルを最大4発携行していたが、後期型では内翼下に2基のAA−7エイペックス(R−23)レーダー誘導中距離空対空ミサイルに加えて空気取入口ダクトの下の2連ランチャーに4発のAA−8エイフィド赤外線誘導短距離空対空ミサイルを装備することができるようになった。その他、MiG−23は胴体中央にもパイロンを持ち、空対空ミサイルに加えて20発の80mm S−8空対地ロケット弾を収納するB−8ポッド、32発の57mm S−5ロケット弾を収納するUB−32−57ポッド、S−24 240mmロケット弾、爆弾、コンテナ収納兵器、GSh−23L機関砲を収納するUPK−23−250機関砲ポッド、各種センサーおよび機器を内蔵したポッド、増槽などの機外兵装を装備することができる。
<生産> MiG−23フロッガーはアメリカ空軍のF16とF15の中間くらいの大きさで、極めて取り扱いやすい機体であった。性能面でもMiG−21を上回り、兵器搭載量も4トンとかなり多い。このため旧東欧、アフリカ、中東諸国から大量の注文を受けて積極的に輸出された。その中心となったのは、装備を簡略化した輸出型のフロッガーE、フロッガーFなどである。 このようにMiG−23は友好国に多数供給されたほか、もちろん本国ソ連やワルシャワ条約機構でも1970年代〜1980年代にかけて戦術空軍の主力を成し、1969年〜1983年にかけて第3世代の戦闘機としては最も多い約5000機(うち約1000機はMiG−27を含む対地攻撃型)も生産された。MiG−23/27が輸出された国は、アルジェリア、アンゴラ、ブルガリア、キューバ、チェコスロバキア、東独、エジプト、エチオピア、ハンガリー、ルーマニア、インド、イラク、リビア、北朝鮮、ポーランド、南イエメン、シリア、スーダン、ベトナムで、このうちインドではMiG−27のライセンス生産も行われた。
<実戦運用> MiG−23フロッガーは旧ソ連のポピュラーな戦闘機/攻撃機であり、今まで数々の修羅場を経験している。主な戦いはイラン・イラク戦争、1981年のレバノン紛争、1990年〜1991年にかけての湾岸紛争などである。 このうち、イスラエルのレバノン侵攻に端を発した1981年のレバノン紛争では、イスラエルとPLOを支援するシリアとの間で非常に激しい航空戦が展開され、1981年6月8日からの1週間で延べ1000機以上のシリア軍機とイスラエル軍機が激闘を繰り広げた。航空戦の主力になったのはシリア側がソ連製のMiG−23フロッガー、MiG−21フィッシュベット、イスラエル側がアメリカ製のF−15イーグル、F−16ファイティングファルコンであった。この戦いでMiG−23フロッガーはベッカー高原で戦う地上部隊を支援するために大規模に出撃したが、第3世代の戦闘機であり、しかも輸出型のダウングレード版MiG−23フロッガーでは、第4世代に当たるF−15やF−16に対して分が悪く、勝負は一方的だった。空中戦の結果はイスラエル側の損害ゼロ、シリア側の損害85機であった。 MiG−23フロッガーは湾岸戦争でもイラク側の主力機の1つとして戦いに加わった。しかし、この戦いでは1981年のベッカー高原上空の空中戦以上に分が悪く、MiG−23フロッガーは多国籍軍機を1機も撃墜できないまま、空中戦で7機が失われた。
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Variants |
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| ○MiG−23S「フロッガーA」 試験用の前量産型。 ○MiG−23SM「フロッガーA」 全体的にはMiG−23Sと共通だが、空気取り入れ口下に4基のパイロンを装備。 ○MiG−23M「フロッガーB」 最初の量産型。フロッガーAよりも強力なツマンスキーR−29−300ターボジェット エンジン(アフターバーナー使用時推力:12500kg)を搭載し、それに伴い機体構造 が強化されている。また、レーダーも「ジェイバード」から「ハイラーク」となり、索敵能力 が向上し、見通し外射程(BVR)での攻撃が可能になった。1973年部隊配備。 ○MiG−23MF「フロッガーB」 MiG−23の主要生産型で1978年に生産が開始された。レーダーが改良され、赤外 線センサーポッドを装備。 ○MiG−23UB「フロッガーC」 MiG−23Mをベースにしたタンデム複座練習機型。練習機型だが、戦闘能力は残し てある。 ○MiG−23MS「フロッガーE」 MiG−23の輸出型。レーダーが「ジェイバード」にダウングレードされ、各種機器の能 力が落とされている。エンジンはツマンスキーR−27ターボジェットエンジン(アフター バーナー時推力10200kg)で、同じくパワーダウン型である。 ○MiG−23B「フロッガーF」 MiG−23Sの機体フレームを使用した対地攻撃型。機首の火器完成レーダーを廃止 して、代わりにレーザー測距装置と空対空および空対地の測距機能だけを有する「ハ イフィックス」レーダーを搭載するとともに、PrNK−23Sソコル攻撃/航法システムを 装備。大型の「ジェイバード」レーダーが無くなったおかげで機首の形状が大幅に変化 し、パイロットの下方視界が改善されている。また、対地攻撃型になったことで防御力 を向上させる必要性が生じ、コックピット側面に装甲版を取り付けた。エンジンはリュー リカAL−21F−300を装備しているが、このエンジンはアフターバーナー部分が簡略 化されているので全長が短く、そのため機体後部が短縮化された。1970年8月20日 に初飛行し、24機製造。 ○MiG−23BN「フロッガーF」 攻撃システムをPrNK−23NにアップグレードしたMiG−23Bの改良型。AS−7ケ リー空対地ミサイルの運用が可能になった。エンジンはツマンスキーR−29ターボ ジェットエンジンに変更された。なお、輸出型のMiG−23BNは機器がダウングレード されている場合がある。 ○MiG−23BK/BM「フロッガーH」 MiG−23BNの輸出型で、レーダー警戒装置が外されている。MiG−23BMでは攻 撃システムがMiG−27と同じPrNK−23Mになった。 ○MiG−23ML「フロッガーG」 西側機の性能が向上する中で、それらに対抗するために開発された改良型。まず、 レーダーがサフィール23ML(NATO名:ハイラーク2)にアップグレードされた。それに 伴い、火器管制システム(FCS)もS−23MLとなり、特にドッグファイトモードが強化 された。エンジンは強化型のツマンスキーR−35−300ターボジェットエンジン1基を 装備し、アフターバーナー使用時の推力は13012kgである。 ○MiG−23P「フロッガーG」 自動操縦装置と連結したデータリンク・システムを備えた迎撃機型。 ○MIG−23MLD「フロッガーK」 MiG−23の最終生産型。「カイラ」火器管制装置を装備し、新世代の空対空ミサイル AA−11アーチャーやAA−10アラモの運用能力を持つ。さらに、レーダー警戒装置 と連動したチャフ/フレアディスペンサ−を装備し、生存性を高めている。また、回転 機構を有し、主翼の後退角が変わっても機体中心線と平行を維持することができる スウィベリング式パイロンを装備し、今までほとんど使用されていなかった主翼外翼部 パイロンを有効に利用できるようになった。主翼固定翼部前縁には新たな張り出しが 設けられているが、これは大迎え角飛行時に強力なボルテックスを作り出すことで、 迎え角の限界を高めて、機動性を向上させる効果がある。 ○MiG−23−98 21世紀に対応すべく、ロシアが提案している近代化改修型。 ○MiG−27「フロッガーD/J」 MiG−23Bをさらに発展させた対地攻撃機型。
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Status |
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| 生産終了 <保有国>(ミグ23のみ)
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↑複座練習機MiG23UB AD2003/05/03 Update
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