アムール/ラダ級潜水艦

Amur/Lada Class SS

 

計画名 プロジェクト1850/1450/950/

750/550

アムール級(NATO名 ラダ)

建造年 2001年就役予定
建造隻数 0+2隻(1隻は輸出用)
全長 68m
全幅 7.2m
全高 8.2m
水上排水量 1850トン
水中排水量 2600トン
機関 ディーゼルエレクトリック推進

ACディーゼル×2基、電動機×1基

1軸推進

水中速力 22ノット
水上速力 11ノット
航続距離 水上: 5ノットで6000nm

水中: 3ノットで500nm

武装 533mm魚雷発射管×6基

搭載魚雷数16発

最大潜入深度 250m
作戦可能日数 50日
乗員 37名

データは1850型

 

<特徴>

1、豊富なバリエーション

第W世代のディーゼル潜水艦であるアムール級は輸出を強く意識した潜水艦で、

各国の国情に合うように様々なバリエーションがある。基本となるのはアムール

550型(水上排水量550トン)、アムール750型(水上排水量750トン)、アムー

ル950型(水上排水量950トン)、アムール1450型(水上排水量1450トン)、

アムール1850(水上排水量1850トン)の5タイプで、AIP区画を挿入するなど

各国のニーズに合わせて改良していくことができる。現在ロシア海軍用と輸出用

に2隻の建造が進められており、ロシア海軍用は1850型をベースに従来通り複

殻式のデザインが採用されている模様で、このような柔軟性がアムール級の強み

と言える。

 

2、ロシア攻撃潜水艦で初めての単殻式

今までのロシアの潜水艦では複殻式が採用されていた。しかし、輸出を意識した

アムール級では初めて単殻式(ロシア向けは複殻式)になり、船体形状はサンクト

ペテルブルグのクリュロフ中央研究所での風洞実験から決定された。船体区画

は550型・750型・950型が4区画、1450型・1850型が6区画となっている。

 

3、AIP(大気独立型推進)区画を搭載可能

AIPは大気中の空気に依存しない推進方式で、換気と電池の充電のために定期

的に浮上しなくてはならなかった従来のディーゼル推進潜水艦と違って、長期間

の潜行が可能である。アムール級のAIPは燃料電池式で、これは効率的で扱い

やすく、廃棄物を出さないので環境にやさしいという利点がある。アムール級では

この燃料電池式AIP区画を建造の途中でも、就工してからでも簡単に挿入できる

としている。

 

<設計&開発>

ロシアでは輸出を目的とした第W世代のディーゼル潜水艦の開発がルビーン設計

局の手により、1990年代初頭より始められた。ちなみにルビーン設計局は戦前

からソ連向けの各種潜水艦を建造してきた老舗である。アムール級はキロ級では

大きすぎる発展途上国や、ペルシャ湾などの浅海、沿岸でのパトロールに適して

おり、アブダビINDEX−93で展示された際には中東諸国の海軍関係者の注目

を浴びた。この新しい潜水艦は様々な諸外国のニーズが取り入れられ、より洗練

されていき、コストや建造期間や戦闘力のバランスが取れたものとなっている。

アムール級の電子装備や船体構造は全てロシア国内の産軍複合体で生産されて

おり、他の共和国に頼らずに生産することが出来る。しかしながら、カスタマーの

要望に合わない場合も時には出てくるので、カスタマーの希望によっては他の機器

(例えば西側製)に変更することも可能。

アムール級は533mm魚雷発射管×6(1450・1850型)または533mm魚雷

発射管×4(950型)、400mm魚雷発射管×4(550型、750型)を有する。

搭載魚雷数は750・1450・1850型が16発、950型が12発、550型が8発

となっている。また、1450・1850型は魚雷だけでなく対潜ミサイルなどのミサイル

装備を搭載する事が出来て、その他に機雷や巡航ミサイルの運用も可能である。

魚雷は通常タイプやホーミング魚雷とともにシュクヴァル高速ロケット推進式魚雷

を装備する。これは、ロシア以外の国々では例える兵器が無い新世代の魚雷で

、最高速度200ノットという驚異的な速力を発揮する。今のところ、この魚雷に

対抗する措置はない。魚雷は単発、または6つの魚雷発射管から一斉に発射

される。魚雷の再装填は機械式の自動装填装置により行われ、迅速に次の発射

体勢にうつることが出来る。実際の発射及びその準備は全て自動化されており、

潜水艦の主制御室のコンソールパネルから制御される仕組みになっている。

ソナーシステムは非常に感度が高い聴音アンテナを持ち、そのアンテナは出来る

だけ大きく取られており、艦前部の大部分を占有する。ルビーン設計局では他国

の同じ様なクラスの潜水艦で、アムール級のように大きな面積をカバーしたソナー

を持つタイプはないと宣伝している。また、艦前部のアクティブソナーに加えて曳

航式のパッシブソナーも装備している。潜舵はソナーの運用の邪魔にならないよ

うに艦橋部に取り付けられた。

船体には最新の音響防護システムが装備されており、その放射雑音はキロ級の

8分の1から10分の1に低減されており、優れたソナーシステムと合わせて、遠距

離から発見されることなく敵の艦船や潜水艦を探知することが出来る。従って最も

良好な攻撃位置や時間を選択することが可能である。攻撃用潜望鏡には夜間暗

視装置と測距用レーザーレンジファインダーが装備されている。アムール級の無

線通信システムは信頼性が高く、浮上しなくとも、潜望鏡深度での受信が可能。

また、後部には曳航式のアンテナを装備し、これを用いれば潜行したまま作戦指令

を受信することが出来て、浮上することなく作戦を続行できるため隠蔽性が大幅に

向上した。

推進システムは1軸推進ディーゼルエレクトリックで、2つのグループのバッテリー

セルと2000kWの電動機、発電機を持ち水中速力22ノットを発揮し、水中航続距

離は3ノットで500nmである。水上航走・充電用のディーゼルエンジンはACディー

ゼルエンジン2基を装備する。ロシアが開発した新型充電器により従来より早く充

電できるようになり、それだけ水上航走時間を減少することに成功している。水上

航続距離は5ノットで6000nm(1850型)。メンテナンス性は良好で、10年に1回

の修理で済むとルビーン設計局では説明している。

艦内部は要員が快適に過ごせるように設計されており、指揮官用に家具付きのキ

ャビンが用意されている。全ての食料は冷蔵庫に保管されていて、新たに開発され

たギャレーでは少ない電力で食物を調理することが可能で、暖かい食事を味や栄養

価を犠牲にすることなく素早く調理することが可能。水はステンレスタンクに保存さ

れており、清潔に保たれている。水の再補給はディーゼルエンジンの熱を利用した

蒸留プラントにより行われる。また、環境問題にも配慮されていて、水中に無駄な

廃棄物を放出しないようにされている。

このように輸出を意識し、多彩なタイプを持ち柔軟性のあるアムール級だが、例に

よって資金不足により建造は進んでいない。輸出の成否が本級の将来を左右しそ

うだが、今のところ発注はない。

 

<各種タイプ>

  アムール550 アムール750 アムール950 アムール1450 アムール1850
全長 46m 48m 56m 58m 68m
全幅 4.4m 5.0m 5.6m 7.2m 7.2m
全高 5.2m 5.8m 6.4m 8.2m 8.2m
水上排水量 550トン 750トン 950トン 1450トン 1850トン
水中排水量 700トン 900トン 1300トン 2100トン 2600トン
水中速力 18ノット 17ノット 19ノット 17ノット 22ノット
水上航続距離 1500nm 3000nm 4000nm 4000nm 6000nm
水中航続距離 250nm 250nm 350nm 300nm 500nm
魚雷発射管 400mm×4 400mm×4 533mm×4 533mm×6 533mm×6
搭載魚雷数 8発 16発 12発 16発 16発
最大潜入深度 200m 200m 250m 250m 250m
作戦可能日数 20日 20日 30日 30日 50日
乗員 18名 21名 21名 34名 37名

 

Amur-2.jpg (7146 バイト)

 

Amur-1.jpg (22562 バイト)

 

 

                   戻る