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北洋艦隊

NORTHERN FLEET

司令部:セヴェロモルスク(ムルマンスクの北方16km)

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セヴェロモルスク周辺地図

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戦力の推移

  1985年 1991年 1998年 2003年
戦略潜水艦 42 36 18 13
戦術潜水艦 138 96 39 22
主要水上戦闘艦 80 67 18 11
固定翼作戦機   253 108 72
爆撃機   95 37 25

※戦略潜水艦=SSBN+SSB

 

配備

原子力弾道ミサイル潜水艦SSBN×10隻(全ロシアの77%)

 ・ タイフーン級SSBN×2隻

 ・ デルタW級SSBN×6隻

 ・ デルタV級SSBN×2隻

原子力巡航ミサイル潜水艦SSGN×4隻(67%)

 ・ オスカーU級SSGN×4隻

原子力攻撃潜水艦SSN×11隻(69%)

通常動力攻撃潜水艦SSK×2隻(15%)

主要水上戦闘艦×11隻(34%)

 ・ 空母×1隻(100%)

 ・ 巡洋艦×3隻(43%)

 ・ 駆逐艦×5隻(36%)

 ・ フリゲート×2隻(20%)

哨戒艇・ミサイル艇等の小型戦闘艇×26隻(30%)

機雷戦艦艇×18隻(30%) 揚陸艦×8隻(36%) 支援艦艇×130隻(30%)

海軍航空隊

 ・ 固定翼作戦機×72機

 ・ ヘリコプター×30機

 

基地

主要基地:コラ入江、モトフスキー湾、グレミハ、ポリャルヌイ、リッツア湾、ウラ・グバ

 コラ半島には旧ソビエト連邦の広範な海軍基地施設があり、特に原子力潜水艦の基地が集中している。レーマン海軍長官は、その戦略的重要性からこの地域を「地球上に実在する不動産のうちで最大の価値を有する地帯」と評している。この地域の基地は、北緯65度以上の高緯度にありながら、メキシコ湾から北上してくる暖流により年間を通して海面が凍結することは希である。

 この地域の最大都市はムルマンスクで、北極圏最大の都市でもある。ムルマンスクは重要な商業港で、コンテナ貨物も取り扱えるように近代化されている。一方、漁港および水産加工業基地としても焦点があてられている。

 北洋艦隊司令部はムルマンスクの北方16kmにあるセヴェロモルスクに置かれている。セヴェロモルスクの基地施設は艦艇用の広範な支援機能を有し、武器弾薬貯蔵地でもある。セヴェロモルスク地域には、1984年までに旧ソ連が戦略ミサイル潜水艦用の4個の大型水中トンネルを完成させたという説もある。このトンネルはタイフーン級SSBNを収容するのに十分な容積があると言われており、整備又はミサイル搭載作業中の核攻撃からの防御を意図したものと見られる。トンネルの正確な位置は公式には確認されていないが、某筋によれば、潜水艦支援設備があるサイダ・グバ近郊ではないかと言われている。また、別の筋では、後述するポリャルヌイかグレミハの可能性を指摘している。

 ムルマンスクの北、ツロマ河の河口にはポリャルヌイ港(旧アレクサンドロフスク)がある。ここは、北洋艦隊の艦艇と潜水艦用の重要基地で、第二次世界大戦でも北洋艦隊の主要基地であった。なお、小説や映画で有名な「レッド・オクトーバー」もここから出航した。

 コラ半島の南端には、イオカンガ近くにグレミハ港があり、1980年代にタイフーン級SSBNなど巨大戦略原潜向けの基地として建設されたが、現在は除籍潜水艦専用の係留場所にされていると言われる。

 現在、SSBN(原子力弾道ミサイル潜水艦)は、セヴェロモルスク地域、コラ入江の奥に位置するサイダ・グバ(デルタ級SSBNが配備されているという情報がある)と、リッツア湾の深部ザーパドナヤ・リッツア(タイフーン級SSBNは現在ここに配備されているという情報がある)を基地としているものと思われる。また、リッツアとグレミハは、再処理施設に送られる前の使用済み核燃料の保管場所になっている。

 

任務

 北洋艦隊は大西洋および北極海における作戦の責任を負っている。バレンツ海や北極海への戦略原潜の展開が艦隊の最重要任務である。また、戦時には大西洋への進出路を確保し、バルト海を解放するため、ノルウェーやNATOの北海沿岸部への進攻も重要な任務と考えられ、常に最新の潜水艦、大型水上戦闘艦が配備されている。

 

歴史

 北極海沿岸はロシアの貿易にとって重要な地域で、第一次世界大戦では皇帝支持政府への連合国の援助ルートに、またロシア革命では米英国軍の上陸地点となった。

 この地域に最初に配備されたソ連海軍艦艇は、哨戒艇「スメルシ」と「ウラガン」、潜水艦「ジュカプリスト」(D−1)と「ナロドヴォレッツ」(D−2)で、これらの艦艇は1933年夏、クロンシュタットから新しくできたばかりのバルト海と白海を結ぶ運河を通ってムルマンスクに着いた。これが、北洋海軍小艦隊の始まりである。

 艦艇と潜水艦の増強が続き、また1935年9月には、MBR−2飛行艇の1隊がコラ半島に移管され、ここに北方地域における海軍航空作戦が開始された。

 1937年5月11日、小艦隊は、北洋艦隊として再編成された。1941年6月の大祖国戦争(独ソ戦)開始時点で同艦隊は、潜水艦15隻、駆逐艦8隻、哨戒艇7隻、小艦艇多数、海軍機116機を保有していた。ただし、規模としては4艦隊中最小であった(ちなみに、白海の海軍部隊は1941年8月、白海小艦隊として編成された)。

 第二次世界大戦中、北洋艦隊は北部ノルウェーおよびフィンランド沖のドイツ海軍部隊との広範にわたる戦闘作戦に参加した。北極作戦地域は、軍需物資をソ連に運ぶ船団のため、米英にとって重要であった。

 戦後、まだ北洋艦隊の地位は低く、バルチック艦隊と黒海艦隊に次ぐ重要性を持つ艦隊と認識されていた。しかし、こうした状況は、戦争となった場合、大西洋で行動することになる海軍部隊を、より直接的に外洋へ進出できる北洋艦隊に変更する、としたゴルシコフ提督の司令により、1950年代末に一変し、一躍ソ連で最も重要な艦隊になった。

 

AD2003/08/14 Update

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