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SA−9ガスキン地対空ミサイル

SA-9 Gaskin Surface-to-Air Missile

 

Specifications

形式 短距離用赤外線誘導防空ミサイル
名称 ロシア名: 9K31ストレラ−1

NATO名: SA−9ガスキン

部隊配備年 1968年
全長 1.803m
直径 0.12m
0.36m
ミサイル重量 32kg
搭載車 BRDM−2装甲偵察車
誘導方式 赤外線ホーミング
燃料 固体燃料
最高速度 マッハ1.8
最大射程 6500m
最小射程 800m
最大射高 5200m
最小射高 15m
弾頭 2.6kgHE破片効果弾頭
発射速度 5秒に1発

※データは初期型のSA−9Aガスキン(9M31)

 

Development & History

<開発>

SA−9ガスキン(ロシア名:9K31ストレラ−1)は1960年代に開発された低高度用の

短距離SAM(地対空ミサイル)システムである。最初のシステムは1968年、部隊配備

に就き、さらに多くの国輸出され、中東紛争やアンゴラ紛争でも使用された。しかし、現在

ロシア軍の前線部隊のSA−9ガスキンは、より新しい装軌式のSA−13ゴーファーに

置き換えられている。

 

<設計>

SA−9ガスキンのベースになった車体はBRDM−2装甲偵察車で、BRDM−2で砲塔

が搭載されていた場所にミサイル発射機を装備している。このミサイル発射機の操作要

員は1人で、4発の赤外線誘導地対空ミサイルがコンテナに収められて、いつでも発射で

きる状態でセットされている。この発射機のコンテナは移動時は引き下げられて、収納さ

れる形態になっていて、戦闘体制に入ると引き上げられる。また、予備のミサイルを2発

外部に搭載しており、再装填は手動で約5分かかる。

SA−9ガスキンはBRDM−2と同じように地面の状態に応じて各タイヤの圧力を調整す

るシステムを装備し、車体後部のウォータージェット推進による完全な水陸両用能力を有

しているが、BRDM−2の車体中央部に装備されていたチェーン駆動の4輪補助車輪は

取り除かれた。

SA−9ガスキンの乗員は車長、操縦手、ミサイル操作要員の合わせて3名で、空気清浄

機とNBC防護装置を装備し、放射能や生物兵器、化学兵器で汚染された地域での行動

も可能である。

 

<武装>

搭載する地対空ミサイルは「9M31ストレラ−1」と呼ばれる赤外線誘導方式(熱源、特に

航空機のエンジン排気に向かってホーミングする)地対空ミサイルで、外観はAA−8エイ

フィド空対空ミサイルに似ていると言われる。大きさは、全長1.8m、直径12cm、翼幅

37.5cmで、先端には近接信管付きのHE破片効果弾頭を搭載しており、敵航空機の半

径5m以内で炸裂した場合、致命的な損傷を負わせることができ、半径7.6m以内で炸

裂した場合は損傷を与えることができる。誘導方式は敵機の熱源に向かってホーミング

する赤外線誘導方式で、シーカーは第1世代の非冷却型である。効果のある範囲は、最

大射程6500m、最小射程800m、最大射高5200m、最小射高15mとなっている。な

お、9M31Mと呼ばれる発展型のミサイルも開発されており、こちらはシーカーの性能が

改善し、最大射程8000m、最小射程560m、最大射高6100m、最小射高10mと性能

がアップしている。

SA−9ガスキンは、通常、敵機の撃墜率を上げるために、敵機1機につき、5秒程度の

間隔を空けて2発のミサイルを連続して発射する。

 

<レーダー網>

SA−9ガスキン地対空ミサイルシステムは、師団の防空レーダーと無線で連接される。

また、防御の際はZSU−23−4シルカ対空戦車のガンディッシュ・レーダーと無線で連接

されることもある。また、各小隊につき1両のSA−9ガスキンの派生型が配備される。こ

の派生型は、フラットボックス(Flat Box)パッシブ探知システムを装備したタイプで、車体

の各所に4基のアンテナを備え、360度全周の探索が可能である。

 

<運用>

旧ソ連軍の連隊固有の高射大隊は、4連装のSA−9ガスキン発射機4両からなる小隊

を有し、4両のZSU−23−4シルカ対空戦車の能力を補完していた。接敵行進または

戦果拡張中は、連隊本部近くにSA−9が配置される。連隊が攻撃する場合、SA−9は、

近接支援に任ずるZSU−23−4シルカ対空戦車の後方で、接触線から1〜3km離れた

ところに陣地を占領して対空監視を行う。この際、ZSU−23−4シルカ対空戦車と同じ

ように、横隊または菱形の戦闘隊形をとる。また、対戦車ミサイルを装備する攻撃ヘリコ

プターが登場してからは、攻撃ヘリコプターに対するSA−9発射機の防護が強調される

ようになった。連隊が防御を行う場合、SA−9は、連隊本部の周辺または第2梯隊大隊

の付近に展開する。

 

<実戦運用>

SA−9ガスキン地対空ミサイルは1981年5月に初めて実戦で使用された。その時は、

レバノン上空に侵入したイスラエル軍機に向けて発射したが命中せず、後にその発射機

はイスラエルに捕獲されてしまった。また、ベッカー高原の戦いでは19両のSA−9ガスキ

ンが破壊された。このようにレバノンの戦いではSA−9ガスキンの戦果は少なかったが、

1983年のアメリカのリビア空爆の際には、リビア軍のSA−9ガスキンが応戦し、アメリカ

海軍のA−6イントルーダー艦上攻撃機や、A−7Eコルセア艦上攻撃機などを撃墜してい

る。また、1991年の湾岸戦争ではイラク軍が多国籍軍機に対してSA−9ガスキンを使

用した。

 

Variants

○SA−9Aガスキン(9M31): 初期型。最大射程6500m、最小射程800m、最大射

                    高5200m、最小射高15m。

○SA−9Bガスキン(9M31M): 後期改良型。最大射程8000m、最小射程560m、

                      最大射高6100m、最小射高10m。

 

Status

生産終了

<保有国>

□アルジェリア 

□アンゴラ

□ベナン

□ブルガリア

□ロシア(200両)

□キューバ

□クロアチア

□チェコ

□エジプト(20両)

□エチオピア

 

□ハンガリー

□インド(400両)

□イラク

□リビア

□モーリタニア

□モザンビーク

□ニカラグア

□ポーランド

□ルーマニア

□スロヴァキア

□シリア(20両)

□ウクライナ

□ベトナム

□イエメン

□ユーゴスラビア

 

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AD2003/03/01 Update

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