トップページ 世界兵器総覧 世界軍隊総覧 軍事統計局 士官学校 SEVEN SEAS
worldweapon-rus-missile-inspirep.jpg (14182 バイト) worldweapon-ua.jpg (12280 バイト)
Home > 世界兵器総覧 > ロシアミサイルデータベース > SS-N-19シップレック
 Index  
SS−N−19シップレック重長距離艦対艦ミサイル
 

91nss-sai-axx-2.jpg (15950 バイト)

Specifications

形式 重長距離艦対艦巡航ミサイル
名称 ロシア名: P−700グラニト(花崗岩)

NATO名: SS−N−19シップレック(難破船)

全長 19.5m
直径 0.9m
翼幅 2.6m
発射重量 7000kg
弾頭 618kg高性能爆薬又は500キロトン核弾頭
誘導方式 慣性/アクティブレーダー・IR
推進方式 ターボファン、固体
最大速度 マッハ2.5
射程 700km
□ スペック
□ 開発
□ 設計
□ 誘導システム
□ 配備
   
      
  
   
  
  
  

トップページ

     

 

Development & History

開発

 1960年代後半〜1970年代にかけて、アメリカの強力な海軍戦力はソ連にとって恐怖の的であった。ソ連はこのような強大なアメリカ海軍との戦略バランスを達成するために、金に糸目をつけず、あらゆる設計局を動員した。

 特に、ソ連海軍は天敵であるアメリカの空母機動部隊を殲滅できる手段を欲し、アメリカの巨大空母を一撃で葬り去る事の出来るミサイルの開発を設計局に要求した。そして、さながら怪物のような巨大なミサイルSS−N−19シップレッグ(ロシア名:P−700グラニト)が生まれた。

 SS−N−19の開発が始まったのは1969年で、これは折りしもアメリカのCVN−68ニミッツ原子力空母が起工された翌年である。そのため、開発は急ピッチで進められ、早くも1970年には基本設計を終え、1975年から各種試験が開始された。

 アメリカが誇るニミッツ級はF−14トムキャット戦闘機やE−2Cホークアイ早期警戒管制機、S−3ヴァイキング対潜哨戒機などの当時最新鋭の強力な艦載機と、護衛艦に守られており、その防空圏は500kmに達していた。ソ連海軍のゴルシコフ元帥は、このような強力な防空網を突破し、アメリカの空母を撃沈するためには少なくとも36発のSS−N−19が必要であると考えていたという。つまり、これはアメリカの空母1隻に対して36発のSS−N−19があればバランスが取れる計算になり、これを根拠にこの巨大なミサイルを搭載する潜水艦(オスカー級)や水上戦闘艦(キーロフ級)が続々と建造されていった。

 

設計

 ニミッツ級空母の500kmに及ぶ防空圏をアウトレンジで攻撃するため、700kmもの射程距離がある。ただし、強力さと射程距離を重視するあまり全長7メートルを超えるモンスターのような巨大さ(もはやミサイルというより無人ジェット機と形容した方がよい)となってしまい、敵に発見されやすくなってしまったことは否めない。

 しかしながら、超音速で突入してくるこのような巨大ミサイルを防ぐのは非常に難しい。また、たとえ爆発しなくとも、その運動エネルギーで駆逐艦程度の艦なら致命的な打撃を被ることは避けられないだろう。

 

誘導システム

 特筆すべきはその誘導方式だ。ソ連では1960年代初期から全地球規模の海洋偵察衛星システムの開発を開始し、1978年には「レゲンダ・システム」として実用化に至っている。このシステムは原子炉を備える原子力レーダー衛星と、光学偵察衛星からなり、1982年のフォークランド紛争の際には、このシステムのおかげでイギリス海軍の動きは筒抜けになっていたと言われる。

 SS−N−19もこのシステムを利用し、搭載艦は衛星の情報を受信するための各種アンテナや情報解析装置を搭載している。敵艦隊を攻撃する時は、まず衛星の情報を受信し、敵艦隊の位置を割り出した後に、ミサイルを発射することになる。なお、敵艦隊の発見に当たってはツポレフTu−95海洋偵察機が衛星の補完的な役割を果たす。

 発射後、ミサイルはマッハ2.5まで加速し、その誘導コンピュータが衛星からの情報を元にミサイルを目標に指向する。その後、しばらく巡航した後、高度を10mに下げて目標に向かう。目標に接近するとアクティブレーダーを作動させ、目標を自ら探知し、突入する。ちなみに、終末シーカーとしてはアクティブレーダーの他に赤外線シーカーを備えているとの情報もある。

 その際、先進的なのは高度な複数目標攻撃プログラムにより、同時に複数のミサイルを効果的に目標に誘導する事ができることだ。つまり、複数のミサイルが発射されると、ミサイル同士が連絡を取り合い、1基のミサイルをリーダー役とするのである。リーダーとなったミサイルは、目標を発見しやすいように他のミサイルよりも高い高度を飛んで、他のミサイルは低高度をリーダーについていく。

 ミサイルには予め艦艇などに対する詳細なデータベースを備えており、リーダーはミサイル同士の調整を行い、敵艦隊の中で最も重要度の高い艦にミサイルを集中させるという恐るべき「賢さ」を持っている。さらに、リーダーが撃墜されたも、自動的に他のミサイルがリーダーとなり重要艦を狙い続ける。また、1発ずつ別の艦に指向し、艦隊全体の艦を攻撃する事もできる。

 このような高度な「知能」を持つミサイルは、「撃ちっ放し」能力を有しており、従来の長距離ミサイルでは必須であった途中の中間誘導を必要としない。

 

配備

 SS−N−19シップレックの生産は既に終了しており、生産数は300発程度と推測される。輸出は行われず、ロシア海軍のみで使用されている。

 搭載艦は、オスカー1/2級原子力巡航ミサイル潜水艦(24基搭載)、キーロフ(アドミラル・ウシャコフ)級原子力巡洋艦(20基搭載)、アドミラル・クズネツォフ級空母(12基搭載)の3クラスである。このうち現役艦はオスカー2級×6隻、キーロフ級×2隻、アドミラル・クズネツォフ級×1隻の合計9隻で、発射機の合計は196基となっている。ちなみに、本ミサイルは中間誘導を必要としないので、潜水艦には誘導用のレーダーは無く、海中から発射する事ができる。

 

backtotopicon.gif (209 バイト)

このページはユナイテッドディフェンス内のコンテンツです。

 

 

91nss-sai-axx-3.jpg (20548 バイト)

AD2004/08/16 Update