SSC−3styx coastal defense missile
| 名称 | SSC−3 NATO名: styx(三途の川) ロシア名: P-20/21/22 Rubezh |
| 全長 | 6.55m |
| 直径 | 0.76m |
| 翼幅 | 2.4m |
| 発射重量 | P−20: 2500kg P−21/22: 2600kg |
| 射程 | P−20: 85km P−21: 100km |
| 誘導方式 | 中間: 自動操縦 終末: アクティブレーダーホーミング 赤外線ホーミング |
| 推進方式 | 液体 |
| 弾頭 | 513kgHE成形爆薬 |
| 最大速度 | マッハ0.9 |
| 設計 | Raduga設計局 |
1970年代後半になると、艦対艦ミサイルSS−N−2c/dスティックス(P−20
/21)を使用した沿岸防御対艦ミサイルが開発された。これがSSC−3スティッ
クス沿岸防衛対艦ミサイルである。このシステムは1980年代初めに部隊試験
が行われ、1984年から実戦配備が開始された。
SSC−3はSSC−1a/b同様、発射筒で大型トレーラーの荷台に載せられてい
る。ベース車体にはMAZ−7910(8X8)重運搬車両が使われていた。車両のレ
イアウトは前部左側に操縦席、その右側にエンジンがあり、さらにその後ろには3
人乗りコントロ−ル・コンパートメントが設けられていた。コントロール・コンパート
メント右側には伸縮式のプランク・シューブ探索誘導レーダーが装備されており、
本車だけで自律的にミサイルを運用することも可能である。なおこのレーダー
は、移動時には操縦席屋根上に倒して収納することができる。ミサイルは後部の
荷台に連装式に発射筒が搭載されている。この発射筒はミサイル発射時には車
体サイドに向けて90度旋回し、20度の俯角をかけて前後のカバーを開放してか
らミサイルを発射する。
ミサイルはP−20またはP−21で、いずれも小型機サイズである。葉巻型をした
円筒形 ボディーの、中央部に折り畳み式のデルタ翼、後部に垂直・水平尾翼を
それぞれ持ち、後部下に推進用のターボジェット・エンジンが取り付けられていた。
発射および加速用に尾部にロケット・ブースターが取り付けられて、使用後投棄
される。ミサイルの全長は6.55m、翼幅2.8m、直径0.78m、重量2.5〜2.
6トン、炸薬量513kg、射程80km(P−20)、100km以上(P−21)、速度は
マッハ0.9である。
ミサイルは発射後、まず45度の角度で上昇する。同ミサイルの最大の特徴がシ
ースキマーであることで、安定した飛翔に入った後、電波高度計またはドップラー
・レーダーを使い、海面上25〜50m(P−20)または25m(P−21)を巡航する。
目標への突入時は浅いダイブを行い、海面上2〜5mの位置で命中する。
誘導方式は、中間フェーズがプログラムによる自動操縦で、ミサイル発射にあた
ってオペ−レーターが目標までの距離や方位のデータをミサイルに入力してやる
必要がある。終末フェーズはアクティブレーダーまたは赤外線ホーミングで、目標
がジャミングをかけた場合や明瞭な赤外線探知が得られた場合、赤外線にバト
ンタッチされる。またジャミング源へのホーミングも可能である。
大型ミサイルでもあり、命中さえすれば1発で大破ないし撃沈もありうる。搭載さ
れたプランク・シェーブレーダーは、最大限アンテナを延ばした状態で、35kmの
探知距離がある。これはミサイルの最大射程に比べてかなり小さく、ミサイルの
性能を最大限に生かすためには航空機搭載レーダーやその他の探知システム
を併用する必要 がある。しかしこの点は元来港湾防御システムなのだから、と
うぜん周辺の警戒システムを使うことが期待できるはずである。
SSC−3ミサイルは1984年に太平洋艦隊に配属されてから、順次各艦隊に配
備された。ロシアでは3コ大隊で旅団が編成され、艦隊レベルの兵器として運用
されている。各大隊は各6両を装備する3コ中隊から成る。SSC−3はSSC−1
bを代替するというよりは、補完兵力として配備されているようである。その他、8
0年代半ばに旧東ドイツやユーゴスラビア、シリア、リビアなどにも輸出されている。

↑スティックスミサイル