| Development & History 開発
1980年代、ソ連海軍は大型空母で運用する、COD機(艦隊輸送機)やAWACS(早期警戒管制機)等の支援機の必要性を感じていた。特に重要だったのは艦隊の目となる、敵を早期に発見し、味方に適切な指令を出して戦場を管制するAWACSであった。この種の機体を持たない艦隊は敵の攻撃に対して著しく脆弱になってしまう。
このようなニーズによって開発されたのがヤコブレフ設計局のYak−44である。ちなみに、Yak−44には輸送機型とAWACS型のYak−44E型の2つのバージョンが存在するが、特にその重要度の高さからE型の開発が優先された。
設計
全体的な構成はアメリカのノースロップ・グラマンE−2Cホークアイに近いが、Yak−44Eの方が燃料搭載量が大きく航続距離が長い。そのため重量もE−2Cの約2倍で、エンジンパワーも2.5倍となっている。
レーダーはベガ設計局の開発した巨大なパルス・ドップラーレーダーを装備し、合わせて強力な冷却装置が取り付けられており、主翼取り付け部前方の胴体上部にその空気取り入れ口がある。胴体後部には360度捜索できる直径7.3mの円盤状のアンテナがある。特徴的なのは、艦上機という本機の性格上、全高を抑える必要があり、このレーダーアンテナも引き込み式になっていることだ。
エンジンはザポロージェD−227ターボプロップエンジン(13000軸馬力)の双発で、8翼+6翼の2つのプロペラを二重反転式で駆動する。
主翼は後退角の無い高アスペクト比のものを装備し、翼端にウイングレットを装備し、高揚力装置として前縁にスラット、後縁にフラップを装備している。艦上機なので全幅を抑える必要があるので、主翼は折りたたみ式である。
キャビンは与圧されており、乗員は5名、メインドアは主翼後方にある。着陸装置は、3点式で、前脚・主脚ともにダブルタイヤを装備している。ホイールベースは9.373mで、主脚の間隔は7.929mである。機体構造及び着陸装置は、離陸時のカタパルトからの射出や、着陸時のアレスティングワイヤーの拘束に耐えるために、陸上機よりも格段に強化されている。
垂直尾翼は全高を5.7m(レーダーアンテナを引き込んだ状態)に抑えるために、2枚としている。尾翼と主翼には防氷ブーツが取り付けられており、着氷に備えている。
開発凍結
1991年、フルスケール・モックアップが完成し、海軍によってさらなる改良が承認された。しかし、多くの同時代の兵器と同じように、ソ連崩壊という悲劇が待ち受けていた。防衛予算は大幅に削減され、Yak−44プログラムも凍結を余儀なくされてしまう。
ただし、このような状況下に置かれたものの、ヤコブレフはYak−44プログラムを放棄した訳ではなく、開発再開に僅かな望みを持っているようである。しかしながら、当局の関心は低く、本機の将来は暗い。

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