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ズールーX型弾道ミサイル潜水艦(SSB)
 

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Specifications

形式 弾道ミサイル潜水艦(SSB)
ロシア艦艇形式区分 PLRB(弾道ミサイル潜水艦)
名称 ロシア名: プロジェクト611AB

NATO名: ズールーX

建造隻数 6隻 1953〜1957年
全長 90.5m
全幅 7.5m
喫水 5.15m
水中排水量 2450トン
水上排水量 1900トン
推進機関 37−Dディーゼルエンジン(2000馬力)×3基

PG−102電動モーター(2700馬力)×1基

PG−101電動モーター(1350馬力)×2基

3軸推進

水上速力 16.5ノット
水中速力 12.5ノット
航続距離 9ノットで14350海里(水上)

16.5ノットで3650海里(水上)

2ノットで290海里(水中)

備蓄はズールー級よりも15日分増加(90日)

乗員 70名(士官18名、下士官52名)

 

Armament

□ スペック
□ 武装
□ システム
□ 開発
□ 歴史
□ 建造艦データ
  
  
  
  
  
  
  
  

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弾道ミサイル R−11FM弾道ミサイル×2基

射程180km

魚雷 533mm魚雷発射管×6門(艦首)

53−51魚雷6本搭載

533mm魚雷発射管×4門(艦尾)

53−51魚雷4本搭載

 

Systems

ソーナー ・MG−100アルクティカ アクティブソーナー

・MARS−16KPパッシブソーナー

・MG−13逆探

・Luch機雷探知ソーナー

レーダー ・RLK−101ナーカト(スヌープ・トレイ1)

 

Development & History

開発

 ズールー5型(ロシア名:プロジェクト611AB)は世界最初の弾道ミサイル潜水艦(SSB)で、ズールー級潜水艦をベースにしている。

 1940年代後半、ソ連では核弾頭を海からアメリカに投射する手段を模索していた。まず最初に検討されたのは、敗戦国ナチスのアイデアであった。それは、潜水艦を使って、弾道ミサイルを収納したカプセルを牽引して大西洋を横断し、所定の位置に来たらミサイルを垂直にし発射するというものであった。しかし、事件の結果点火と共にカプセル内で爆発したり、弾道がずれてあらぬ方向に飛んでいったり、結果は散々だった。そのため、このアイデアは1949年に破棄された。また、巨大な魚雷を使って核弾頭を投射するという手段も除外された。

 次に、当時、陸軍が開発していたR−11(NATO名「スカッド・ミサイル」)に注目が集まった。なぜなら、このミサイルは比較的小型で、当時の大型航洋潜水艦ズールー級に十分搭載できる大きさだったからである。ソ連政府はこのR−11弾道ミサイルを潜水艦に搭載する計画を進めることにした。

 潜水艦にR−11を搭載する計画は「R−P(後にボルナ)」というコードネームが与えられ、1954年にズールー級を改装した弾道ミサイル潜水艦ズールー5型の設計作業が完了した。

 ズールー5型潜水艦に搭載予定の陸軍のR−11の海軍版R−11FMは、陸上の試験場で1954年9月26日から10月20日にかけて試験された。一方、潜水艦の方も、B−62がレニングラードの第402造船所(セヴェロドヴィンスク造船所)に送られ、弾道ミサイル潜水艦への改装工事が始まった。

 このB−62はプロジェクト611Aと呼ばれ、量産型のズールー5型(プロジェクト611AB)と違って、R−11FM弾道ミサイルを1発だけ搭載する実験艦的な存在であった。1955年9月、このB−62による最初のR−11FM弾道ミサイル発射実験に成功している。

 続いて、R−11FM弾道ミサイルを2発搭載した量産型のプロジェクト611AB(NATOコードネーム:ズールー5級)が登場した。ズールー5級の1番艦B−67は1956年7月30日に就役したが、完全な作戦能力を獲得するには1959年まで待たなければならなかった。

 

武装

 ズールー5型はR−11FM弾道ミサイルの発射筒2基をセイルに埋め込んでいる。この発射筒を装備するため、船体内部の配置が変化しており、予備の魚雷や大砲は取り除かれた。

 R−11FM潜水艦発射弾道ミサイルは陸軍のR−11(NATO名:スカッド)から発展したミサイルである。ミサイルは、液体燃料を充填した状態で発射筒に収められており、発射するには海上に浮上しなければならない。

 浮上後は、セイルの発射筒のハッチが開き、支持架台に収められたR−11FM弾道ミサイルが発射筒からせり出してくる。なお、ミサイルの発射準備には2時間必要だが、この準備は潜航状態で行われる。浮上後は5分ほどでミサイルを発射でき、2発目のミサイルも1発目のミサイルを発射してからさらに5分後に発射可能になる。

 ちなみに、ミサイルを発射するには、速力12ノット以下、海面レベル4以下である必要があった。

 

問題点

 ズールー5型弾道ミサイル潜水艦の開発が進むにつれて、いくつかの問題点が発生した。まず、搭載ミサイル(R−11FM)には液体燃料があらかじめ充填してあるため、複雑な配管や接合部から頻繁に燃料漏れを起こすということである。ミサイルの燃料は劇薬なので、これは大変危険であった。

 次に、当時のソ連の工作精度に問題があり、搭載するR−11FM弾道ミサイルの品質が安定していないことで、中には目標に到達する前に爆発してしまう物もあった。

 さらに、ミサイルを一旦発射位置まで押し上げると、ミサイルを再び引き込むことができなかった。つまり、発射位置にセットしてから発射を中止する場合は、ミサイルを海に投棄するしか無かった。これは、事実上、核弾頭を搭載できないことを意味している。この場合、代わりに1トン通常弾頭を搭載するしか無かった。

 また、搭載するR−11FMの精度にも問題があった。元々、ベースになった陸上発射型のR−11(NATO名:スカッド)も、お世辞にも精度が良いとは言えなかったが、潜水艦発射型の場合、自艦の現在位置の狂いによる航法的な問題と、ミサイル発射時の艦の揺れが重なって、陸上発射型よりも正確な精度を得るのが困難になる。

 最後に、根本的な問題としてR−11FM弾道ミサイルの射程が短すぎることが挙げられる。このミサイルの射程は180kmだが、騒音の大きいズールー5級潜水艦がアメリカ本土にこの距離まで接近するのは、もはや自殺行為である。

 

建造

 ズールー5級弾道ミサイル潜水艦(SSB)は、プロトタイプのプロジェクト611Aと合わせて6隻建造され、うち4隻が北洋艦隊に、2隻が太平洋艦隊に配備された。

 

歴史

 ズールー5級は世界初の弾道ミサイル潜水艦で、アメリカより3年近く先行していた。しかし、搭載するミサイルの能力は低く、信頼性にも問題があり、実戦兵器としては余りにも幼稚であった。

 1959年、ズールー5級の1艦が、アイスランド沖でアメリカのディーゼル潜水艦グレネーダーに追い回され、ついには浮上させられてしまった。このように隠密性の低い潜水艦がアメリカ本土にそのミサイルの射程である180kmにまで接近してミサイルを発射することは、事実上不可能である。

 ズールー5級は兵器としての有効性は低かったが、ソ連が潜水艦発射弾道ミサイルの経験を積むのには役立ったと言える。

 ズールー5級は1960年代を通して任務に就いていたが、1967年に旧式となったD−1発射装置を取り外し、1970年代初頭には多くの艦が退役した。なお、一部は試験艦として用いられ、1990年まで在籍していた艦もあった。

 

建造艦データ

No 艦名 造船所 就役
1 B-62 SY402 1953/12/31
2 B-67 SY402

1956/6/30

3 B-73 SY402 1957/11/30
4 B-78 SY402 1957/11/30
5 B-79 SY402 1957/12/4
6 B-89 SY199 1957/12/13

SY402=セヴェロドヴィンスク(第402造船所) 所在地:アルハンゲリスク北方

SY199=コムソモリスク(第199造船所) 所在地:コムソモリスク

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↑弾道ミサイル発射の瞬間

AD2003/12/19 Update