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夏はすべてを焦がして通り過ぎて行き 僕は道端に立つ薄汚れた一匹の犬になる




僕は訓練によって得られた安住の地に 訓練によってしがみつくことができる




あまりにも突然に訪れた別れや出会いを 克服することだってできる




僕は知っている




すべては逆説的な意味においてのみ存在を証明され 本質は手続きの途中で迷子




だから僕はずっと考える
他に何もすることはない




朝起きて歯を磨いて夜眠る前に歯を磨くまで
朝起きてシャワーを浴びて夜眠る前にシャワーを浴びるまで




何をし、何を言ったのかを正確に思い出す




忘れないように
忘れないように
忘れないように




いとも簡単に全てを受け入れている




僕はもう、何も知らなかった幸せな時代には 戻れない



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