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夏の日の午後


その人の家を出ると


家に行く途中は


涼しくて


猫が沢山いて


一日中easternを聴きながら


漫画を読んでいた


お墓参りには行かなかった


気付いたらいつもひぐらしが鳴いていた


僕は僕の価値観を


気付かないうちに壊して、また組み立てているのだ


蛍が雨にぬれた草薮の中で薄暗く光っていた


僕は何故か捕まえようとして


手を伸ばす


でも手の中には何もなく、また目の前で蛍は光り出す


後ろのほうではしゃいでいる友人達の花火が


また大きな音を立てはじめた


今年もまた蛍を見ることが出来た


明日は早起きしなければならない



[楽しい夜 010816] copyright(c)2000-01 taichi kobayashi