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emotion

正常に生きてい る人は 自分のことをそれほど深く意識していない。 内面に生じる変化を意識し始めた人の方が つまずくことになる。 したがって安易に 「問題を起こした方が病的であり、病的であるからおかし い」 という価値判断を下すのには反対である。感情というのは意識化されている。 つまり 何かに対しての反応が意識化されて感情になっていく。 さらに表現する時に感情のインテグレーション (integration : 統合する・ま とめる) が行われる。 感情の中には相反した物があって それらを統合していくこと ( = エモーショナル・インテグレーション ) が上 手に出来れば 精神状態は安定し、精神的に強い ということになる。 ネガティブな感情を抑えようとし過ぎると いつか無理が生じる。

哀しくても 哀しくない 辛くても 辛くない 哀しいこと、辛いこと これ即ち悪 の観念が頭に付いて離れず 「哀しくなんかない、辛くなんかない」と言い続ける。 感情は抑圧され、しかし それは消えることなく 心の一番深い所に溜まる。 恐ろしいほどの破壊力を隠し持ちながら しかし 時期が来るまで じっと息を潜める。 それならばいっそのこと、ネガティブな感情も そのまま素直に受け入れて しまえば、 ネガティブな感情も ポジティブな感情も、自分の中で起こった感情なのだ。 から すべて認めて受け入れて その上で 上手にエモーショナル・インテグレーションを行えれば、 この方がずっと自然で無理がなく、なおかつ精神の安定度も高くなる。 気分というのは過ぎ去るものだから そのままにしておけばいい。 別に 良いとか悪いとか 思わないようにして 気分があるんだということを 認めているだけでいい。 そのうち いつか 気分は変わるだろうから。