奇数・偶数 (5年算数)

─近似的に答えを求める考え方─

2005.11.26

 円周は、曲線です。
 そのため今まで習った三角形や平行四辺形などとは、違った考え方が要求されます。
 つまり、円の学習では「近似的に答えを求める考え方」を児童にさせていく必要があります。
 アルキメデスの話から、その考え方を紹介したいと思います。

 今から約2300年前に生まれたアルキメデス(古代ギリシア)は、円周率は「3と10/71(約3.14085)」と「3と1/7(約3.1426)」のあいだにあると求めました。
 

 下の図を見て下さい。
  図1は、円周と内接正6角形と外接正6角形です。
  図2は、円周と内接正12角形と外接正12角形です。

 アルキメデスは、円周は、内接正n角形と外接正n角形の外周のあいだの長さであることを利用して、上のような正確な円周率を求めました。
直径40pの円で考えてみます。
ちなみに円周は、
125.6pとなります。
<図1> <図2>
外接正6角形の外周 138.6p
内接正6角形の外周 120p
18.6p
外接正12角形の外周 128.62p
内接正12角形の外周 124.23p
4.39p
上の図形の円の直径は、どちらもほぼ同じ長さです。
 アルキメデスは、正6角形→正12角形→正24角形→正48角形→正96角形とやって円周率を求めました。

 さて、そこで問題です。
 外接正96角形と内接正96角形の外周の差は、何pだと思いますか?
外接正96角形        ?p
内接正96角形        ?p
?p
正解を知りたい場合はここをクリック

 授業では、下の写真のように、アクリル板に緑色とピンク色のひもで貼ることにより、長さの違いを見てはっきりととらえられるようにしておきました(両面テープ使用)。

内接正6角形外周と内接正12角形外周→ピンク色のひも
外接正6角形外周と外接正12角形外周→緑色のひも

この二つの図を見て、気がつくことを発表させました。
  
下の写真は、上のひもをはがして掲示したものです。
左側が正6角形
右側が正12角形
3本の線のうち、真ん中は円周

 アルキメデスのように円を細かく分けて考えていくほど、限りなく円周率は正確に求めることができます。
 「近似的に答えを求める考え方」は、円の面積の公式を求める際にも使えます。

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