2006,6(1993年度より随時実施)
2007.4(一部修正)
児童が遣っている言葉について,時々アンケートを実施してきました(1993年度より)。
子ども達には,「うっせー」「死ね」「うざい」など,相手の存在を否定したり,中傷したりする言葉を絶対に遣わせたくありません。
遣う言葉によって「思考」が決定されるという考え方がありますが,私もこの考え方に同感だからです。
これから思春期をむかえるにあたって,積極的にあたたかみのある言葉を獲得させていくかがとても重要となります。
アドラーは,反抗期は,ポジティブなライフスタイル(自分で考えて責任ととる)を身につけさせることで避けて通れると指摘しました。
このポジティブなライフスタイルを身につけるためにも,言葉遣いは適切であるべきです。
建設的な考え方ができるような言葉をたくさん獲得させることが大切です。
子どもたちが,あたたかみのあるプラス思考の言葉遣いになるように,いつも注意を払っていきたいと思います。
※アドラーに関する上記の叙述は,『アドラー心理学入門』(ロバート・W・ランデ ィン著、前田憲一訳、一光社)を参照しました。
◎言葉について考える。
時として子どもは、テレビやマンガで得た知識を安易につかい人を傷つけることがあります。
乱暴すぎたり、思いやりに欠ける言動とったりすることもあるようです。
思いやりのある「プラス思考言葉」=「あたたかみのある言葉」を遣うことによって,自分や友達にとって過ごしやすい環境を作ることができます。
自分たちにとってよりよい雰囲気を自分たちで作ることができるような言葉について考えよう。 |
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<発問>【友達からどんな言葉を言われたらうれしかったですか?】
※下の左表参照
<発問>【友達からどんな言葉を言われたら嫌でしたか?
※下の右表参照
<発問>クラスや学校をよくするためにはどんな言葉を遣っていけばいいと思いますか。
※自分の考えをまとめさせる。
<指示>(花を見せ)英語でこの花の美しさを友だちに伝えなさい。
※英語では,気持ちを伝えられない。なぜならば,自分の気持ちを伝えられるだけの言葉を獲得していないからである。
※獲得している言葉,,や,普段遣っている言葉でしか,自分の考えを表現できないことをわからせたい。
あたたかみのある言葉 | あたたかみのない言葉(存在否定,中傷等) |
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◇挨拶言葉のように日常生活を支える基本的な言葉が多い。 |
◇存在否定や感情的な言葉が多い。 |
・おはよう ・ありがとう ・すいません ・いってらっしゃい ・ごめんね ・バイバイ、じゃあね ・お帰りなさい ・おじゃまします ・元気だせよ ・一緒に遊ぼう ・(けがをしたとき)だいじょうぶ ・よかったね ・がんばって(次、がんばろうね) ・手伝おうか ・遊びに行くからね ・どんまい |
・ばか ・アホ ・おれじゃねぇよ ・てめえなんか殺してやる ・死ね ・バーカ、うっせぇば〜か ・ふけつ ・この世から去れ ・ざまぁ ・そこの雑魚とっとと消えろ ・うるせぇ ・ざあけんなよ ・おめぇなんかに言われる筋合いはねぇ ・うぜぇ ※集団による無視もここに入れてよいかと思われます。 |
○ものごとを建設的に考えていくことができる。 ○人の話しを誠意をもって聞くことができる ○失敗してもプラス思考により励まされる。 ○失敗しても、すぐに立ち直りやる気がでてくる(失敗を生かす)。 ○自分自身の判断で行動することができるので、無意味に人を傷付ける言葉は使用しない。 |
○軽い気持ちで相手の存在を否定するような言葉を遣う。 ○バイキン扱い的な言葉や差別的な言葉を遣う。 ○友だちに合わせて(仲間はずれにされるのがこわくて)、言ってはならない言葉を遣う。 ○相手を傷つける言葉と知らずに不用意に軽い気持ちで遣っている。 ○相手が失敗すると直ちに攻撃的言葉を使用する。 ○感情的な言葉を多く遣う。 ○流行に流されやすいので、軽い気持ちで言葉を遣う。 ○一人だと不安だが大勢になると行き過ぎたことを言ってしまう。 |