スターシップ・トゥルーパーズ 2

STARSHIP TROOPERS 2 : HERO OF THE FEDERATION
監督 フィル・ティペット
出演 コリーン・ポーチ  リチャード・バージ  エド・ローター  ブレンダ・ストロング  ローレンス・モノソン  ケリー・カールソン  エド・クイン  J・P・マノウ  サンドリーヌ・ホルト
脚本 エド・ニューマイヤー
撮影 クリスチャン・セバルト
音楽 ジョン・モーガン  ウィリアム・T・ストロンバーグ
編集 ルイーズ・ルバッキー
2003年 アメリカ作品 92分
評価☆☆★

映画館で観た映画の感想文「映画感想/書くのは私だ」も、今回で100本目
いつのまにか、そんな数になるもんだ。おめでとう、自分。よくやるね〜。
記念の映画となったのは、ばっちりB級作品の噂が高い、この作品。特に100本目に選んだわけじゃなくて、単なる順番なんだけど。
誰も祝福してくれないので、自分で自分をほめてあげたいと、どこかで聞いたようなセリフを胸に抱き、一度行ってみたかった映画館へ。
本当は、銀座シネパトスのほうが近くて便利なのだが、お台場のシネマメディアージュでも上映していると知り、わざわざ出かけていったのだ。よくやるね〜。
ここは、フジテレビ本社ビルの向かいにあり、自由の女神のレプリカも近い。でも、お台場に来るための交通機関である「ゆりかもめ」の乗車賃が高いし、ここまで映画を観にくることは、今後もめったにないはず。まさに、マイ・スペシャル・イベントである。

前作「スターシップ・トゥルーパーズ」は、ポール・バーホーベン監督の傑作。遠い宇宙の星での人間対エイリアンの戦い。昆虫型エイリアンに圧倒され殺られまくる人間の無力さや、戦争を馬鹿馬鹿しく大げさに描いて痛烈に茶化す批判精神に加えて、娯楽に徹した青春風ドラマや、スケベっぽさまでも楽しめる、スーパーエンターテインメントだった。
好みが分かれるだろうB級映画の雰囲気は、前作にもあったが、今度の「2」は予算も少なく、完璧にB級。
なにしろ、製作国アメリカでさえ、劇場公開はされず、テレビとDVDでしか観ることができなかったというのだ。それを劇場公開しちゃう日本って、いったい…。
きっと前作の熱烈なファンの力があったのだろうなあ。どこかに…。

今回は、最初から戦闘場面。
エイリアン「バグズ」の攻撃に遭い、人間側は、前哨基地への退却を余儀なくされる。
先行して基地に入った軍曹たち一行だが、基地の電源は壊れていて、エイリアンから基地を守るバリアが使えない。
そして、誰もいないかと思われた基地内に、監禁されたまま残された男が1人いた。彼は上官殺しの罪で捕われていたのだった。
やがて、将軍が、別部隊の兵士3人とともに逃げ延びてきて、基地へ合流する。
電気が復旧し、一安心と思ったら、後から加わった3人の兵士の様子がおかしい…

前作で痛快に暴れてくれたバグズだが、今度は最初と最後くらいしか出番がない。
基地内での、パラサイト(寄生)エイリアン騒動に比重を置いて、密室サスペンスホラーの趣きを狙っている。言ってみれば、リドリー・スコット監督の「エイリアン」的風味。
この映画の関係者が、本作は「エイリアン2」から「エイリアン」へという話の展開にした、と語っていたが、うまいことを言う。映画の始めのほうの、バグズとの戦争シーンは「エイリアン2」みたいなものだからね。

サイキック将校、というのが登場する。予知能力を使って戦争を有利に展開しようとするわけだが、このサイキック野郎が上官風を吹かせて威張るあたりが、見事に典型的な憎たらしい上司、という展開で可笑しい。

軍曹は女性だが、すごいマッチョ。女性は肉体的にも強くなったのね。最後なども、ものすごい根性で、根性なしの私などは、帽子をかぶっていなくても、思わず脱帽してしまう。こんな軍曹なら付いていきたい。(笑)
軍曹役のブレンダ・ストロングは、前作にも出演していたという。(前作を観なおしてみないと、どの役だったのかは分からないが。)

有名な俳優はほとんど出ていなくて、知られているのは将軍役のエド・ローターくらいか。最近では「シービスケット」にも出ていたらしい。(…どの役だ?)

可愛い子ちゃんとして合格(?)なのは、主役級のコリーン・ポーチ、男を誘惑する役のケリー・カールソン。今後も活躍することを希望する。この作品を踏み台にして(なるかな?)、がんばってもらいたい。

今回は、思いもよらず濃厚なスプラッター風味や、エイリアン的粘着生物の気持ち悪さがある。
そういうのが嫌いな方にはお勧めできないが、とにかくB級風味(B級映画とは何か、については「ダウン」の感想で少々書いてあります)が好き!という方には、けっこう楽しめると思う。

私は、B級映画として飽きずに楽しめたのだが、惜しむらくは、ラストの大尉の行動が解せないので、星半分減らした。無駄に○○こたぁないだろうに…。

監督は「スター・ウォーズ」旧3部作、「ロボコップ」「ジュラシック・パーク」「スターシップ・トゥルーパーズ」などの特撮に関わってきたフィル・ティペット
予算がなくても、続編を作ろう、という心意気や良し。

エンドロールに、演奏がモスクワ・シンフォニー・オーケストラと書いてあった。映画音楽の演奏にモスクワの楽団が登場するなんて、はじめて知った。

となりにバカップルがいて、女は頭悪そうな感じで、くっちゃべり(上映中は黙ってたからいいけど)、男は前の席に足を伸ばして乗っけていた(その席に人が座っているにもかかわらず、だ!)。
女は、終映後、つまんなかったあ〜!と、のたまった。
それも、いい思い出である。(ホントかよ!)

〔2004年6月13日(日) シネマメディアージュ〕


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