バイオハザードU アポカリプス

RESIDENT EVIL : APOCALYPSE
監督 アレクサンダー・ウィット
出演 ミラ・ジョヴォヴィッチ  シエンナ・ギロリー  オデッド・フェール  ソフィ・ヴァヴァスール  マイク・エップス  トーマス・クレッチマン  サンドリーヌ・ホルト  ジャレッド・ハリス  イアン・グレン
撮影 デレク・ロジャース  クリスチャン・セバルト
脚本 ポール・W・S・アンダーソン
編集 エディ・ハミルトン
2004年 アメリカ・カナダ・イギリス作品 93分

評価☆☆☆★

単純明快にサバイバル(生き残り)ゲームを楽しむような映画だ。
前作の監督ポール・W・S・アンダーソンは脚本・製作に回り、よく知らない監督にバトンタッチされたが、失敗作になることはなかった。
今回の監督、アレクサンダー・ウィットという人は、これまで多くの映画で撮影監督や助監督をしてきて、これが初監督作品のようだ。

今度のパート2は、地上に溢れるゾンビの群れの中、アリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)と、その連れの一行が必死に戦いながら生き残ろうとする話だ。
敵側では、前作でお馴染みの、リッカーやケルベロスが再び現われるし、ネメシスという新顔まで加わった。
かたや、迎え撃つ側はどうかというと、ミラのアリスは相変わらず、かっこいいうえ、今度はジル・バレンタイン(シエンナ・ギロリー)というキャラクターも参加だ。
バイオハザードのゲームをしている人によれば、シエンナはゲームのイメージにそっくりらしい。それはファンも喜ぶだろう。ゲームをしたことのない私も、彼女はかっこいいと思う。
アリスがいるから、比べるとそれほど目立つ活躍は印象にないけれど、めっちゃクール!である。

ミラと、「戦場のピアニスト」で見たことのあるトーマス・クレッチマン以外は、知った俳優がいなかったが、ノンストップ・アクションのスピード感で、飽きずに観ることができた。
93分という上映時間も、コンパクトに小気味よくまとまって、この映画の場合、よかったのではないだろうか。
見せ場はアクションと決まっているのだから、小難しい物語を長々と述べる必要はないのだ。
ガンガン派手にやって、一気にパアーンと終わるのがよろしい。

こういう映画を観るにつけ、劇場の音響効果の重要さを思う。テレビで観たら、どれだけ迫力が減るか。私がアクションものを映画館で観る場合は、それが大きな理由のひとつだ。

しかし、まあ、これって結局、人災ではないか。
権力を持ち、欲にまみれた人間ほど最悪なものはない。それは企業ではもちろん、政治の世界などにも通じる真理に違いない。

…などと、そんな面倒くさいことを考えなくても、ミラの演じるアリスを見るだけでも、満足できる
美女好きな私だから当たり前だ。
彼女はアクションシーンのために、かなりトレーニングをしたというが、なんとなく、その断片は窺うことができる。
実際、映画でのアクションは、カメラの切り替えが速くて、何がどうなっているのか分かりづらいのだが、ミラの格好だけはキマっている(と思う)。
スピード感を出すためと、アリスが強そうに見えるために、短いカットを矢継ぎばやに、つないだのか。
DVDになってスロー再生で観たら、分かりやすいだろうか。(そう考えると、DVD全盛の現在、アラが見えるようないい加減な編集はしていないのだろうな、と関係ないことまで思ったりして。)
ミラのアクションシーンでは、個人的には、ネメシスに追われて逃げるアリス、というところが、いちばんスリリングで圧倒された。

私がミラを好きな理由は、彼女が日本にプロモーションに来て、テレビ番組やインタビューで、とても親しみやすい様子を見せてくれる(別名「フレンドリー」ですね)ことにもある。
サッカーの中田英選手と仲良しだって、おっぱいが小さくたって(失礼だな!)、構わない。
女優なら(たとえ裏ではどんな性格であれ)、観客に人気が出るように自分を演出するのは必要なことだ。まあ、ミラの場合は、ほんとにフレンドリーなのだと思うけど。

副題の「アポカリプス」は黙示、啓示といった意味。そこから、「裁きの日」というようにもとることができる。(コッポラ監督の「地獄の黙示録」は、「アポカリプス・ナウ」という原題だったから、この単語はよく知ってるぞ。)
人間が次々にゾンビになっていく状況。それに対する攻撃。まるで、世界の終末のような様相。これがアポカリプスなのだろう。

さて、このサバイバル・アクション、完璧に続編のパート3に続くのだが、かなり次回に期待感を持たせる見せ方をしている。
いったい、アリスが次にどんな活躍を見せるのか、ウィルスを撒き散らした元凶の企業はどんな動きをしてくるのか、今度の敵は何なのか、アリスの仲間たちはどうなるのか。
パート3も、かっこいいミラを期待して、やっぱり映画館に観に行くことになるのだろうなあ。

〔2004年9月18日(土) ワーナー・マイカル・シネマズ 大井〕


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