ステップフォード・ワイフ

THE STEPFORD WIVES
監督 フランク・オズ
出演 ニコール・キッドマン  マシュー・ブロデリック  グレン・クローズ  ベット・ミドラー  クリストファー・ウォーケン  フェイス・ヒル  ロジャー・バート  マット・マロイ  マイク・ホワイト
原作 アイラ・レヴィン
脚本 ポール・ラドニック
撮影 ロブ・ハーン
音楽 デビッド・アーノルド
編集 ジェイ・ラビノウィッツ
衣装 アン・ロス
美術 ジャクソン・デ・ゴビア
2004年 アメリカ作品 93分
評価☆☆☆★


BJ「ニコール、きれいだったねえ。黒髪もいいじゃない」

ノーマ(Norma)「めずらしいわよね、あたしは金髪のニコールしか記憶にないなあ」

BJ「ぼくもそうだよ。やっぱし金髪って、こうしてみると、女優としてのゴージャス感があるんだね。ただ、女優さんによって似合うかどうか、というのがあると思うけど。
今回の映画は、大物のニコールではあるけれど、作品は小品ということなのか、公開した映画館がTOHOシネマズ系だけだったんだよね。東京で3ヵ所しかやってないんだから」

N「たしかに小品。ニコールだったら出演作を自分で選べる力を持っていると思うのに、こういう、ちょっとした作品にも出るのね」

BJ「何か興味をそそられる点が、その映画にあるんだろうね。脚本のほかにも、監督が好きとか、あの俳優と共演したいとか」

N「自分が楽しんで演技できる映画に出てみる、息抜きみたいなものかも。前に観た『バースデイ・ガール』も、小品だったし。でも、そういう選択をするところが、ニコールのいいところ」

BJ「スターとしての余裕があるから、逆に、こうした作品を選ぶことができる面があるかもしれない。
この映画、リメイクなんだね。『ステップフォードの妻たち』って映画、名前は聞いたことがあるんだけど、観たことはなかった。1975年の映画なんだけど、調べてみたら日本では劇場未公開。キャサリン・ロス主演なんだから、公開されてもおかしくないのに」

N「アイラ・レヴィンが原作だったのね。『ローズマリーの赤ちゃん』や『死の接吻』を書いた人。だから、ちょっと怖いところもある」

BJ「未来への警鐘みたいにもとれるよね。原作が書かれた当時から時が経った今でも通じる。『ステップフォードの妻たちには秘密がある』っていうから、何だろうと思って。見当もつかなかった。まさか、あんなことだとは」

N「そのネタは、映画の途中で、わりと簡単にばらしてるよね。あとはニコールがどうするか、どうなるか、っていう展開」

BJ「映画としては、コメディタッチでもあって笑えるし、軽〜く観ることができるね。監督のフランク・オズは『リトルショップ・オブ・ホラーズ』という、ちょっと変わったミュージカルを以前作っているけど、今度の作品も、ブラックユーモアSF的な風味が似ている気がする」

N「フランク・オズって、『スター・ウォーズ』でヨーダの人形を動かして、声を演じてるのよね」

BJ「うん、あとはジム・ヘンソンと一緒に監督した『ダーククリスタル』というマペット、つまり人形劇の映画も面白かったなあ。
ニコールのほかの共演者は、どうだった?」

N「ベット・ミドラー、ひさしぶりに見たけど、いい味出してる(笑)。型にハマった良妻演技が、笑える。良妻っていっても、まあ、ネタばれだから言えないけど…。
オカマちゃんも印象に残るわね。どうもコメディっていうと、オカマちゃんが出てくるような気がするけど」

BJ「そういう傾向があるのかなあ。たまたま観る映画に、そういうものが多いのか。これは検討の余地があるかも」

N「どうやって検討するの? めんどくさそう」

BJ「そうだね、やめよう(爆)。素直な私。
あとは、貫禄あるグレン・クローズ、どの作品を観ても怪演に見えてしまう(?)クリストファー・ウォーケン、ニコール奥さんの尻に敷かれていそうなマシュー・ブロデリック。共演者は豪華だね」

N「『歌うスーパーモデル』なんて言われてる、歌手のフェイス・ヒルも出てる。これから、ときどき映画にも出たりして。今回の出演では演技力は全然分からない」

BJ「『スクール・オブ・ロック』の脚本、助演のマイク・ホワイトが、妻に捨てられた男の役で最初のほうに出てくるのも見逃せないね」

N「なんか、情けない役が合ってるというか(笑)。とにかく、過剰に期待しないで、難しいことを言わずに、楽しめばいい映画よね」

BJ「そうだね。あ、そういえば、映画のオープニングで、電化製品に囲まれた便利な生活、みたいなものを紹介していたじゃない? あれって、アメリカの素晴らしい文明を見せていたのかと思ったんだけど、あとで考えると、皮肉だったのかな、って思った」

N「なにごとも、極端に進みすぎると、よくないのかな。ニコールが『完全であることなんて、いいことないわよ』(“Perfect doesn't work”)って言ってたけど、ほんとに、そう。完璧な人間なんて、かえって面白くないもの」

BJ「だから、ぼくと結婚してくれたんだ…(笑)。
でも、あの人、あんなことができるんなら、もっと別のことに頭を使えば、世の中よくなるのに。たとえばさ…」

N「おっと、ストップ! ネタばれしそう」

BJ「Oh! サンキュー、ノーマ。では、このへんで、お開きにしようか」

〔2005年2月5日(土) ヴァージンTOHOシネマズ 六本木ヒルズ〕


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