Ray/レイ

RAY
監督 テイラー・ハックフォード
出演 ジェイミー・フォックス  ケリー・ワシントン  レジーナ・キング  アンジャニュー・エリス  シャロン・ウォーレン  クリフトン・パウエル  ハリー・レニックス  C・J・サンダース
原案 テイラー・ハックフォード  ジェームズ・L・ホワイト
脚本 ジェームズ・L・ホワイト
撮影 パベル・エデルマン
音楽 クレイグ・アームストロング
編集 ポール・ハーシュ
2004年 アメリカ作品 152分
ナショナル・ボード・オブ・レビュー…作品トップ10、第8位・主演男優賞
ボストン映画批評家協会賞…主演男優・助演女優(シャロン・ウォーレン)賞
ワシントン映画批評家協会賞…主演男優賞
サウスイースタン映画批評家協会賞…作品トップ10、第7位・主演男優賞
フロリダ映画批評家協会賞…主演男優賞
ダラス・フォートワース映画批評家協会賞…作品トップ10、第6位
全米映画批評家協会賞…主演男優賞(対象作品は「Ray/レイ」「コラテラル」)
ブロードキャスト映画批評家協会賞…主演男優・サウンドトラック賞
ゴールデングローブ賞…主演男優賞
アメリカ映画俳優組合賞…主演男優賞
ラスベガス映画批評家協会賞…作品トップ10、第6位・主演男優賞
ロンドン映画批評家協会賞…主演男優賞
英国アカデミー賞…主演男優賞
アカデミー賞…主演男優・音響賞
評価☆☆★


昨年亡くなった歌手レイ・チャールズの伝記映画。主演のジェイミー・フォックスが、レイ・チャールズにそっくりだという評判。アカデミー賞主演男優賞以下、さまざまな主演男優賞をとっている。

映画賞関連作品は、なるべく観てみたいという気があって、それほど期待はしていなかったけれど観た。
特にレイ・チャールズを聴いていたわけではないが、歌う姿は何かで見ているし、映画「ブルース・ブラザース」に出演しているのも観た。私にとっては、その程度しか知らない歌手なのだった。

ジェイミー・フォックスの熱演は認める。レイ・チャールズに身振りなどまでも似ているのだろう、とも思う。
即興から新しい曲が生まれてくるところは、演奏シーンのハイライトで、これがレイ・チャールズの真骨頂なのではないかと思わせた。
また、子どもの頃のクインシー・ジョーンズがレイと知り合いだったというのには、びっくりだった。

しかし、似ているというのは別として、映画としては、レイがどういうふうに売れてきたのかを、ただ、たどっているだけのように思えた。
長い。物語に乗れないから、2時間半は長く、多少退屈も感じた。
レイ・チャールズの音楽が大好きということでもない、というのもマイナス要因だったのか。

映画はレイ・チャールズの人生をたどって見せて、こちらに何かが伝わってきただろうか。
女性関係、ドラッグ…こういうことがあった、というのは分かったが、それで、何?という感じ。
私には、心に迫ってくるところがなかった。すまない。

よかったのは、母親とのシーン。
大人になったレイの物語が語られるなかで、子ども時代の場面が時々挿入されるのだが、その場面は、すべて、いい。泣けたのも、すべて、レイの子ども時代の場面だった。
目が見えない息子が、転んで助けを求めても、母は手を出さない。
「1度目は、どうやるのかを教えてあげる。2度目に失敗したら、助けてあげる。でも3度目は自分でやるのよ。それが世の中というものなの」
助けるのは簡単。だが、母は心を痛めながらも、息子がこれから自分の力で生きていけるように、彼を助けずに見守るのだ。母親の愛を感じた。

母親役を演じたシャロン・ウォーレンが断然光る。彼女は映画初出演ながら、ボストン映画批評家協会賞で助演女優賞を受賞した。

音楽担当はクレイグ・アームストロング。大・大・大好きな「ムーラン・ルージュ」で音楽担当だったときから注目している人だが、レイ・チャールズの伝記映画では、おとなしく、まとめるしかない…よね。

〔2005年2月11日(金) みゆき座〕


映画感想/書くのは私だ へ        トップページへ