サイドウェイ

SIDEWEYS
監督 アレクサンダー・ペイン
出演 ポール・ジアマティ  トーマス・ヘイデン・チャーチ  ヴァージニア・マドセン  サンドラ・オー
原作 レックス・ピケット
脚本 アレクサンダー・ペイン  ジム・テイラー
撮影 フェドン・パパマイケル
音楽 ロルフ・ケント
編集 ケビン・テント
2004年 アメリカ・ハンガリー作品 130分
ナショナル・ボード・オブ・レビュー…作品トップ10、第5位・助演男優(トーマス・ヘイデン・チャーチ、助演男優賞は以下同じ)・脚色賞
ロサンゼルス映画批評家協会賞…作品・監督・助演男優・助演女優(ヴァージニア・マドセン、助演女優賞は以下同じ)・脚本賞
AFI(アメリカ映画協会)トップ10映画
ボストン映画批評家協会賞…作品・助演男優・脚本・アンサンブルキャスト賞
サンフランシスコ映画批評家協会賞…作品・監督・主演男優(ポール・ジアマティ、主演男優賞は以下同じ)・助演男優・助演女優賞
ニューヨーク映画批評家協会賞…作品・主演男優・助演女優・脚本賞
ワシントンDC映画批評家協会賞…脚色賞
シカゴ映画批評家協会賞…作品・主演男優・助演男優・助演女優・脚本賞
サウスイースタン映画批評家協会賞…作品トップ10、第1位・監督・助演男優・助演女優・脚色賞
フェニックス映画批評家協会賞…作品トップ10・助演男優・アンサンブル演技・脚色・作曲賞
フロリダ映画批評家協会賞…作品・監督・助演男優・脚本賞
ユタ映画批評家協会賞…助演男優・助演女優・アンサンブル演技・脚本賞
ラスベガス映画批評家協会賞…作品トップ10、第3位
シアトル映画批評家協会賞…助演男優・助演女優・脚色賞
カンザスシティ映画批評家協会賞…助演男優・脚色賞
サンディエゴ映画批評家協会賞…脚色賞
ダラス・フォートワース映画批評家協会賞…作品トップ10、第2位・主演男優・助演男優・助演女優賞
アイオワ映画批評家協会賞…作品・監督・主演男優・助演男優・助演女優賞
トロント映画批評家協会賞…作品・主演男優・助演女優賞
ゴールデンサテライト賞…作品・助演男優賞
ニューヨーク・オンライン映画批評家協会賞…作品・助演男優・助演女優賞
女性映画批評家協会賞…主演男優賞
シネマラティ賞…主演男優・助演女優・脚色賞
IFPニューヨーク・ゴッサム大賞…作品賞
全米映画批評家協会賞…助演男優・助演女優・脚本賞
ブロードキャスト(放送)映画批評家協会賞…作品・助演男優・助演女優・アンサンブル演技・脚本賞
オンライン映画批評家協会賞…主演男優・助演男優・脚色賞
ゴールデングローブ賞…作品・脚本賞
アメリカ映画俳優組合賞…アンサンブル演技賞
ロンドン映画批評家協会賞…作品賞
英国アカデミー賞…脚色賞
全米脚本家協会賞…脚色賞
インディペンデント・スピリット賞…作品・監督・主演男優・助演男優・助演女優・脚本賞
アカデミー賞…脚色賞
評価☆☆☆★


後ろの席のほうから「半券でタダになるから…」という声が聞こえてきた。
それを聞いて、私は「コンチクショー!」と思った。
ある映画サイトで、指定された映画を観てアンケートに答えると、入場料をタダにする、というものがあったのだ。半券をあとでサイト宛に送付すれば入場料金を支払う、というもの。
私も応募したが、選ばれなかったのだ。指定の映画は、これだったのか。
こっちは金払って観にきたのに、タダ見しやがって!

ま、それはそれとして、アカデミー賞こそ脚色賞のみの受賞だったが、各映画賞で主要な部門賞を受賞しまくっていた作品

離婚して2年経っても鬱々としている冴えない教師マイルス。出版社に持ち込んだ原稿が出版決定になるかどうか、気になる毎日。
一方、マイルスの友人で、それほど売れていない俳優ジャックは結婚が決まっている。
2人は、結婚式前1週間を、ジャックの独身最後を楽しむ旅に当て、ともにカリフォルニアワインの産地を訪ねる

ポール・ジアマティとトーマス・ヘイデン・チャーチ、このコンビがいい。
やたらにワインに詳しかったりするけれど、自分はダメ男と思い込んで肝心なところでイケてないマイルスと、結婚するってのに女をナンパするのが目的の能天気なジャック。
ぜんぜん違う性格なのに、やっぱり、いい友達でいるのは、観ていて、いいなあと思う。
その関係が、映画自体の味わいに通じていて、心地よい。

旅先で、マイルスはウェイトレスをしているマヤ(ヴァージニア・マドセン)と、ジャックはワイナリーで働くステファニー(サンドラ・オー)と、それぞれ男女関係を進展させていく。(進展具合もまた、それぞれに違うのだけれども。)

ユーモラスな場面も多く、飽きずに観ることができた。
表面的には、どうってことない内容だが、ちょっとした人生の脇道にそれること(原題)をワイナリーへの旅になぞらえて見せている。脇道が本道になることもありそうだ。
自分で思っているほどダメじゃない、生きてりゃ、いいこともあるさ、きっと。

考えてみれば、希望をもたせた展開とともに、最後には、収まるところに収まっていきそうな話で、その点からすると、小市民的、保守的という気もしたのだった。
そこがまた、そのへんにいる身近なアメリカ人を描いているというので、受けているのかもしれない。よく分からないけども。

トーマス・ヘイデン・チャーチという俳優を、私は今まで知らなかったが、おもにテレビのほうで活躍している人のようだ。役柄にぴったりという印象で、4人の中では、いちばん印象的

ヴァージニア・マドセンは「ホット・スポット」(1990)くらいしか観ていないはずだが、なかなか、いい女になっております。

ほとんど主演4人のお話で、この4人が、いい混ざり具合(?)なのだ。アンサンブル演技賞をいくつか受賞しているが、まさに納得、である。

ラスト近くの、男が素っ裸で追いかけてくるシーンには、少しびっくりした。アメリカなどなら爆笑なのかも。このシーン、ボカシがないのは最近の傾向として評価するけど、日本では、まだまだ免疫ができていないかな。となりの女性が「わあ」と言ってた。(アップになってきたら、ボカされてたけどね…。いまさらボカすなよ!

六本木の映画館では、映画の内容に引っ掛けて、カリフォルニアワインを300円で販売しておりました。ワインの映画を見ながらワインを。しゃれてるね。
映画の中でマイルスは、メルロー種が嫌いだと言っていた。マリリン(・モンローさんです、もちろん)のワインがメルローなので、この説には、私は不満である!
アメリカでは、この映画のせいか、メルローは20パーセント、売上げが減ったという噂もある…。
そういえば、アメリカって、ワイン飲んで運転していいのか?

〔2005年3月5日(土) ヴァージンTOHOシネマズ 六本木ヒルズ〕


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