エターナル・サンシャイン

ETERNAL SUNSHINE OF THE SPOTLESS MIND
監督 ミシェル・ゴンドリー
出演 ジム・キャリー  ケイト・ウィンスレット  キルスティン・ダンスト  マーク・ラファロ  イライジャ・ウッド  トム・ウィルキンソン
原案 チャーリー・カウフマン  ミシェル・ゴンドリー  ピエール・ビスマス
脚本 チャーリー・カウフマン
撮影 エレン・クラス
音楽 ジョン・ブライオン
編集 ヴァルディス・オスカードゥティル
美術 ダン・リー
2004年 アメリカ作品 107分
ナショナル・ボード・オブ・レビュー…脚本賞
AFI(アメリカ映画協会)トップ10映画
ワシントンDC映画批評家協会賞…作品・監督・脚本・アンサンブル演技賞
サウスイースタン映画批評家協会賞…作品トップ10、第3位・脚本賞
サンディエゴ映画批評家協会賞…主演男優・編集賞
ダラス・フォートワース映画批評家協会賞…作品トップ10、第5位
オンライン批評家協会賞…作品・監督・主演女優・脚本・編集賞
トロント映画批評家協会賞…監督・脚本賞
フェニックス映画批評家協会賞…脚本・編集賞
ニューヨーク・オンライン映画批評家協会賞…脚本賞
フランダース国際映画祭…審査委員賞
ドーヴィル映画祭…観客賞
ヴィレッジ・ボイス映画批評家協会賞…脚本賞
ラスベガス映画批評家協会賞…トップ10、第2位・主演女優(対象作品は本作と「ネバーランド」の2本)・脚本賞
ユタ映画批評家協会賞…主演女優賞
ロンドン映画批評家協会賞…英国主演女優・脚本賞
英国アカデミー賞…脚本賞
アカデミー賞…脚本賞
サターン賞…SF作品賞
評価☆☆☆☆


主演2人の姿や言動の面影が、なにやら、ほんわかとしたイメージで心に残っている。
恋人たちの、いろんな時間や風景が、鮮やかな絵のように残る。
ジム・キャリーもケイト・ウィンスレットも、いいです。

ジム・キャリーを、私は「マスク」で知った。「バットマン フォーエヴァー」などの映画を観ても、同じようにエキセントリックなコメディアン系統だなあと思っていたら、そのうちに「トゥルーマン・ショー」や「マン・オン・ザ・ムーン」などといったシリアスな映画で好演を見せてきた。
今回も、普通の人(?)だ。そして、何かとても好感が持てるのだ。

ケイト・ウィンスレットについては、はじめから好きなのでノー・プロブレムなのだが、それを差し引いても、いい。「ネバーランド」のときの役よりも、数段好きだな。どこがどう好きかって、聞かないでください。そういうのは説明不要の、感覚の問題。私にとっては。というか、考えるのが面倒。というか、考える前に好きならそれでいいじゃない、と思う。

脚本を仕上げたのは、先日観た「アダプテーション」でも脚本を書いていたチャーリー・カウフマン。今度もまた、かなりブッ飛んだ話を作った。
人間の記憶をどうのこうのする、というのは、観ていてちょっと「マルコヴィッチの穴」を思わせた。あれもカウフマンの脚本で、脳みそ関係の話。

頭の中に舞台を持っていくと、記憶の引き出しを自由自在に開けて取り出して、自由自在に映像にして見せることができる。それが面白い。
奇妙な設定での、自由自在の、逃げる、追いかける、これが脚本の妙。

恋人同士が、お互いに対して小さな不満もたくさん持っている、というのがリアルでうまい。それでも、やっぱり好きなものは好きなんだ
その愛の力の前には、科学の力だって及ばずに、ひれ伏す。

たとえ、つらい記憶だって、持っていたほうがいい。それはもしかしたら、忘れたくない思い出になるかもしれないのだから。
それに、だいたい、記憶を操作しようなんてことはしないほうがいい。私は、それは人間に対する冒涜(ぼうとく)、科学の傲慢だと思う。
記憶除去チームの若いヤツらは仕事に対する態度が、いい加減。他人の家で大騒ぎして、いかにも軽薄。人間の記憶をいじろうとすることに対しての皮肉のようにも見えた。

素晴らしい主演2人を周りで支えるのは、キルスティン・ダンスト(「スパイダーマン」シリーズ)、マーク・ラファロ(「イン・ザ・カット」)、イライジャ・ウッド(ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ)、トム・ウィルキンソン(「イン・ザ・ベッドルーム」)という面々。

キルスティン・ダンストが関わるサイドストーリーの、メインストーリーへの絡み方も、巧い

原題は、劇中でキルスティンが語っているが、詩人アレクサンダー・ポープの「エロイーザからアベラールへ」(1717年)からの引用。
その一部は、

How happy is the blameless vestal's lot!
The world forgetting, by the world forgot.
Eternal sunshine of the spotless mind!
Each pray'r accepted, and each wish reign'd.

となっている。訳は難しいのでしません(苦笑)。どなたか、名訳をつけてくれると嬉しいです。
原題の部分だけなら、「無垢な心の永遠の日の光」という感じですよね。

〔2005年3月19日(土) 丸の内ピカデリー2〕


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