うーーーーーーーーーーーーん。
これは、やっぱり清順監督!というべきか。
この、面白ければいいや、見せ場を作って、あとは、でっちあげればいいのだ。という感覚。
見事な、ヌケ感。(これは脱力感と言い換えても。)
快作というより、やはり怪作。
徹底的なリアリズムの排除が、観る者の脳を直撃する!
点数をつけるなら、低いか、高いか、のどちらかしかない。平均点は取れない。そんな映画。
アジア産の、もはや世界的な売れっ子チャンちゃんを中国から引っ張ってきて、映画の「華」として祭り上げ、あとは好き勝手に作り放題。
清順おじいちゃんが、子どもに返って、自分の感覚、本能の命ずるままに作っちゃったよー。みたいな。
衣装やセット、果ては踊りまで、豪華絢爛でありながら、シュールで変だったりもする。
それが許されるのは、天下の清順おじいちゃんだから?
平幹二朗は、さすがシェークスピア役者やのう、と思わせる。シェークスピアタッチ(?)の大仰な芝居が「遊び」を引き立てる。
歌はバラエティに富んでいて、ハワイアン風から、これはクイーンかよ?と思うようなものまで。
チャンちゃん、日本語、頑張った。世界で活躍しようとする俳優ならば、言葉の問題の克服は必須なのだ。
ハリウッドにも進出済みだし、前途洋々。
でも、清順監督の映画に、よく出てくれたね!
そう、これで、いいんじゃない?
観客が唖然としたって、脱力したって、知るもんか。
この大いなる大人の学芸会を楽しめるなら、楽しんじゃえ。
狸に化かされたと思って、ぽかんとする映画なのかも?
まともな、真面目な、映画を観たい人には、決して勧めません。
追記。
◎みんなで踊っている場面で、パパイヤ鈴木は1人だけ自分風なダンスをしていた。
◎ぐるぐる回って、途上の暑さ寒さの急な変化を表現する、シュールな場の雰囲気といったら、観客は、どう反応していいやら…。
◎シュールといえば、由紀VS薬師丸の対決も、ヘンすぎて、意識が溶ろけそう…。
◎薬師丸嬢の無表情。立派な狸になってるよねえ?
◎山本太郎は何だったんだ。サイドストーリーにも外れてるような、関係なさが可愛い。
◎脚本を書いた浦沢義雄は、バラエティの放送作家を経て、「新ルパン三世」で脚本家デビュー。数々のアニメや特撮ドラマに関わっている。