バットマン ビギンズ

BATMAN BIGINS
監督 クリストファー・ノーラン
出演 クリスチャン・ベイル  マイケル・ケイン  ゲイリー・オールドマン  リーアム・ニーソン  ケイティ・ホームズ  キリアン・マーフィ  トム・ウィルキンソン  ルトガー・ハウアー  ライナス・ローチ  渡辺謙
原案 デビッド・S・ゴイヤー
脚本 クリストファー・ノーラン  デビッド・S・ゴイヤー
撮影 ウォーリー・フィスター
編集 リー・スミス
音楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード  ハンス・ジマー
2005年作品 140分
ハリウッド映画祭…録音賞
フェニックス映画批評家協会賞…スタント賞
セントラルオハイオ映画批評家協会賞…トップ10 第10位
アフリカンアメリカン映画批評家協会賞…トップ10 第9位
MTVムービーアワード…ヒーロー賞(クリスチャン・ベイル)
評価☆☆☆


タイトル通り、バットマンがどのようにして誕生するのか、を見せてくれる。

今回のバットマンは、クリスチャン・ベイル。
思えばバットマン役はマイケル・キートンからヴァル・キルマー、ジョージ・クルーニーと代わってきて、いったい誰が役にぴったりなのか分からない状態だった。
今回のベイル君、バットマンが生まれる前、修行中からのブルース・ウェインの役には、けっこう合っていたのではないでしょうか。
ふとしたショットで、ちょっとトム・クルーズみたいに見えるときがあって、相手役がトム・クルーズの婚約者ケイティ・ホームズなのが面白い偶然だった。

バットマンになっているときのセリフが低い声で格好いいんだよ、これが。
(とくに悪人に対して)得体の知れない恐怖の象徴バットマン、という本来あるべき「こうもり男」の存在感を思わせる。

日本人としては注目せざるをえない渡辺謙さん。でも出番は少なかった。造語を作って、しゃべっていて、リーアム・ニーソンが訳してました…。
謙とリーアムが教えるのは、ニンジャの技術もあり。バットマンったら、ニンジャ修行も経験してたんだねえ。

リーアム・ニーソンがクリスチャン・ベイルの剣の修業の相手をするのだが、どうもニーソンが剣を持つと、最近は「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」のジェダイ・マスターを思い出させるし、モーガン・フリーマンが出ると、最近観た「ミリオンダラー・ベイビー」のイメージが。父親役のライナス・ローチは「フォーガットン」だし。
それが、どうだということもないのだけど、売れっ子俳優がたくさん出てると、こういう、いろんな映画のイメージごちゃまぜ状態になってしまうってこと。

ケイティ・ホームズ、気になったのは、笑うと口角の右側が持ち上がって、笑顔が「いびつ」なんだよね、口の左右の対称が美しくない
ヒロインとしても、どうなのか。まだ子どもじゃん。

アクションについて。夜の場面のせいもあるのか、いったいどういう形の乱闘なのか分からない、見えないのである。これは面白くない。
暗がりでワケが分からないまま、やっつけられる悪人の不安感を出してみた、のだろうか。考えすぎか? でも、アクションが見えないのは、やはり面白くないと思う

今回、執事アルフレッドにはマイケル・ケイン。いかにも執事、で立派な貫禄あり。ありすぎ。
これまでの4作ではマイケル・ガフが演じたが、イメージ一新なんだろうね。ガフさんもお年(84歳くらい)だし…。

クライマックスの、ひとつのシーン。詳しくは書かないが、現実にあった事故を思い出させて、複雑な気分だった。そう思うのは日本人だけだろうけれど。いまさらながら、映画だから許せる表現なんだなあと思ったことでした。
劇場によっては、これこれこういう場面がありますが…という断り書きが表示されていたそうだ。

バットモービルのカーアクションには、単純に興奮した。ただ、追いかけるパトカーが次々クラッシュして、おいおい、正義の味方のはずなのに、これじゃ警官が死んじゃうよ…と不満に思っていたら、後でアルフレッド執事が、きちんと、お坊ちゃまに説教してくれた。
さすがは執事。フォロー万全。

ゴッサムシティでの敵が、ちょっとキャラ的に弱い気がした。まあ、チンピラだから仕方がないけど。&すでにバットマンスーツやバットモービルが、会社内でほとんど出来あがっていた、というのは出来すぎのような気がしないでもない。

音楽。ハンス・ジマーとジェームズ・ニュートン・ハワードという大物2人で担当しているのは、すごい。ともに1人で1本の映画音楽を余裕で担当できる実力者なのに、なんで2人でやってるんだろうか

エンドクレジットで、ゲイリー・オールドマンの名前があって、ええっ! 出てた? えーと、あれ、あの人か! と後で気づいた。
ゲイリーってば、あんな顔だったっけ…。気づかないなんて、まったくもって不覚。
もうひとり、お懐かし「ブレードランナー」のルトガー・ハウアーの名前もあって、こちらは、後で、えええっ! あの人が! と驚いた。あの人物がそうだったんだよ、言われても、そうだっけか?と思うばかりである。
予備知識なしに観る場合のマイナス点というか、オモシロ点というか…なんてこったい。ですね。

ラストで、そうか、第1作の「バットマン」に、こうしてつながるんだ〜、と思わせるのは、「輪っか」が、つながったようで、グッド。

リアルに、真面目に、作っています。この調子で、もういっちょ、新作を作ってほしいかも。




〔2005年6月19日(日) 丸の内ピカデリー1〕


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