泣いたよ。素晴らしいからじゃない。パドメが可哀想すぎるからさ。
エンドロールが流れてきて、ああ、これでもう、長かったシリーズが終わったんだなあと思ったからさ。
未見で楽しみにしている人は、この先を読まないほうがいいかもしれない。決定的なネタばれはしないが、どの程度をネタばれと取るかは人によって違うだろうから。
しかも、あまり、ほめないから。
(といっても、私がほめなくたって、そんなことは関係なし。自分の目で観て、自分が感じて、映画を判断すべきなのは当然のことだが。)
そうだ、分かっていたんだ。1977年の「スター・ウォーズ」(いわゆるエピソード4)に、きちんと物語の破綻なく続いていかなければならない宿命を背負った、この作品。
パドメがどうなるか、それも分かっていたことじゃないか。
でも、これはどうなの? 情けなさすぎる。エピソード1で、銃を持って自ら敵と戦った気概は、どこへ行った? おかしいよ。
愛するアナキンのために、そんなに骨抜きになってしまったのか?
本作でのパドメの扱いは疑問。エピソード4につなげるために、安易な設定に走ってしまったのではないのか。ジョージ・ルーカスは、CGなどのアイデアマンとしては抜群かもしれないが、脚本家としては、どうなのか。
悪に染まったアナキンについて行くことはできない。といって、アナキンを敵として見ることもできない。その苦しさは分かる。でも、だからってさあ…。
アナキンがダークサイドに落ちた瞬間は、あっけなかったが、そこまで持ちこたえていたものが一気に崩れてしまったと思えば納得はできる。
前作(エピソード2)では、私のナタリーと、いちゃついて気に入らないガキだったヘイデン君だが、本作ではよく頑張っていると思う。けっこう、かっこいいし。
好きな点をあげると…
パルパティーン議長のイアン・マクダーミド。影の主役ともいうべき存在は、本作では最も素晴らしいキャラクター。
ヨーダ。すべてCGで作ったキャラだが、ジェダイの長老らしく大活躍。
グリーバス将軍(これも、すべてCG)の4刀流に、びっくり。普段は、逃げが得意なのだが。
「スター・ウォーズ」流儀のCGアクションは、いくら精緻に、派手になっていっても、もはや新鮮な興奮は、ない。観ているぶんには面白く観るけど。
そこに情感がプラスされなければ、ただのゲームだ。最初の空中戦など、なんの情感もなく、しらーっと流れていく。
1978年に映画館で「スター・ウォーズ」を観たときの興奮は、どこへ行った?
2作目の「帝国の逆襲」を劇場の座席にそのまま座りつづけて3回観たような映画の面白さを感じる心は、どこへ行った?
こういう映画への慣れもあるのだろうが、楽しめない自分が寂しくもある。
追記。2回目の鑑賞では、初回よりも面白く観た。C-3POは、絶叫しながら大活躍だし。
ただし、パドメの扱いには納得しないよ。