この映画は子ども向けかな、と考えていたのだが、思ったより面白かった、という評をいくつか見かけて、では観てみようかなと映画館に足を運んだのであった。
三池監督の映画では「カタクリ家の幸福」(2001年)が面白かったので、そこだけは少し期待していた。
結果。楽しんで観ました。いわば、脱力系(力が抜けるような展開と笑いで進行する、というか…)の映画なので、映画に対する見かたが堅苦しい人には向きません。
それにですね、栗山千明さんと高橋真唯さんの、お色気! これは思いがけない収穫でござんした。
栗山さんは「キル・ビルVol.1」の、“ゴーゴー夕張”役が印象的な女優さん。本作では役名である“鳥刺し妖女アギ”ならぬ、“あゆ”(浜崎あゆみ)みたいなコスプレ・ミニスカ姿で、妖怪には見えないぞ。(笑)
エンドクレジットが出るまで、私は栗山さんとは知らなかった!
高橋さん。私は彼女を初めて知った。川姫という妖怪の役で、ふとももが…ふとももが! すっごくいいのだ! こんなんで膝枕されてて…男の憧れですね。
コスチュームが深く分かれていて、どこまで見せてくれるんだ、ふともも!
……失礼。とりみだしまして。
まあ、ヘンで面白いです。
敵が「帝都物語」の加藤保憲で、手下がコスプレ美女。作り出すのは「機怪」という、廃棄物と妖怪ミックスの怪物。
ゆるい笑いと、ときめく色気(?)と、さりげない主張が、確信犯的に表われる。
言葉として、はっきり主張されたのは、たとえば「復讐は人間の証し」とか「戦争は腹が減るだけ(by水木しげる御大)」とか。
主題歌が、忌野清志郎と井上陽水!
映画が始まる前に館内に曲が流れていたのだが、小さい豆と書いてアズキ…読めねえぜ コマメだろ♪ なんて歌詞に笑ってしまった。
映画では、このコマメ、いや、小豆を扱う、妖怪・小豆洗い(岡村隆史、すごい変装。…変装というか?)が、とても重要な存在になるのだった。
重要といっても、脱力的に笑えるオチに突入するわけなんだけどもさ。
ただ、神木くんの「真っ白なウソ」には感動した。あの場面、彼に、こう答えてほしいなあと思っていたら、そのとおりに答えた。泣けたよ。
大人になるって…何かを忘れてしまったこと? 悲しいね。