デンジャラス・ビューティー
MISS CONGENIALITY
監督 ドナルド・ぺトリー
出演 サンドラ・ブロック ベンジャミン・ブラット マイケル・ケイン キャンディス・バーゲン ウィリアム・シャトナー
2000年 アメリカ作品 110分
評価☆☆☆★
面白いのは保証してもいいわ。サンドラのスカッとさっぱりしてる、いいところがうまく出た映画ね。わたしもこの映画に出れてうれしいの。
え、言葉遣いが変? わたしはビクター・メリング。映画では、サンドラ演じるグレイシー・ハート(女らしい名前よね。皮肉だわ)が女性らしくなるための指導をしたの。ミスコン優勝者を何人もわたしの手で生んだのよ。
BJ さんが、ヒマがないから代わりに書いてくれっていうので、いま、書いてるわけ。BJ
さんの感想は聞いてあるから、まあ、代書屋(古いわね)みたいなもの? わたしの意見も書くけど。
まず開巻から快調ね。グレイシーのこども時代。黒縁メガネをかけてる女のコ。彼女は男のコがいじめられてるのを助けちゃう。で、男のコのこと好きだから助けたの、なんて言うと、男のコは彼女のこと好きじゃないって言うの。そしたらグレイシーはそのコにも必殺パンチ!
ケンカには強いけど男のコにはもてない。そういう感じのこども時代ってことが一気に分かっちゃうわけ。そして黒縁メガネのアップから、うん十年後に飛んで、同じく黒縁メガネのアップ。今度は現在のグレイシーの話になるわけね。
彼女はFBIで働いてるの。ミス・アメリカ・コンテストに爆破魔が何か仕掛けるんじゃないかってことで、どこをどうすればそうなるのって感じだけど、彼女が州のミス代表に変装して、潜入捜査をすることになっちゃうのね。わたしに言わせれば、もっと綺麗な人いないの! って思ったわよ。
ものを食べるときも大口開けてバクバク、口に食べ物を入れながらベラベラしゃべるしで、女のたしなみなんか、ひとっかけらもないんだから。笑えば鼻をブヒブヒ言わせるし、まったく。
でも、わたしもプロだから、見事に変身させてみせたわ。少なくとも外見は。
でも、さっぱりとした、フレンドリーな性格が彼女のチャームポイントね。
ミスコンに出る女なんて何よ、と思っていたグレイシーも、だんだん他のミス代表たちと仲良くなっていくし、最後には、みんなから「ミス好感度」、これは原題ね、を贈られるくらいになっちゃうんだから。
サンドラのコメディエンヌぶりも楽しいし、決してオーバーにやりすぎて嫌味になってもいない。ほんと、これは彼女にぴったりの映画になったと思うの。
共演者にキャンディス・バーゲンがいるわね。元ミスコンという役柄にふさわしい美人よね。懐かしかったわ。まだ50代のはずだから、どんどん活躍してほしいわね。
ウィリアム・シャトナー、このとき70歳近くかしら。スター・トレックのカーク艦長さん。映画でミスコンの司会をやったと思ったら、そのあと、ほんとのミスコンも司会してたらしいわね。いったい、なんなのかしら。
ベンジャミン・ブラット。わたしはちょっといい男ね、と思ったんだけど、向こうは避けてたみたいだわ。残念。
そしてマイケル・ケイン。これがわたしね。とってもダンディな男。彼はコメディ映画だと知って、即出演OKだったみたい。それまでシリアスな役が多かったからって。最近の彼は充実してるわね。もう名優の域に入ってるわ。
でもね、わたしの役、オカマというまでは行かないと思うの。日本語にすると、完璧そうなっちゃう気味だけど。あれほどじゃないわよ。いまも、日本語で感じを出すために、こんなふうになっちゃてるけどね。グレイシーも言ってたけど、ただ、女性より女性っぽいだけなの。上品で優雅な役よ。
知ってる人がいたら教えてほしいんだけど、英語の言葉で、こういう言葉を使うとオカマだ、っていうものがあるのかしら。そういうのはなくて、仕草や雰囲気だけから分かるのかしら。
日本語にすると言葉ではっきりオカマだって分かるけど、英語は誰がしゃべってもおんなじじゃない?
まあ、わたしもベラベラしゃべったけど、とにかく、言いたかったのは、すっきり爽やかに楽しめる映画だ、ってこと。つまんないなんて文句言ったら、グレイシーにパンチやキックをもらうから覚悟しときなさいよ!
〔2001年7月1日(日) ワーナー・マイカル・シネマズ 板橋〕