私の頭の中の消しゴム

脚本・脚本 イ・ジェハン
出演 チョン・ウソン  ソン・イェジン
撮影 イ・ジュンギュ
2004年 韓国作品 117分
評価☆☆☆


きれいな人だな〜と思った。少し、ふっくら顔の美人。人気があるのも当たり前か。

予告編を観てウルウルしてしまい、少し気になっていた韓国映画。
ネタばれというより、みんなが知っている「あらすじ」として書かせてもらうが…幸せなカップルがいて、しかし女性のほうが若年性アルツハイマー病になってしまう。
アルツハイマーとは、記憶をなくしていく病気。
とくれば、泣けるのは目に見えているよね。直球ど真ん中だよね。

難病ものと思っていたので、2人が知り合ってから結婚するまでの話が、予想外に長かった。それは、いい意味で裏切られた感じ。
出会いのシチュエーションは、わりと面白く考えてある。コーラ(飲料です)が重要な小道具なのだ。私は個人的にはコーラを飲まないので、「へえー、コーラなんて買うんだ?」と思いながら観ていた。それは余談だが。

2人が会ったコンビニは、ラストでも登場してくる。もしも実際にあるコンビニなら、この映画で有名なスポットになりそうな気がするが…どうなんだろう。

観ていて思い出したのは、ジュディ・デンチとジム・ブロードベント、ケイト・ウィンスレットが主演した「アイリス」(2001年)。
アイリス・マードックという作家の実話で、彼女のほうは、年をとってから病気になっていた点が「私の頭の中の消しゴム」と違うのだが、アルツハイマー病と対峙する夫婦を描いたところは同じ。

韓国製の本作は、とてもフレッシュだ。主演2人がフレッシュだから当然なのだが、美男美女の悲恋物という王道で、まっすぐに押していて、好感は持てる。
信じたくないような難病にかかってしまった彼女の思い、愛する人が難病になってしまった彼の思い。
お互いを思いやる気持ちの優しさ、温かさ。それを感じて、こちらの心も温かくしたい。

泣き通しかと思ったが、3回くらいの「泣き」で済んでしまったのが、自分で意外だったけれど…。
館内は、すすり泣きの声で、いっぱい。
ご都合主義の展開もあって、ベタな純愛路線だが、それもいいじゃないの!

発症してからの労苦を、それほど出していないので、サラリとしすぎているかもしれない。
きれいすぎ、ヒネリがなさすぎのストレートさが、私には多少、物足りない気もする。
深〜い苦悩とか、やりきれなさを、もう少し、しつこく表現しても、よかったのではないか。単なる個人的な意見だが。

もうひとつ。ケンカ(というか、一方的に殴るんだけど)の場面、やりすぎじゃないかなあ。以前に観た「殺人の追憶」という韓国映画でも、暴力がすごかったのだが、韓国って、感情の爆発が激しすぎるように思えてしまう。





〔2005年11月13日(日) 池袋シネマサンシャイン〕


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