これは面白かった。ハリポタシリーズを3本連続で観て、2本目の「秘密の部屋」では疲れて寝そうになったが、3本目では立ち直った。(笑)
監督がクリス・コロンバスからアルフォンソ・キュアロン(メキシコ出身。監督作に「天国の口、終りの楽園。」などがある)に代わって、やはり映画の色合いが変わった。
学校へ行く汽車の旅も、いままでのイメージと違って雨の中で、ミステリアスな空気がある。
アズカバンの看守である吸魂鬼ディメンターが不気味で、こういう雰囲気は大好き。
ロンドンの街を爆走(!)する、普通の人には見えない「夜の騎士バス」、死神犬グリム、馬と鷲が混ざったような生き物であるヒッポグリフのバックビーク、狼男などのキャラクターは、いかにもファンタジーの世界にふさわしい。
バックビークの背に乗っての飛翔の場面は爽快だった。
忍びの地図、怪物的な怪物の本、逆転時計といったアイテムも楽しい。
登場人物としては、ルーピン先生役のデヴィッド・シューリスがいいし、エマ・トンプソンが演じる占いの先生トレローニーも傑作。
だが、やっぱり、ゲイリー・オールドマンのシリウス・ブラックに注目しないではいられない!
オールドマンといえば、「レオン」でのヤク中プッツン切れ切れの捜査官が印象的だが、他にも「ドラキュラ」「蜘蛛女」「ハンニバル」「バットマン
ビギンズ」などに出演、独特の存在感がある。観ていて面白い、ユニークな俳優なのだ。
今回の物語は、ハリーたちの、ホグワーツ魔法魔術学校での3年目になる。
極悪な囚人シリウス・ブラックが、アズカバン監獄から脱走した。ブラックは、ハリーの宿敵ヴォルデモートがハリーの両親を殺す手助けをしたと噂される男だ。今度はハリーの命を狙っての脱獄だという。
ディメンターが学校の周囲を見張る重苦しい空気の中、ブラックの魔の手が迫る…。
ゲイリー・オールドマンのシリウス・ブラックが実際に登場してくるのは、中盤以降だが、そこからの話も面白い。
ハリーたち3人組に、ルーピン先生、スネイプ先生(アラン・リックマン)、シリウス・ブラック、ディメンターに加えて、もうひとり、重要な人物も登場してくる。
終盤に、ハーマイオニの活躍があるのも嬉しい。時間をテーマにした見せ場は、うまく伏線が張られている。
前の2作で校長役だったリチャード・ハリスが亡くなり、マイケル・ガンボンに代わったが、吹替版での声は以前と同じだったので、あまり俳優の違いを意識することはなかった。
役としては同じなのだから、俳優が代わったのに気づかなくても構わないのかもしれないが、それも少し寂しいことだな、と思ったことだった。