ハリー・ポッターとアズカバンの囚人

HARRY POTTER AND THE PRISONER OF AZKABAN
監督 アルフォンソ・キュアロン
出演 ダニエル・ラドクリフ  ルパート・グリント  エマ・ワトソン  デヴィッド・シューリス  ゲイリー・オールドマン  マイケル・ガンボン  エマ・トンプソン  マギー・スミス  アラン・リックマン  ロビー・コルトレーン  トム・フェルトン  ジェイソン・アイザックス  ティモシー・スポール  フィオナ・ショウ
原作 J・K・ローリング
脚本 スティーヴ・クローヴス
撮影 マイケル・セレシン
編集 スティーヴン・ワイズバーグ
音楽 ジョン・ウィリアムズ
2004年 アメリカ作品 142分
評価☆☆☆★


これは面白かった。ハリポタシリーズを3本連続で観て、2本目の「秘密の部屋」では疲れて寝そうになったが、3本目では立ち直った。(笑)
監督がクリス・コロンバスからアルフォンソ・キュアロン(メキシコ出身。監督作に「天国の口、終りの楽園。」などがある)に代わって、やはり映画の色合いが変わった
学校へ行く汽車の旅も、いままでのイメージと違って雨の中で、ミステリアスな空気がある。
アズカバンの看守である吸魂鬼ディメンターが不気味で、こういう雰囲気は大好き。

ロンドンの街を爆走(!)する、普通の人には見えない「夜の騎士バス」、死神犬グリム、馬と鷲が混ざったような生き物であるヒッポグリフのバックビーク、狼男などのキャラクターは、いかにもファンタジーの世界にふさわしい
バックビークの背に乗っての飛翔の場面は爽快だった。
忍びの地図、怪物的な怪物の本、逆転時計といったアイテムも楽しい。

登場人物としては、ルーピン先生役のデヴィッド・シューリスがいいし、エマ・トンプソンが演じる占いの先生トレローニーも傑作。
だが、やっぱり、ゲイリー・オールドマンのシリウス・ブラックに注目しないではいられない!
オールドマンといえば、「レオン」でのヤク中プッツン切れ切れの捜査官が印象的だが、他にも「ドラキュラ」「蜘蛛女」「ハンニバル」「バットマン ビギンズ」などに出演、独特の存在感がある。観ていて面白い、ユニークな俳優なのだ。

今回の物語は、ハリーたちの、ホグワーツ魔法魔術学校での3年目になる。
極悪な囚人シリウス・ブラックが、アズカバン監獄から脱走した。ブラックは、ハリーの宿敵ヴォルデモートがハリーの両親を殺す手助けをしたと噂される男だ。今度はハリーの命を狙っての脱獄だという。
ディメンターが学校の周囲を見張る重苦しい空気の中、ブラックの魔の手が迫る…。

ゲイリー・オールドマンのシリウス・ブラックが実際に登場してくるのは、中盤以降だが、そこからの話も面白い。
ハリーたち3人組に、ルーピン先生、スネイプ先生(アラン・リックマン)、シリウス・ブラック、ディメンターに加えて、もうひとり、重要な人物も登場してくる。
終盤に、ハーマイオニの活躍があるのも嬉しい。時間をテーマにした見せ場は、うまく伏線が張られている。

前の2作で校長役だったリチャード・ハリスが亡くなり、マイケル・ガンボンに代わったが、吹替版での声は以前と同じだったので、あまり俳優の違いを意識することはなかった。
役としては同じなのだから、俳優が代わったのに気づかなくても構わないのかもしれないが、それも少し寂しいことだな、と思ったことだった。




〔2005年11月23日(水) ヴァージンTOHOシネマズ 六本木ヒルズ〕


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