ウォーク・ザ・ライン 君につづく道

WALK THE LINE
監督 ジェームズ・マンゴールド
出演 ホアキン・フェニックス  リース・ウィザースプーン  ジニファー・グッドウィン  ロバート・パトリック  ダラス・ロバーツ  シェルビー・リン
原作 ジョニー・キャッシュ
脚本 ギル・デニス  ジェームズ・マンゴールド
撮影 フェドン・パパマイケル
編集 マイケル・マカスカー
音楽 T-ボーン・バーネット
2005年 アメリカ作品 136分
ハリウッド映画祭…主演男優賞
ボストン映画批評家協会賞…主演女優賞
ナショナル・ボード・オブ・レビュー…トップ10
ワシントンDC映画批評家協会賞…主演女優賞
ニューヨーク映画批評家協会賞…主演女優賞
サンフランシスコ映画批評家協会賞…主演女優賞
サテライト賞…作品・主演女優(ともに、ミュージカル/コメディ部門)賞
サウスイースタン映画批評家協会賞…トップ10第10位
ラスベガス映画批評家協会賞…トップ10第10位・主演女優賞
フェニックス映画批評家協会賞…トップ10・既存曲賞
ユタ映画批評家協会賞…主演女優賞
アフリカン・アメリカン映画批評家協会賞…トップ10第6位
フロリダ映画批評家協会賞…主演女優賞
カンザスシティ映画批評家協会賞…主演女優賞
全米映画批評家協会賞…主演女優賞
ブロードキャスト映画批評家協会賞…主演女優・サウンドトラック賞
シネマラティ賞…主演男優賞第10位
ゴールデングローブ賞…作品・主演男優・主演女優賞(すべて、ミュージカル/コメディ部門)
オンライン映画批評家協会賞…主演女優賞
全米映画俳優組合賞…主演女優賞
全米美術監督組合賞…コンテンポラリー美術賞
オンライン映画&テレビ協会賞…主演女優・既存曲賞
全米編集者組合賞…編集賞(コメディ/ミュージカル部門)
英国アカデミー賞…主演女優・録音賞
全米録音監督組合賞…録音賞
パブリシスト賞
全米音響効果組合賞…音響効果賞(ミュージカル/コメディ部門)
評価☆☆☆


ゴールデングローブ賞のミュージカル/コメディ部門で、作品・主演男優・主演女優賞を獲得した作品。アカデミー賞でも主演男優・主演女優賞など5部門にノミネートされている。

映画は、カントリーといっていいのか、ロックといっていいのか、よく知らないけれど、歌手のジョニー・キャッシュの半生を描いたもの。

ジョニー・キャッシュを演じたホアキン・フェニックスの歌! これが上手!
キャッシュの歌は聴いたことがない(映画を観ていて、知っている曲は1曲だけだった)ので、似ているのかどうかは分からない。でも、低い音域も充分に出ていたりして、感服するような出来なのだ。
ジョニー・キャッシュに独特のギターの持ち方も格好よく決まっていた。

相手役のリース・ウィザースプーンも歌う! こちらも見事な歌唱を聞かせる。
この2人、半年ほど歌の練習をしたらしいが、それでも、ここまで上手いとは思わなかった。

ただ、物語としては、貧しい生活から、歌手になるチャンスをつかみ、売れてくると、つい、覚せい剤に手を出し、苦しみ…という、おなじみのパターン。
どうして、大物の歌手って、誰も彼も、ヤクに溺れるのかねえ。(え、そうでもないですか?)
正直に言って、途中で飽きた部分もあった。
ジョニー・キャッシュ好きだったら、もっと楽しめたかな。(このパターンは、去年の「Ray/レイ」と同じようだ。)
主演2人の圧倒的な歌唱力以外には、ありふれた話で、格別に面白いとは言えないのではないだろうか。

アメリカが、この映画に賞をあげるのは、歌の凄さもあるだろうが、ジョニー・キャッシュという人物に対する尊敬の気持ちも、大いにありそうな気がしてしまった。

ジョニー・キャッシュの父親の役に、ロバート・パトリック。この人を見ると、「ターミネーター2」の冷酷な殺人マシーンを思い出す。
いかにも冷たいお父さんなんじゃないか、という先入観が起きてしまうのだった。(実際、厳しい!)

監督のジェームズ・マンゴールド。彼の監督作では「17歳のカルテ」と「ニューヨークの恋人」が記憶にある。シリアスなドラマ、コメディ、そして今度は伝記の音楽もの、と幅広いですね。
そつなく、まとめている感じはする。

ウォーク・ザ・ラインというのは、昼間から酒浸りでいるキャッシュに向かって、リース演じるジューン・カーターが言うセリフの中にある。
まっすぐ歩く、という意味で、“I Walk the Line”という歌も歌われる。

ホアキン・フェニックスの演技は素晴らしいと思う。アカデミー賞を取っても、なんの文句もない。
(でも、とるのは、下馬評からするとフィリップ・シーモア・ホフマンかも。)




〔2006年3月4日(土) テアトルタイムズスクエア〕


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