シャドウ・オブ・ヴァンパイア

SHADOW OF THE VAMPIRE
監督 E・エリアス・マーハイジ
出演 ウィレム・デフォー  ジョン・マルコヴィッチ  ウド・キアー  キャサリン・マコーマック  エディ・イザード  ケアリー・エルウェス
脚本 スティーブン・カッツ
製作 二コラス・ケイジ  ジェフ・レヴァイン
2000年 アメリカ作品 93分
評価 ☆☆☆★
ロサンゼルス批評家協会賞…助演男優賞受賞(ウィレム・デフォー)
インデペンデント・スピリット賞…助演男優賞受賞(ウィレム・デフォー)  

1922年に作られたF・W・ムルナウ監督の「吸血鬼ノスフェラトゥ」は、サイレント映画だが、吸血鬼映画の古典的名作とされている。その主演俳優であるマックス・シュレックが実は、本当に吸血鬼だった、という大胆な発想から生まれた映画が本作。

映画のプロデューサー役に、「悪魔のはらわた」などで昔からただものではなかった印象のあるウド・キアーが出ているのは、観てから知った。
シュレック役にウィレム・デフォー、ムルナウ役にジョン・マルコヴィッチ、と曲者が3人揃ったら、いったいどうなることやら。
それに、ヒロインが、「娼婦ベロニカ」で好演を見せたキャサリン・マコーマックなのだ!
二コラス・ケイジが製作(つまりカネをだした)というのも面白い。そんなことしてるんだね。

ウィレム・デフォーの、なりきり吸血鬼ぶりは、さすがのマルコヴィッチもかすんで見えるほどだった。
クリストファー・リーが演じたドラキュラのイメージではない。あくまでノスフェラトゥなのだ。
メイクの技もあるが、最高に似合ってるぞ! デフォー・ノスフェラトゥ!
初登場シーンの不気味さ。闇に白く浮かび上がる、つるっぱげ頭と顔と爪の伸びた手。

シュレックはヒロインの血を吸うことを条件に映画に出演している。監督ムルナウは、その条件をのんだ罪の意識によって麻薬に走ったりする。
そして、映画の撮影は、クライマックス、シュレックがヒロインを襲うシーンへとなだれ込んでいく…

とにかく、ウィレム・デフォーは一見の価値あり。奇怪さとユーモアをうまくブレンドして、生き生きと楽しそうな演技を見せる。
キャサリン・マコーマックは、あんまり出番がないし、昔の女優さん役なので独特のメイクで、素顔がはっきりしなかったりで、ちょっと残念かな。

主演俳優がほんとに吸血鬼だった、というワン・アイデアと、デフォーの怪演で引っ張った一作。

関係ないけど、渋谷のシネ・アミューズ、冷房、寒いぞ!!

                     〔2001年8月19日(日) 渋谷シネ・アミューズ〕
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