ダ・ヴィンチ・コード

THE DA VINCI CODE
監督 ロン・ハワード
出演 トム・ハンクス オドレイ・トトゥ  イアン・マッケラン  ポール・ベタニー  ジャン・レノ  アルフレッド・モリーナ
原作 ダン・ブラウン
脚本 アキヴァ・ゴールズマン
撮影 サルバトーレ・トチノ
編集 ダニエル・P・ヘンリー  マイク・ヒル
音楽 ハンス・ジマー
2006年 アメリカ作品 149分
評価☆☆☆


まずまず、楽しめた。
ただ、原作を読んでいないせいか、あとから考えると、あれは、どういうことになっているのだろう、と、いくつか疑問が残る。説明不足なのか、こちらの頭が悪いのか。それとも、あとで本を買って確かめろ、と、映画と原作者の陰謀に、まんまと乗せられているのかも!(笑)
実際、原作も読んでみようとは思っていたが、映画で分からないところがあったせいで、なおさら、読もうというつもりになっている。
映画は映画の中だけで、話を分からせるべきだと思うが、原作にボリュームがあって、うまく消化しきれていないのだろうか。
よく分からないのはキリスト教の知識に関わる部分だけではないので、やはり、それがすっきりと理解できないというのは、映画としては、よくないところではないか。

ラングドン(トム・ハンクス)の友人リー(イアン・マッケラン)の家で、ソフィー(オドレイ・トトゥ)、ラングドンとリーの3人でキリスト教に関する話をする場面では、私がキリスト教におなじみではないこともあって、話についていくのが大変
この場面、どんどん会話が進むから、ここで必死に食らいついていかないと、映画についていけなくなる可能性も?

物語は、ルーブル美術館の館長が殺され、彼は自らの身体を使ってメッセージを残す。学者のラングドンが警察に協力を求められ、暗号解読係のソフィーとともに事件に巻き込まれていく…という話。

公開初日、3時頃に東京・有楽町の日劇に行ったら、次の回は満席ということで、観たのは6時台の最終回、しかも、かなり前列の席になってしまった。
ものすごい人気。大ヒット間違いなしだね、こりゃ。
私自身は、それほど興味があったわけではなく、原作を読む前に観ておこうかな、という気分だったのではあるが。
原作を読んだあとに映画を観ると、原作にあったエピソードが映画にはない、などというふうに、たいてい不満が残る。だから、私の場合は映画を先に観て、原作を後で読む、というパターンが多い。

2000年の時を隔てた歴史の謎、というミステリーは魅力的で、わくわくさせてくれるところもある。
一方で、割合と、あっさり謎が解けていく印象もある。それは時間の限られる映画では、仕方がないのだろう。
そんななかで、注目は、殺人マシンと化しているかのようなシラス(ポール・ベタニー)。
自分の信じる教義のためなら何でもするに違いない、狂信的な心に捕われてしまったともいえる男。
彼の過去については、ほんの数秒しか描かれなかったので、これもかなり推測するしかなく、原作では、どう書かれているのかが気になる。
色素欠乏症らしいが、映画では何の説明もないので、どうしてあんなに白いんだろう?くらいにしか思っていない人も多かったのではなかろうか。
ちなみに、私はその気はないが、ポール・ベタニーの後ろ姿のヌードは、引き締まっていて、なかなか良いのでは? そこも見どころかも?
印象的な役だったと思う。

それに、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのガンダルフ役で有名になったイアン・マッケラン。やはり上手い。今回は多少、こずるい曲者(くせもの)感も、うかがわせて、余裕しゃくしゃく、場を仕切ってるね。
ラングドンとソフィーを自宅に招待するときに、お遊びで紅茶に関する3つの質問をするところなんて、いかにも洒落(しゃれ)者。
トム・ハンクス、彼に遊ばれているかのよう。
トムくんとオドレイ・トトゥは可もなく不可もなく、というところか。原作を読んでいないから、イメージと違うよ〜、などという先入観はないので。
原作によると、トムくんの役はハリソン・フォード似らしいから、映画は全く違うわけだ。
オドレイちゃんも、がんばっているけれど、できたら、もう少しビッグネームの女優をもってきたら、映画の力としては上がったのかもしれないな、とは思う。昔だったら、グレース・ケリーとかイングリッド・バーグマンあたりで観たい。(…となると、相手役はケーリー・グラントやジェームズ・スチュアートか! おまけに監督はヒッチコック?)

映画は、最後のほうで、長く感じた。決着がついたのかなと思ったところから、まだ、もう少しある。それが終わると、短いけれど、おまけに、もう少しある。
2時間半もあるなんて知らなかったよ!




〔2006年5月20日(土) 日劇1〕


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