ドリヴン

DRIVEN
監督 レニー・ハーリン
出演 シルベスター・スタローン  キップ・パルデュー  ティル・シュワイガー  バート・レイノルズ  エステラ・ウォーレン  ジーナ・ガーション  クリスチャン・デ・ラ・フュエンテ 
2001年 アメリカ作品 117分
ゴールデンラズベリー賞…ワースト助演女優賞(エステラ・ウォーレン、対象作品は他に「猿の惑星」)受賞
評価☆☆☆   
あっははは…! んなわけあるかい! フォーミュラ・カーで街の中を走ってるぞ…そんな無茶苦茶なー。

付き合ってる彼女ソフィー(エステラ・ウォーレン)と、彼女の元カレのボー(ティル・シュワイガー)との三角関係のもつれから、ジミー(キップ・パルデュー)がかっとなり、そばにあった車に乗って街に飛び出したのだ。これを止めねばならじ!と同じくフォーミュラ・カーに乗って追いかけるジョー(シルベスター・スタローン)。
おおっ、多くの登場人物が一気に紹介できてしまったぞ!

それにしても、これ、絶対に事故を起こすと思うよ。公道だよ、一般の車がいっぱい、人もいっぱい。痛快な見せ場として作ったシーンなのは分かるが、あまりの傍若無人さに、開いた口があきっぱなしだ。映画のなかでしかできないことだから面白いとも言えるけれど。
ジョーによれば、ジミーは、わざと事件を起こして免停になろうと思ったんだろう、と言っていたなあ。

さて、どんな裁きが?と観ているうちに、場面は次のレース場へ。あれあれ?と思っていたら、罰金払っただけで終わったんだと。こけました。思いっきり、すっころんだ気分。そんなんで済むわきゃないだろーが! おお甘、おおざっぱ、てきとーな脚本、素晴らしいです!

この映画で描かれるレースは、いわゆるF1ではなく、CART(カート)と呼ばれるレース。CARTとは、Championship Auto Racing Teams Inc(チャンピオンシップ・オート・レーシング株式会社) の略ということだ。
コースは主に楕円形で、周回で競う。観客席からレースのすべてが見渡せるというのは、観客にとっては楽しいだろう。日本には、「ツインリンクもてぎ」という会場がある。映画では、日本ロケもちゃんとしていて、会場では屋台とか、渋谷?では、漢字のネオンの風景のような、外国人にとって珍しそうなものを映していた。(漢字のネオンといえば「ブレードランナー」の強力わかもとですよね。)

日本のシーンの最初は、室内プールでのジミーとソフィー。プールだけでは日本だと分からないと思ったのか、でっかい日本の旗が室内に下がってるんだ。そんなプール、日本にはないってーの。
ここで、高校でシンクロをやっていたというエステラ・ウォーレンが、その技を披露してくれる。サービス、サービス

あひる口が魅力のジーナ・ガーション、「バウンド」のときみたいな、ばしっとした主役、また観たいよ。今回もワキだもんなあ。
ティル・シュワイガーって、ドイツの人らしいが、ふだんのクールさのなかにも、振られて弱ってるところも見せたりする演技で、いちばん好感を持てた。

カーレースの映画では、スティーブ・マックィーンの「栄光のル・マン」が好きだったが、技術の進歩した今、「ドリヴン」は、ことレースシーンだけに関して言えば、迫力いっぱいに、能天気に楽しめる映画になった。

                 〔2001年8月20日(月) ワーナー・マイカル・シネマズ 大井〕

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