オーメン(2006年)

監督 ジョン・ムーア
出演 リーヴ・シュレイバー  ジュリア・スタイルズ  ミア・ファロー  シーマス・デイヴィ=フィッツパトリック  デヴィッド・シューリス  ピート・ポスルスウェイト  マイケル・ガンボン
脚本 デヴィッド・セルツァー
撮影 ジョナサン・セラ
編集 ダン・ジマーマン
音楽 マルコ・ベルトラミ
2006年 アメリカ作品 108分
評価☆☆☆


あの、歴史に残るホラー映画「オーメン」のリメイク。
なんとまあ、ほとんど前作と同じらしい。
私は前作を観てはいるが、ずーいぶんと昔のことなので、あまり覚えていなかった。
今回リメイク作を観ていて、ああ、そうだ、こういう話の展開だったっけ、と思い出しながら観ていたのだ。
うちへ帰ってきて、ネットでいろんな評を見ると、ほとんどオリジナルと同じだ、という話になっている。
まあ、私の場合、前作を忘れていたので、わりと楽しんで観ていたけれど。
過去の名作を、どんなふうに再現したのか、をニヤニヤしながら観ればいいのではないでしょうか。

オリジナルでのジェリー・ゴールドスミス作曲の、有名な「Ave Satani」(アヴェ・サターニ)は、エンドロールに、ほんのさわりだけ流れる。これは、ちょっと残念。
話がオリジナルと同じなら、曲も同じにしてくれてもいいのに!
あの名曲は、できれば、たっぷりと味わって聴きたかったなあ。

このリメイク版で、いちばんよかったのは、乳母を演じたミア・ファロー!
悪魔の手先として、ダミアンを守るために、乳母として、一家の中に入ってくるわけだが、いやー、アヤシイ。
キレイかつアヤシイ。
彼女はロマン・ポランスキー監督の名作オカルト映画「ローズマリーの赤ちゃん」(1968年)に出ていて、恐怖ものには、ぴったりの人選とも言えるし、この役には合っていたね! クリーンヒットな配役だった。

ところで、肝心のダミアンの両親。これが、いまいち地味なのだ。
父親のリーヴ・シュライバー…? どこかで見たような顔なのだが、知らないなー。
ちょっと以前なら、サム・ニールあたりが代わりに演ってもよさそうな地味さ。
ジュリア・スタイルズは、お母さんとしては、ちょっと若いんじゃないの?という感じ。微妙に可愛くないし…。
2人とも、主役としては、少し大物感が足りない。
かえって、脇を固める、カメラマンのデヴィッド・シューリス、神父ピート・ポスルスウェイト、マイケル・ガンボンのほうが大物だ。
ダミアン役のシーマス君はといえば、いつも機嫌が悪い子ども、みたいで、たいしたことない。

自分の子が悪魔の子ではないか、ということを、父親があまりにも信じようとしないのが、とても歯がゆい。
神父に忠告されても、自分の妻があの子は変だと言っても、写真に奇妙な線が写っていても、妻が死ぬような目に遭っても、彼は半信半疑なのか、はっきりした行動を取らない。
常識的すぎて、超自然的な出来事を信じない人なのかもしれないが、あれでは奥さんが可哀想すぎる。
大使のように、へんに社会的地位のある人だと、人目も気になって、うっかりと軽薄に見えそうな行動はできないのだろうか。
オリジナルのグレゴリー・ペックも、そうだったわけだよね…?

ジュリア・スタイルズが演じた役にはレイチェル・ワイズが候補になっていたらしい。でも、彼女は妊娠によって、出演がダメになった。ローラ・リニーやホープ・デイビスも名前があがっていたようだ。

また、オリジナルでダミアンを演じたハーベイ・スティーブンスが、タブロイド紙の記者の役で出演している。そういえば記者が数人いたけれど、どの人なのかな。大人になった顔を見て、分かるだろうか?

「666」のマークは悪魔の子の印。たとえば平成6年6月6日生まれの人には迷惑な話だろうね。
7が並ぶとラッキーだけど、6が並ぶとアンラッキー?
本作の公開記念イベントは、六本木6丁目の映画館「ヴァージンTOHOシネマズ六本木ヒルズ」で、2006年6月6日6時66分(19時06分)にスタートした。凝りますねえ。
日本では土曜日や祝日が公開初日になるのが普通だが、この映画は、6月6日の火曜日から公開された。

オリジナルと一緒のリメイクをして、ということは「オーメン2」以降も作る気なのだろうか。あとは観ないぞ。少なくとも映画館では。
第1作目はオリジナルに敬意を表して、観たけど。




〔2006年6月17日(土) スバル座〕


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