イルマーレ

THE LAKE HOUSE
監督 アレハンドロ・アグレスティ
出演 サンドラ・ブロック  キアヌ・リーヴス  ショーレー・アグダシュルー  クリストファー・プラマー  ディラン・ウォルシュ リン・コリンズ  ヴィレケ・ファン・アメローイ  エヴォン・モス=バカラック
脚本 デヴィッド・オーバーン
撮影 アラー・キヴィロ
音楽 レイチェル・ポートマン
編集 アレハンドロ・ブロデルソン  リンジー・クリングマン
2006年 アメリカ作品 98分
評価☆☆☆★



2006年に生きる女性と、2004年に生きる男性のラブストーリー。
とても心地よく見させていただきました。
素敵なお話でした。

生きている時間が2年ずれている、という世界。絶対にない、とは言い切れないのではないでしょうか。知ることができない世界とは、つまり、ないとは証明できないわけだし。
そこを、つないでみたアイデアが面白いのだけど、この映画での出来事を論理的に考えると、おかしいんじゃないの?というところは、いろいろ出てくる。考えてもムダだろうから、そういうことは詮索しないようにしましょう。

サンドラ・ブロック、最近は「クラッシュ」で、ちらっとお目にかかったくらいで、久々に主演作を観たけれど、とても、よかったです。40歳を少し越えたところで、大人の女の魅力があった。ちなみに、キアヌ・リーヴスも同い年。大人の恋。見習わなくちゃ。(どのへんを?)

手紙だけのやりとりでお互いに、これほど恋してしまうのは、極限状態の恋は燃えやすい、のでしょうか。
そういえば、サンドラとキアヌが共演した「スピード」(1994年)で、サンドラは「非常時に結ばれたカップルは長続きしない」とか言ってなかったっけ?
そうすると、もしも、このカップルが結ばれたとしても、先行き不安!?

でも、恋は理屈じゃないよね。いきなり恋のテレパシーがピーンとくることだって。
自分の信じた恋を、あきらめない。ただし、無理に急がないで。
そういうの、いいですね。見習わなくちゃ。

サンドラとキアヌが、それぞれに犬を飼うのだが、なんと、同じ犬を飼っているのです!
2006年と2004年で、なぜ!? クローン分裂したのでしょうか。(だから詮索しないように。)
このワンちゃんが素晴らしい役者なのだ。画像を見てもらえば分かるように、チェスもするし、ここでは言えないけれども、すごく大事な役目も果たすのだ。
…こういう犬を飼いたいものである。

キアヌの父親を演じているのが、クリストファー・プラマー。「サウンド・オブ・ミュージック」(1964年)のトラップ大佐ですよ! ジュリー・アンドリュース演じるマリアの恋のお相手。
1927年生まれというから、もうすぐ80歳になんなんとしているが、いいですね。親子の確執をうまく出しているのは、さすが年の功でしょうか。

「砂と霧の家」(そのうち観てみたい)でアカデミー助演女優賞をとったショーレー・アグダシュルーが、サンドラの同僚の医者役で出ている。
彼女、「X-MEN:ファイナル ディシジョン」でも女医さん役で、ろくな出番もないまま、可哀想な最後だったが、それに比べると今回は、かなり、ましな助演だった。よかった、よかった。

それでね、エンドタイトルの曲が、いいんだなー。
ポール・マッカートニーの「ディス・ネヴァー・ハプンド・ビフォア」“This Never Happened Before”。
2005年のアルバム「ケイオス・アンド・クリエイション・イン・ザ・バックヤード」に収録されていた曲で、ポールらしい優しい温かいメロディラインをもっている。
オープニングクレジットを見ていて、音楽担当がレイチェル・ポートマンだと知って、これは期待できる!と思っていたのだ。彼女は「Emma エマ」(1996年)で、女性初のアカデミー作曲賞を受賞したのだが、私は「サイダーハウス・ルール」(1999年)での音楽を聴いてから、ずっと気になっている作曲家なのである。

ジェーン・オースティンの著書「説得」が、2人の間をつなぐアイテムのひとつとして登場している。
映画で使われたりすると、どんな内容なのか読みたくなってくるんですよねー。タイトルを頭の中に入れておこう。

イルマーレって、人気レストランの名前でしたね。オリジナルの韓国版は違うようだけど。

幸せな涙を流し、いい気分になるラブストーリーでした。




〔2006年10月7日(土) 丸の内プラゼール〕


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