ボー「ノーマ・ジーンと映画感想で話をするのは初めてだね」
ブログペットのノーマ・ジーン「ちょっと待ってね。ボー(BJ)っ!」
「分かった分かった。…で、シャマラン監督の新作だよ。『サイン』とか『ヴィレッジ』とか、この監督のハッタリかました、下手すると笑っちゃうような、
独特のファンタジック味が懐かしくて、つい、映画館に観に行っちゃいました」
「レディ・イン・ザ・ウォーターって、水の中の女の人?」
「お、英語できるね! そう、主演の
ブライス・ダラス・ハワードが水の精なんだよ。プールの中から地上に上がってくるんだ」
「水、苦手〜」
「猫だもんね、ノーマ・ジーンは。このお話はシャマラン監督が自分で考えて、子どもに話して聞かせた『おとぎ話』。水の精は人間を導くために現れるんだ。
世界がひとつになって平和に生きていけますように、というシャマラン監督の思いが、よく分かるお話だと思うよ」
「人間って平和に生きてないの?」
「残念ながらね。だから、おとぎ話で、そういう世界を目指すんだよ。そうなればいいなって」
「かわいそうだね」
「そうだね…それで、映画では、水の精が役目を果たして帰るときに、スクラントという怪物が邪魔をするんだ。なんだかよく分からない、ちょっと怖いもの、というのは、シャマラン映画ならではだね。水の精が無事に帰れるように、人間たちが協力する。このあたりが見もの」
「水の精、ちゃんと帰れるといいね」
「うん、ブライス・ダラス・ハワードが、水の精っ!?ていう雰囲気を出してる。ちょっと不思議ちゃんな。彼女を助けるポール・ジアマッティも地味めなオジサンだし、全体に映画に派手さはないなあ」
「面白くないの?」
「いや、楽しめたよ。おとぎ話だからね、それに乗っかって観れば楽しいんだよ。
助け合う、救う、思いやる、そして、いちばん根底には、よりよい世界を作りたい、という設定があるんだから、いいお話なんだ。アメリカでは映画評論家たちに酷評されたみたいだけど、彼らの頭のほうが理解できないね」
「おとぎ話だと思って観ればいいんだね」
「そう! このお話は、
絵本にもなっているよ。本屋さんで見てみるといいね。あ、そうそう、お話の中に、映画評論家が出てくるんだ。彼が偉そうにしてるんだけど、最後にちょっとした危険に遭ってしまう。これ、きっと、シャマラン監督の映画批評家への気持ちが反映されてると思うよ。そんなところも面白かった」
「シャマラン監督って、自分の映画に出るのが好きだって聞いたけど、今度も出てるの?」
「出てる出てる! めっちゃ出てる! 準主役といってもいいくらいだよ。そういう意味では、ほんと、自分の好きなように映画を作ってるね。幸せというか、ラッキーな監督だよね!」